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オレンジデーR
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ん〜?
なんかいい香りする。
なんだろ‥‥
はっ
俺、寝ちゃってた?
キッチンを見ると零士がなにやら作ってる。
「零士?帰ってきたなら起こしてくれればよかったのに」
「レキ、起きた?
ぐっすり寝てたから起こしたら可哀想かと思って」
気付くと毛布が掛けられてる。
寝顔、見られた?
‥‥今更か(苦笑
それを畳んで零士の元へ行く。
「なに作ってんの?」
「ゼリー。
美味しそうだったからオレンジ買っちゃった」
キッチンには大量のオレンジ。
オレンジの香りが充満していて凄く爽やかだ。
「ふふ。いい匂い。
俺もなんかつくる!
まだ夕飯には早いな。
それじゃー‥‥‥」
と冷蔵庫の中にあるものを思い出してみる。
クリームチーズもパイシートもある。
「零士、チーズケーキとパイどっちがいい?」
「両方!」
「(笑)オッケー」
可愛く笑った零士の顔にほっこり嬉しくなる。
明日の朝用にオレンジのパンも焼こう。
あとは、今晩の分にサーモンとオレンジのマリネとオレンジ風味のスペアリブ?
オレンジピールも作っておきたいな。
なんかオレンジ尽くしだな。
「零士、パイは余分に焼くから赤井さんたちにも持ってってくれる?」
「駄目」
え?駄目?
間髪入れずに否定の言葉が返ってきた。
珍しくらしくないこと言うので思わず零士を見上げるとふんわりと抱きしめられた。
「レキ、このオレンジの意味、知ってる?」
オレンジの意味?
さすがに柑橘とかそんなんじゃないよな。
花言葉的な?
知らねーよそんなん。
首を傾げたら、零士に言われた。
「明日はオレンジデーって言ってね、恋人たちがオレンジに因んだものを贈りあって愛を確かめ合う日なんだって。」
「‥ッ 知っ知らない。そそそそんなの、だって俺ら、恋人じゃ‥‥‼︎‼︎‼︎」
「恋人、だよね?俺たち」
言葉を遮るように言われた。
そぅ。言い掛けて気付いた!
恋人に、なったんだって!
実感なかったけど、こういう風に言われると無性に恥ずかしい。
まだ好きって言えてないけど、番にしてもらって家族にも紹介した。
改めて言葉にすると暴れたいくらい恥ずかしくて軽く死ねそうだ。
くっそマジ顔が熱い。
煌びやかな世界に住んでる零士とは正反対の世界にいた俺なのに、零士はずっと傍にいていいと言う。居てくれると、いて欲しいと言ってくれる。
俺も、お前と同じ気持ちだよ。
この手を絶対に離したくない。
お前が俺を守ってくれているように、俺もお前を守りたい。
俺、零士のこと、本当に好きだ。
自覚しただけで心臓を鷲掴みされたみたいにギュン、てなる。
零士の腕の中は俺の心が素っ裸でいられる唯一無二の場所。
この場所を失ったら俺は生きていけないと思う。
いや、きっと息もできない。
そのくらい大切で愛しい存在だ。
いつの間にこんなに好きになっちゃったんだろ。
場所を弁えない自己中で、甘えたでキス魔の絶倫。
そして、俺のこと一番に考えて何よりも誰よりも大事にしてくれてる。
いつか、勇気を出して『大好き』って言いたい。
そんなこと考えてたら、零士が俺の顔を覗き込んでた。
ちょ、近い!
チュッとキスして零士が言う。
「なぁぁに可愛い顔してんの?
真っ赤になって、なに考えてたの?
俺のこと?」
「ばッばばばばか違う!違わないけど、ッ違うから!」
一瞬眼を見開いた零士に腰をグッと引かれて頬に手を添えられた。
「ふふ。可愛い」
キスされる!
そう思って目を閉じて唇にちょっと隙間をつくった。
ん?
「こら零士!なんだこの当たってるものはッッッ!!」
「てへ♡
だってレキが可愛いんだからしょうがないじゃん。
そんな蕩けた顔して煽るからいけないんだよ」
「てへじゃないしだってでもない!可愛くない!煽ってもない!
止めろ!こら!服を捲るな!!手を入れるな!!!」
「ふふ。
可愛いなぁ。今すぐここで押し倒したいけど、1万歩譲ってベッドまで行こう。
あぁ俺寝室まで我慢できるかな」
俺って紳士だろ?褒めて褒めて♡
とかふざけたこと抜かす零士に抱きあげられ寝室に連れていかれた。
はなせー!こらーッッッ!!
俺の声は零士の唇で塞がれてしまった。
完。
オレンジデー、これにて完結にございます。
ここまで読んでくださったみなさま
本当にありがとうございます。
お気に入りの数もいいねの数も度肝を抜かれるほど沢山いただき、嬉しい気持ちも感謝の気持ちも言葉に尽くせません。
本気の感謝の気持ちと共に
心より深くお礼申し上げます。
ありがとうございました。
そして、
この場を作ってくださったりょうさん。
沢山の優しさとお心遣いをありがとうございました。
いろいろと面倒を掛けてしまってごめんなさい。
文章など書いたこともなく自分発信する勇気もなかったわたしにこのようなご配慮と場所を与えてくださり感謝の言葉しかありません。
本当に本当に、ありがとうございました。
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