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朝食2 悠人side
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こぼれたコーヒーを台拭きに染み込ませながら、近所に専門の病院があったかどうか記憶を探った。
数分後青白い顔で戻ってきた和樹を座らせ、
背中を擦りながら水を手渡す。
「仕事、休む?」
「まさか、これくらいじゃあ死なないよ」
しばらくして調子の戻った和樹は、砂糖の溶け残ったコーヒーを流しに捨て、ついでに食べかけだった朝食の残りもゴミ箱へと投げ入れた。
「…皿まで捨てるなよ」
「えー」
ガシャン
「……わざとだろ」
「まさか、手が滑っただけ…捨てずに取っとく?」
「さっさと捨てろ。新しいの買ってきてよ、さもないと夕食は机の上にご飯盛るから」
「おそろいの買ってくるよ、楽しみにしてて」
子どものような無邪気な笑顔でどんな柄がいいかどんな色にしようかと呟く彼を横目に、黙々と食事を続けていく。
俺は食事中におしゃべりをしたくないタイプだが、この無愛想さを、なぜだか彼は可愛いと言う。
…そういえば昔、彼女とデートに行った時は
「会話がないから楽しくない」と言われたっけ
そんな彼女も目の前で死んでしまい、悲しみにくれていた所を和樹に慰められた。
そうして始まったこの生活を、いつかわ終わらせなければと思いつつも、なかなか終わらせることが出来ずにいる。
依存に似た執着心がズルズルとこの関係を引きずっていた
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