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夏 -2-
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新しい職場で、安原は早くも話題の人物となっていた。
仕事をテキパキと手際よくこなし、かつ爽やかな笑顔で愛想が良い。利用客はもちろん、従業員からも好評だった。
────笑顔は好きだ。周りだけでなく、自分までとても気持ちが良くなる。すっと心が晴れて肩の力が抜けるのだ。でも……。
やはりどうしても、忘れられない人物がいた。
滝川のいったい何が、彼をここまで本気にさせたのか。
出会いは、今年の一月のこと。
緑稜高校で生徒会長をつとめていた安原は当時校内で多発した怪奇現象をどうにか鎮めるため、渋谷サイキックリサーチに調査を依頼した。
一度は校長からの依頼を断られていたのだが、生徒全員の署名を集めて遥々千葉から単身で渋谷に乗り込んだのだ。
何とか依頼を引き受けてもらえて、本当なら来る予定だったのはSPRの一行だけのはずだった。
しかし所長は、協力者として数名の霊能者を呼んでいた。そのうちの一人が、滝川だ。
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