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準備 悠人side
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俺が物思いにふけっている内に、和樹は出勤の準備を整えていた。
スーツ姿の彼に、俺はいったん食事の手を止めて、かけてあったコートを手渡す。
上着を羽織った彼の正面に立ち、茶色のマフラーをその首に巻き付けた。
くすぐったそうに笑う和樹になんとなく腹が立って、マフラーを思い切りキツく縛る。
和樹はこんな俺の反応すら可愛いと言うように、デレた顔を隠そうともしない。
「それじゃあ、行ってきます」
「帰りは?」
「少し遅くなるかもなぁ、いい子で待っててね」
ふいに触れ合った唇に、反応を返せずただただ彼を見やった。
悪戯っぽく笑う彼が手を握って、玄関のドアに手をかける。
カシャンと音を立てた鍵の音に、呆然とその場に立ち尽くしながら、俺は和樹を見送った。
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