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気付かなかったのは#2
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「じゃあまた連絡するわ!」
そう言って誠一は俺ら二人を見送った。
啓介は残ってる。
まあ、付き合ってるんだしそういうもんだよな。
「あいつら本気で俺らが気付いてないと思ってたのかよ。」
帰り道、不意に悠真が口を開いた。
「そりゃ普通は思わないでしょ。俺らは何も思わなかったけどさ。やっぱ男同士だし。」
そうだよな。普通気付かないってか思いもしないよな。
なのに何で俺らは分かったんだろう?
ふと悠真を見ると何故か俺の方見てる。
「なに?」
なんか変な顔してたかな?
「いや、別に。」
ふいっと視線を逸らしてしまった。
疑問に思いながらも気にせずいるとまた悠真が声をかけてきた。
「明日、休みだろ?泊めてくれ。」
「何?気分でも悪いの?別にいいけどさ。」
悠真にしては珍しい申し出だった。
まあ確かに休みだし俺の方が家も近いから問題はないんだけど。
「ん、さんきゅ。」
思わず二度見してしまった。
けど、辺りはもう暗くて悠真の表情は見えなかった。
見えてたら、この時の悠真の気持ちを知ってたら
俺はこいつに何て言ってただろう。
まだ俺は、何も気付いてなかったけど。
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