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勘違い 10
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「ん…………」
誰かに頭を撫でられている感覚で目が覚める。
頭は寝起きでまだうまく働かない。
起きていた時の事を少しずつ、思い出す。
えっと…確か、伊澄先輩に呼び出せれて、それで書庫に入って、迷って………
「あ!!」
体操座りをして、腕の中に埋めていた頭を
ガバッと起き上がらせる。
「そ、そうだ!先輩!伊澄先輩!!」
「うん?なに?ひばりちゃん」
「ふぇ!?伊澄先輩!?どうしてここに!ていうか頭!」
伊澄先輩はにこりと笑って、俺の頭を撫でていた手を止める。
「え〜?ひばりちゃん迷子になってたから、探しに来たんだよ?」
伊澄先輩は困った様な、呆れた様な声と表情で言ったあと、頬杖をつく。
「さ、探しに来てくれたんですか……ぁ、ありがとうございます…」
"探しに来た”という言葉が嬉しくて、心を暖かくすし、自然と口角が上がってしまう。
「ふふっ、いえいえ。こちらもいいものを見せてもらったので」
伊澄先輩は今度は何だか企んでいるような笑顔を見せた。
「え……え?なんですか?何見たんですかー!?」
「んー、内緒だよ!」
「言って下さい!教えて下さいよー!」
俺の質問から、逃げるように立ち上がろうとした伊澄先輩の腕を掴んで揺する。
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