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「さっきのは何なんですか」
俺は夕食を食べて終わった時、ようやく口を開いた
"さっきの"とは鬼龍さんが部屋いっぱいに広げた週刊誌や、新聞のことである
手探りにあれから少し読んでみたのだが全てのものに俺と鬼龍さんの話題が載っていた
『鬼嫁現る』
『鬼龍様ご結婚か』
....
他にも色々。
やっぱり鬼龍さんは人気があるらしい
でも当たり前かもしれない
容姿端麗、成績優秀、そして...貴顕紳士ときた
そりゃぁ、まぁ、モテるだろうよ
俺は多分これからずっとその女達から冷ややかな目で見られるのだろう
―女。怖い
「まぁ、こうなったからにはしょうがないな」
「確かにそうですね...これからどうするんです
か?」
俺は顔はバレていない(多分)が鬼龍さんは有名人なので世間体的にダメなのかな?
俺のことを隠すか、それともこの際言ってしまうか
多分俺のことはこの"出雲"にとってトップシークレットなのだと思う
鬼龍さんは時を見て話すつもりだったと思うのだが意外にも情報が流れるのが早かったらしい
「もう、この際発表してしまったらどうです?」
春日さんが、そんな提案をしてきた
「....まぁ、確かにいつかは言おうと思っていた
事だ。でもそしたら俺をよく思ってない輩や周
囲の者達がどう思うか。」
「心配は分かりますがここは腹を括るしかないで
しょう。大丈夫ですよ、美鼓さんは守れぬけ
ます」
「春日さん....」
俺は凛とした表情の春日さんをみて心を打たれた
こんなに、自分を思ってくれる人がいるなんて今まで考えられなかったから少し、混乱している
「っよし!明日朝10時から客室に記者を呼んで
話をつけてこよう。美鼓、すまないが一緒に来
てくれるか?」
きれいに整った眉を少し歪めて聞いてきた
―大丈夫俺なら出来る
「もちろんです!」
その後からの流れは早かった
春日さんが明日の日程を組んでくれたのだ
やっぱり春日さんはすごい、こんな絶対1人じゃ大変な作業をこなしてしまう
―鬼は作業のスピードも普通の人と違うのかな?
とか考えて見たけどそれはないな..普通に春日さんが凄いんだ
どんどんと進んでいく話について行くだけで精一杯だった俺は2人に指導されながらも明日に挑むこととなった
―どうか、どうか何も起こりませんように!
俺は藁にもすがる思いで祈った
緊張して布団に眠れなかった俺に鬼龍さんは苦笑した
ふと、鬼龍さんの方を見るといつもの布団の隙間が縮まり、より鬼龍さんの顔が近くにある状態である
「....すまないな、」
ほんとに申し訳なさそうに言うので、戸惑ったが俺は力強く鬼龍さんの手を両手を包み込むように握った
「大丈夫ですよ俺は。明日はちゃんと話しましょ
うね」
俺は鬼龍さんと手を繋いだまま暖かい手の温もりを感じながら眠気に身を任せた
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