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生意気だけど#14
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生々しい爪痕が何箇所か目に付いた。
最早ホラーだな…。
少しだけまだ血が滲んでる所もある。
無我夢中で気付かなかったとは言え流石にちょっと申し訳なくなった。
そんな俺の視線に気付いたのか
爪痕を隠すように袖を戻して俺の頭を撫でる。
「…痛くねえの?」
なんとなく視線合わせ辛くて俯きがちに聞くと宏樹はちょっと困ったような顔をして
「んー、そりゃ痛くないことはないけど。でもこんな痛みであんなに可愛い悠真が見れるなら全然いいよ。」
ずっと俺の頭をわしゃわしゃしながら嬉しそうに言いやがって。
まあ、今日ぐらいは甘えてやってもいいか。
宏樹の胸に顔を埋めて抱きしめ返す。
「悠真?」
「いいから。黙っとけ。」
それから暫く宏樹は背中をさすったり、頭撫でたり。
本当に子どもみてぇだな。
自分の状況に苦笑いしかできない。
「宏樹、俺も腹筋割りたい。」
「え、やだ、悠真には必要ないって。」
「だってお前だけずりぃ。」
それで合点がいったのか宏樹が笑う。
「ああ。それで落ち込んでたのかさっき。でも腹筋割れただけじゃ俺は担げないと思うよ。」
確かに。こいつを担ごうと思ったらマジでそれなりのマッチョになんねーと無理な気がする…。
「いいじゃん。そのままで。」
俺の頭をくしゃと撫でてからベッドに横になる。
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