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早乙女伊澄という男 9
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俺は早乙女に抱き寄せたられ、そのままぎゅっと抱き締められる。
早乙女の腕にすっぽり入りきってしまう俺の身体と、早乙女の身体の間に隙間はない。
力を入れて早乙女の胸の辺りを押し返してみるが、なかなか離れない。
「君はもう少し甘えた方がいいと思うよ」
「甘える?」
俺が返答すると、抱き締めていた早乙女の腕の力が抜けていく。
「あの、甘えるってどうゆう事ですか?」
早乙女の言った言葉がどうしても疑問に思ってしまう。
「ん〜、例えば、今から職員室まで俺がお姫様抱っこして行く。とか?」
ニコッと笑う早乙女は俺の背中と、膝の裏に手を回し、抱き抱えようとする。
「え!?ちょっ!俺何も言ってなっ!」
俺の話を無視してお姫様抱っこをしようとする。
それに抵抗する俺は暴れる。
「こらこら、暴れたら落としちゃうよ?足首以外も怪我しちゃうけどいいの?」
「良くないです!降ろして下さい!」
「もう……しょうがないなぁ…」
早乙女の言う事を聞かない俺を見て、早乙女が顔を近づけてくる。そして今まで想像もつかなかった低い声で言った。
「暴れるな。落とされたいのか?」
ゾクッと寒気がした。さっき見せた笑顔と真反対の表情を見せられ、怖くなった俺は早乙女の腕の中で大人しくする。大人しくなった俺を見て早乙女がまた笑う。
「君は、偉いね。ちゃんと言う事聞いてくれる」
「えっ…?」
何を言っているだ?この人は、自分で脅しといて、偉いねって何だよ…あんな顔されたら誰だって大人しくなるだろ。
早乙女の訳の分からない行動に戸惑いながら、早く職員室に着くのを待っていた。
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