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早乙女伊澄という男 4
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授業が始まり、俺と舞はバドミントンのダブルスのペアとして、ダブルスvsダブルスの試合を始めた。試合と言っても本格的な試合ではないし、これなら俺でも大丈夫かなって思っていた。
それにペアは運動出来る舞だし、心強い!
「ひばり!スマッシュ来たよ!」
「う、ぇ!?」
舞が突然大きな声を出してくるので、驚いて変な声が出てしまった。
案の定相手から打たれたスマッシュを跳ね返す事は出来ず、コケてしまった。
「え!?ひばり大丈夫!?」
舞は驚いてコケた俺の方に駆け寄る。
「だ、大丈夫だと…思う…」
そう言って立ち上がろうとした時、右足首に痛みを感じた。
「痛ぁ……」
「嘘!もしかして足捻っちゃった?」
「うん……そうかも…」
そこに先生も駆け寄る。痛みで苦しい顔をする俺を見て舞が口を開いた。
「先生、橘くんが足首を捻ったみたいで、保健室に連れていきます」
「わかった。仙石さん頼むよ」
「あの、俺……」
1人で大丈夫です。って言おうとしたのに…
舞が俺の腕を肩に回し、体育館から出た。
俺の速度に合わせて歩いてくれる。本当に優しいなって心から思う。
「舞……俺大丈夫だよ?」
「大丈夫じゃないでしょ、左腕のガーゼに寝不足だけじゃなくて次は足首捻っちゃうなんて、流石に休まなきゃ……足首は私のせいもあるし、ごめんね」
顔を見なくてもわかる。今、舞は責任を感じてるんだ。自分のせいで俺が足首捻ったと思ってる。これは俺のせいなのに。
「ううん、舞のせいじゃないよ。俺の方こそごめん、舞に歩くの手伝ってもらっちゃって」
「大丈夫だよ!これくらいさせて」
そして、2人でまた廊下を歩く。
「よし!着いた!」
「舞ありがと!もう扉開けるくらい出来るから戻っても大丈夫だよ」
「うん!わかった!ひばり、ちゃんと休んでね?」
「わかったよ」
舞は体育館に戻る廊下を歩きながら手を振ってくれた。
「先生、失礼しまーす」
保健室の扉を開け………ん?…え!?嘘!!鍵かかってる!!
何度もガチャガチャと扉を開こうとするが、開かない。
「ここに来ての、鍵かかってるパターン!?」
そう叫んだ俺の声はたぶんかなり遠くの教室まで響き渡ったと思う。
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