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自分を覆っていた影が薄闇の中に霧散していったことに気づいたのは、全てが終わった数分後だった。
体が痛みに悲鳴をあげていて、ちっとも言うことを聞いてくれない。
辛うじて布としての最低限の機能は残されたシャツをぎゅっ、と握って、震えるほどきつく閉ざしていた瞳をゆっくりと開ける。
ぼんやりと焦点の合わない蒼玉(サファイア)のような瞳が、砂で汚れてしまった唯一の繋がりを映しだす。
その先で、置き去りにされたかのように転がっているペンダントを、涙でいっぱいになった瞳で見つめていた。
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