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勘違い 8 伊澄side
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書庫でひばりちゃんを待っているけど、なかなか来ない。
さっき「伊澄先輩」って呼ぶ声したんだけど……
「ひばりちゃんどこ行っちゃったんだろ。もしかしてまた迷子とかになってないよね……………いや…あの子なら有り得るかも………」
彼を信じたい気持ちはあるが、いくら待っても来ないとなると、また迷子になっているということも全くない訳では無い。
声が聞こえたってことは、書庫にはいるはずなんだけどねー。
あの子が約束に遅れるはずないと考え、もう少し待ってみることにした。
一口に書庫といってもここは華霧学園。学校の敷地は広く、生徒数も多いから、無論、図書館が狭いなんてことはまず無い。
そうなると図書館にある本のうち、3分の1程度の本が収納されている書庫も広い。因みにテニスコート5面程度の広さがある。
その上、電気を付けても薄暗いせいで初めて書庫に入った人は、大体床に置いてある本に躓いて転けてしまう。
まあ、俺にはそんな心配はないけど。
書庫は俺の秘密基地的場所で、周りの人達がうるさい時はよく書庫で暇を潰した。
図書館にも書庫にも鍵はかからないし、ここは人に見つかりにくい場所でもある。
元々本が好きで1年生の頃から図書館に来ていたからこそ、この場所を見つけることが出来た。
この事を踏まえれば、本好きで良かったなと思う。
「うーん、やっぱり迷っちゃったかなぁー、ひばりちゃん」
書庫に元からあった椅子から立ち上がり、軽く背伸びをする。
「さてと、それじゃあ小鳥ちゃんを探しに行きますかー」
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