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義務
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彰仁視点
俺は高校生になって本屋でのバイトを始めた。
丁度2年前。
志望校に合格した俺に両親は祝福旅行を計画した。
父は目的地まで車を運転し母は助手席に座り妹と俺は後部座席へと身を預けていた。
そんな俺達平凡な家族に襲いかかったものは前から逆走する車だった。
車から伝わる衝撃と音と目の前の車と…。
そこからの記憶はあまりなくて気づいた俺は病院の白いベットで寝ていた。
目が覚めてから数日経って俺に突きつけられた現実は親が亡くなったと言う事。
病院の先生は事故から数日後にその事を話した。
俺は事故当日…目が覚めた瞬間に親が居ない事から心の底で親はもう居ないのだと感ずいていた。
そんな感など働かない妹は毎日のように大泣きしては俺に助けを求めてきた。
それに応えるよう…俺は毎日のように妹を泣き止むまで抱っこしていた事を覚えている。
そこから事故の怪我も治ってきた俺と妹は退院して元住んでいた家へと帰った。
何も変わっていない家に生活感溢れる当たり前の景色が広がっていて俺は初めてそこで涙を流した。
不安がって俺を見上げる妹に俺は涙を拭き微笑んだ。
そして生活上で必要なお金を貯めなければいけないと言う義務から俺はバイトを始めた。
春休み明けからの高校に期待せずバイトで何とか生計を立てて行く生活を俺は続けていた。
多分これからも続いていくのだろう。
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