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《1》1.少し前のはなし
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時は戻る。
密の記憶が戻る前の時を少しばかり掻い摘んで。
密がどこでも寝てしまう理由といつも外へ行って何をしているのか。
─────
御影密。冬組所属。歳は25歳でAB型。
薄い殿茶色のふわっとした髪に鸚緑色と若菜色の2色が混ざったような瞳の色をしている。
密はいつも眠たげであちこちで寝ているか、マシュマロを食べるか、外に出ているかの3つ。まあ、極端に言えばそういうことをしてるとこしか見たことがないということだ。
外に出て何をしているのかというと、普段は猫と話したり、猫と追いかけっこしたり、木陰等でお昼寝したりなど。だけど劇団員には知らないこともある。まあ、それはおいおい話すということで。
冬組は劇団七不思議に遭遇くらいの何かを引き寄せるような力があったり、組全員が成人済ということで少し大人な優しい雰囲気があったり、大人の魅力がある。魅力についてはご想像にお任せします。
まあ特徴についてはこれくらいで。
御影密には過去の記憶がない。
劇団に来る前までの記憶がすっぽりと抜け落ちていた。
いくら思い出そうとしても思い出せない。
むしろ思い出しちゃいけないモノだと頭が警告してくる。
でもとても大切な記憶のはずなんだ、と。
でも思い出せない。思い出しちゃいけない。
そうやってもんもんとしながら毎日生活していた。
ある日を境に密の体に異変が起きた。
冬組の第2回公演を終えた頃から…そのころから密は夜眠れなくなった。
正確には眠れなくなった訳では無い。寝たくなくなったのだ。
もともと睡眠時間は短く、何回かに分けて睡眠をとる。なので、昼も夜も関係なくどこでも眠っている。
でも夜は昼とは違い睡眠時間が少しばかり長い。
昼にとる睡眠はどれも大体30分から1時間半程度のもの。
夜は2時間から4時間程度のもの。
やはり夜の睡眠は健康に関係してくる。昼にいくら寝たからといって夜にちゃんと睡眠をとらなければ体調を崩したりもする。
密の過去がどうであろうと、体が丈夫であろうと人並みに体調を崩したりはする。
体調を崩しても表には出ないから、皆も密自身も気が付かなかったりする。
まあ、稀に誉や東、咲也や監督や臣は気がついてくれることがある。
それでも稀に、だ。
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