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好きなこと 3
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伊澄先輩の後ろからついて歩くと、書庫の扉が見えてきた。
「はい。出口についたよ〜、ちゃんと道覚えた?」
そういえば…道を覚えといてって言われてた…。
さっきの伊澄先輩の顔が忘れられなくて、ボーッとしちゃってた。
「あ、んーと……………たぶん……?」
伊澄先輩の方を見て、苦笑いをしつつ首を傾げた。
「全く……覚えてもらわないと、また書庫で会えないでしょ?」
「え?会う?」
また?それってまた会う機会があるってこと?
「もしかして、俺と会うの…嫌かな?」
伊澄先輩は目を逸らして、伏せた。
俺は目を見開いた。伊澄先輩がこんな顔するなんて。
「嫌だなんて!!そんな事ないです!寧ろ、誘っていただける方が嬉しいです…だから!その!」
胸の前で握りこぶしを2つ作って、自分の気持ちを伝えた。
ちょっとだけ、緊張する。
「本当………?」
「本当です!だって、俺!伊澄先輩のこと好きですから!!」
「………………………え?」
「ち、違うんです!!す、好きっていうのは!先輩としてっていうか!だから、つまりは、変な意味じゃなくてですね!!!あ、あぁ!お、れ、次の授業始まるので!じゃ、失礼します!!!」
その場から早く逃げたくて、咄嗟に出た言葉を繋げた。
勢いよく開けた扉は大きな音を立てて閉まる。
「あ〜~〜~〜!!!!やらかしたああああ!!」
そう叫んで、廊下を全力疾走した。
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