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高校生活 3
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1人で長すぎる廊下をさすがお金持ちの通う学校だな…と思いながら歩く。
俺の家族は母1人にるり、このは、つぐみの3人の姉がいる。俺、ひばりを含めた5人家族で父は三年前にこの世を去ってしまった。母は有名なソプラノ歌手、父は指揮者、るりはソプラノ歌手、このははヴァイオリニスト、つぐみはサックス奏者でアメリカの音楽大学で勉強中。そんな音楽一家、橘家長男の俺だが、歌があまり上手じゃなくてコンプレックスだ。更に兄弟4人とも名前を、鳴き声が綺麗と言われている鳥の名前からとっている事すらも正直きつかった。
「はぁ……」
自分1人しかいない廊下で自然に出てしまった、ため息にハッとした。
「ため息つくくらい重荷なんだよなぁ…」
そうなのだ。こんなに凄い家族がいると、周りは俺が音楽の才能があるとでも思っているのだ。
そんなことは無いのに……と思う。この学校に来たのも姉3人がここを卒業したってだけで、別に来たくはなかった。その上母からは、絶対に声楽部に入ってね?と言われる始末。
「俺、歌下手なのに…」
ボソッと言った言葉が更に自分の首を絞めている気がした。
音痴とまではいかないが、中途半端に歌が下手な自分にいつもイライラしていた。
そんな事を考えているうちに声楽部の部室に着いた。
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