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美しい姉 5
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3人で楽しく会話をしていると、あっという間に学校に着いた。
るりは学校敷地内の駐車場に車を止めた。
俺は自分の荷物を持つと1度深呼吸をしてから、車のドアを開けて、一歩足を踏み出す。
顔を外に出すと、登校中の生徒達が俺の顔を見て驚いたり、友達と内緒話をしたり、と、こちらとしてはあまりいい気持ちでない。
やっぱり、変な目で見られてる………………
意を決してこの車で登校したものの、あっさりと心は折れた。
俯いて心の中でため息をつく。
突然、バンッと車のドアを閉める音がして嫌な予感がする。
恐る恐る運転席方を見ると、るりが、わざと大人の色気を溢れさせ何食わぬ顔で、生徒達を見渡していた。
高校生相手にハニートラップ紛いのことをするのはやめて欲しい。
るりは生徒達を見渡し終わると、ニコッと生徒達に微笑み、俺の方に近づきながら言った。
「ひばり?行かないの?」
るりが動く度聞こえるハイヒールの音。その音にすら何故か色気を感じてしまう。
「え!あぁ…行く!行く!って、高校生相手になに遊んでんの」
さすがはるり、車から降りてまだ5分も経っていないのに登校中の生徒達はもうるりに釘付け。
まるで、生徒達だけ時間が止まったよう。
「あ、バレた?高校生とか初々しくて可愛いじゃない。ま、それは置いといて……ひばり職員室まで案内してちょうだい」
「……………は?今なんて?」
「だ〜か〜ら〜!職員室!」
るりは呆れたように俺を睨む。
あ………………また嫌な予感………
「な、何しに職員室行くんだよ…」
「何って、先生方に挨拶するの!ほら、早く案内してよ〜」
るりは俺の背中を両手で押して、無理矢理案内させようとする。
「や・だ!絶対やだ!」
「何でよ!こんなに美人なお姉ちゃんが学校に来たんだから、嫌なこと無いでしょ〜!」
違うんだって…………美人だからヤなんだよ……家族のせいで学校でこれ以上目立ちたくない
るりに見て口を尖らせて見せたけど、やっぱり俺の背中を押したまま。
ふと、周りに目をやるとさっきより騒がしい。
こんなことを学校で、それも外でやってるんだからそりゃあ目立つに決まってる。
「あーもー!わかった!案内するって!」
「わーい!やった〜!」
るりはわざとらしく両手を上に上げて喜ぶ。
「挨拶し終わったら絶っっ対に帰ってよ!!」
「うん!わかった!」
これで今日から俺は毎日、姉の事やら自分の事を噂されたりするんだろうな………
そう思いながら、るりと校内へと歩き出した。
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