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宜しくとは言わない
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学校を目の前にして俺は少し驚いた。
真っ白の頑丈そうな塀に囲まれた土地。
大きな門の向こうに見える、城のような校舎。
正直言ってこんな学校は初めて見た。
俺は大きな門をくぐった。
それにしても、さっきから同じ制服を着た生徒が見あたらない…もしかして俺が遅いのか
?
咄嗟に腕時計を見る。
ヤバイ。
言われた時間より5分くらい遅れていた。
急がなければいけない。
俺は、門から下駄箱まで全力疾走で走った。
少し息を切らせながら靴を履き替え職員室に向かった。
職員室の前に立ち三回ノックをし扉を開けた。
すると一人の女の人がこちらを振り向いた。
「あら、あなたは…転入生の梶原秀君よね?」
「はい。」
「よかったー中々来ないから何かあったのかと思っちゃったわー。」
「あ、すいません。」
「あっ‼︎それより、あなたのクラスは3-Bね。教室は何処かわからないでしょうから私がそこまでなんないするわー。」
「ありがとうございます。」
「いいえーまぁ歩きながら説明するわ。行きましょう。」
この人、が担任なんだろうか…?
随分とテンションが高い先生だ。
「あっ、私は3年生の学年主任なのー3-Bの担任の先生は桃堂先生。男の先生で、23歳の若い先生なのよー」
ドクッ
23歳っ…男っ…
『秀…』
違うっ‼︎あの人はもう居ない、ここには居ないんだっ‼︎
落ち着けッ…‼︎ただの偶然だ、俺はココでやり直すんだろ⁉︎こんな事で動揺してどうする…
はぁっ、はぁっ…
苦しいっ…
「梶原くん?」
はっ‼︎
「大丈夫?」
「大丈夫です…」
「それでねー桃堂先生は明るくて生徒にも人気があるからすぐ慣れると思うわー」
「そうですか。」
「あ、あそこよー多分HR始まってると思うからちょっと待っててねー」
ガラッ
「桃堂先生ー」
「はい!」
「転入生来ましたよ」
「そうですかっ‼︎ありがとうございます‼︎」
「では私はこれで失礼します。」
女の人が俺の肩をポンポンと叩き
「頑張ってね」
と言って去っていった。
固まっていると
「おーい、転入生ー入って来ていいぞー」
教室の中から呼ぶ声がした。
俺は教室の中に呼ばれるがままに入った。
入ると一斉に向けられている眼差し。
俺はそれを無視して教卓の方に視線を向けた。
整った顔、爽やかな笑顔をした男が立っていた。
だけど俺にはあの笑顔が貼り付けられている偽物のようにみえた…それに全てを見透かすようなあの目、俺はあの人を何故か苦手だと、怖いと感じた。
全てを知られてしまいそうで。
「うーんと、梶原自己紹介を頼む。」
「はい。梶原秀です。」
……シーン
「えっ?梶原それだけ?まっいっか、お前の席は窓際の一番後ろだなー」
俺は指定された席に向かった。
歩いている間に、顔を赤くした女の顔が目にはいったりコソコソとなにか話している奴らがいた。
あー面倒だな。
平和に暮らせそうではないなと思った。
俺は静かに過ごしたい宜しくなんてしない…
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