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10.密とギモーヴ
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密の風邪ひいてる間の記憶がないことについて左京達が深く追求しようとした。でも密は眠いから寝ると行って談話室から出ていった。
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「ここなら静かに寝られる...」
近所の公園へ密は来ていた。この辺は夕方になると子供が遊びに来るが、それまではとても静かで寝るのには最適な場所だった。密は木の枝が特等席だった。
その公園でとても大きな木の枝は太くて、密が寝ても折れることがなく、とても頑丈な枝。
密は公園の木の枝で夕方頃までぐっすり眠った。
午後3時頃になると近所の子供達が学校帰りでこの公園は賑やかになる。その賑やかさに密は起され、寮へ帰る。
帰ったらまた談話室のソファの上で寝る。そして夕食までは起きない...そう思っていたのだが...
「ただいま...」
談話室の扉を開け、小さく呟いた。
とても静かだから密は誰もいないのだろうと思っていたが、声が返ってきた。
「おや。おかえり、密くん」
「...ありす。ただいま」
誉が談話室のソファに座ってこちらを見た。手には薄い紺色の本を持っている。きっと仕事が一段落して読書でもしていたのだろう。
「あ、そうだ。密くん」
「...なに?」
「マシュマロ補充しておいたよ。たまにはと思って色付きのものや味付きのものも買ってきたよ」
「マシュマロ...」
「あ、勝手に食べたり、食べ過ぎるのは駄目だからね!食べる前にまず私に聞きたまえ」
「...うん。わかった。」
「マシュマロ食べていい?」
「さっそくかい?!」
「おやつの時間...」
「まあ、いいけども...。私の机の上にいくつか置いてあるから、好きなの1袋だけ持ってきたまえ」
「わかった...」
密も自分で買ったマシュマロなど自分で持っているが、誉が買ってくるマシュマロは密の買うマシュマロとはメーカーが違うので、風味や食感が違ったりする。
密はそういうのを楽しみ、食べている。
他にも誉は、マシュマロに似たお菓子を買ってきてくれる。
前に東と誉といづみと密でティータイムを過ごしたことがある。その時に出たお菓子がマシュマロに似たお菓子、”ギモーヴ”で、密はその時からギモーヴが大好きになった。
東は物知りでギモーヴとマシュマロの違いも教えてくれた。
ギモーヴは『フランスのマシュマロ』と呼ばれているお菓子。マシュマロはメレンゲにシロップを加えてゼラチンで固めたもので、ギモーヴはフルーツピューレにゼラチンを加えて固めたもの。
味は、マシュマロは口の中に甘みがしっかり残るのに対しギモーヴはフルーツピューレを使っているので口の中にフルーティーさが残る。
食感は、マシュマロはふわっとした中にもっちり感があるのに対しギモーヴはマシュマロよりももう少し柔らかくてむにゅとしているらしい。
密はふーんと話半分でギモーヴを口の中にひょいひょい運んでいた。口の中で溶けるような感覚で密はギモーヴが大好きになった。
そんな密を見て、東は密にだけ聞こえるように小声で意味深なことを言った。
『ギモーヴってキスの味に似ているらしいよ』
密はなんでそんな事を俺に言うんだろうと思いながらふーんと相槌を打った。こういう話は密よりいづみや椋の方が喜ぶ話なのに、東はわざわざ密にだけ言った。
その後東はクスクスと笑って、
「この間椋に借りた少女漫画に書いてあったんだよ〜。だから本当かどうかは試してみないとね?」
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