アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1
-
我慢しないといけない。
譲らないといけない。
どうしていつも苦しいのは俺だけなんだ。
どうしてお前は俺の隣で笑えるんだ。
「 あなたはお兄ちゃんでしょ 」
そう言われた時から俺の生活はあいつ中心になった。
頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群、周りの人からの信頼や
人望も厚く、友達や先生からも頼りにされている人格者。
それが俺の弟。
そりゃあもう優秀な俺の弟は、いつも沢山の人に囲まれていてキラキラと輝いて見える。
愛される為だけに生まれてきたような、そんな存在だった。
それを、本人も分かっているように振る舞う。
でも決してあざとい訳でもなく、ただ単純に周りから愛されてるってことを自覚しているのだ。
皆、俺の弟が大好きだった。
それはすごく当たり前のことで、
自然の摂理と言ってもいいほどだった。
結局皆あいつを選ぶんだ。
でもそれでいい。
もうどうでもいい。
俺はどう頑張ってもあいつには勝てない。
どんなに努力したって1番にはならない。
ならそれでいいやって、
諦めたって、
ずっと苦しい。
楽にはなれない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 70