アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
挨拶のキス
-
校舎の中にももちろん生徒達はいる。
隣には目立ちすぎる姉。
カツ、カツ、とヒールの音を鳴らしながら、まるでランウェイを歩いているかのように歩いていく。
校舎内は土足厳禁なのだが、姉は室内用のヒールというのを持ち出してきて、校舎内でもヒールを履くというよく分からない状態。
最初は全力で止めていたのだが、るりが言う事を聞いてくれなかったので諦めた。
もう……………嫌…………
今なら目が死んでる自信ある。
さっきから生徒達はチラチラこちらを見てくるし、「誰かなー?」「すごく綺麗な人!」など、みんなるりの事が気になるみたいだ。
それに、るりはるりでその視線が楽しいのか、鼻歌まで歌ってる。
こっちは目立ちたくないってのに…
白を貴重とした校舎は、床まで真っ白で、歩いても歩いても職員室に着かないみたい。とても遠く感じる。
やっと職員室まで着いて、るりは「ありがと〜♡」
といってキスをしようと近づく。もちろん挨拶のキスだし、頬に触れない。たまにされるので「はいはい」と軽くあしらう。
チュッと音がすると、周りにいた生徒達が「きゃ〜!」とか「恋人同士!?」とか言ってる。
恋人なわけが無い。るりは血の繋がりがある、実の姉だ。
ていうか、るりが姉じゃなくても絶対に恋人は嫌!こんな目立つ人と一緒に歩けない…!!
キスを見ていた生徒達には勘違いされたみたいだけど、いつもの癖で「まあ、いっか」と思ってしまった。
だけど、俺のこの癖のせいで最悪の事態を招くとは、この時の俺は思っていなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
39 / 61