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夏 -8-
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「にしても、ぼーさん。よく安原さんの連絡先知ってたね?」
安原が調査のためにベースを出たあと、麻衣は滝川に問うた。
「お前が俺の連絡先知ってるのとおんなじだよ。ナルちゃんに俺たちからは連絡が取れないだろ?そういうこった」
「でも、安原さんは別に正式なアルバイトではないよね。言い方がちょっとアレだけど、ただの協力要員って感じじゃん」
「あー……言われてみればそうかもな……」
滝川は首を捻った。
麻衣や事務員のタカみたいに正式なアルバイトとして雇われている訳ではない安原は、前回の調査みたいに急に大きな仕事を頼まれたり聞き込みや調べ事のためにあちこち走り回されたり……なんてことはままあるが、普通麻衣のように滝川に直接調査の協力の依頼を頼んだりするようなものではない。
連絡先を交換したところでその手の話は結局麻衣から来ることがほとんどだし、安原との連絡もだいたいが私用だった。
何のために、交換したんだろうか……?
しかしいくら考えても、滝川の頭では理解ができなかった。
「ナルちゃんも人使い荒いからなぁ。それを見越してのことなんじゃないか?」
「あぁ……それは言えてるかも……」
それで二人とも納得していた。
それからそれ以上深く考えることはしなかった。
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