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ずっと、【5927】
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・・・愛してるよ。
今も、これからも。
「獄寺くん!なんか欲しいものある?」
「・・・え?欲しいものっスか?」
今日は獄寺くんの誕生日。
・・・だけど、獄寺くんが欲しいものなんて一つ以外見つからなくて、オレはいまだにプレゼントが用意できていない。
そしてその答えも予想通り――・・・
「10代目の右腕の座が欲しいっス!」
・・・・・やっぱり・・・。
「えーっと・・・そういうことじゃなくてさ・・・物で!」
「物・・・ですか?特にはないっスけど・・・あ、そんなことより前に10代目が食いたいっつってたケーキがですね・・・」
「・・・そんな、こと?」
そんなことよりって何?
君の誕生日は、そんな軽いものなの?
オレは思わずカッとなってしまう。
「・・・っなんで・・・っ!」
「え?」
「なんで君はそうなんだよ!毎年毎年オレの誕生日はしつこいくらい祝うのに!なんで獄寺くんの誕生日は祝わせてくれないのっ!?」
・・・まるでオレが情けないみたいじゃないかーっ・・・と、オレは若干涙ぐみながら言う。
「・・・10、代目・・・・・・そっ、か・・・そうでしたね・・・・・」
獄寺くんがつぶやいた言葉の意味がわからず、頭に?マークを浮かべて獄寺くんを見る。
「今日って・・・オレの誕生日でしたね」
・・・・・え?
「忘れてたの!!??」
「はい、うっかり・・・」
ありえないよ、自分の誕生日忘れてるなんて・・・。
「でも、そうっスか!だから10代目はあんなこと・・・」
「う、あ・・・うん・・・・・・」
何だか1人で怒っていた自分が恥ずかしくなる。
「・・・で?なにか欲しいものないの?」
オレは改めて獄寺くんに言うと、返ってくる返答はやっぱり・・・
「物で欲しいものはないです」
・・・・・だった。
「・・・じゃあオレ、何あげればいいの・・・?」
オレには、あげられるものなんて―――・・・。
「しいて言うなら、」
獄寺くんが口を開いて、オレはそれを黙って聞く。
「・・・しいて言うなら、これからも、ずっとずっと、10代目のお傍にいたいです。・・・貴方をずっと、オレが支えていたい。貴方の・・・隣に、ずっと。」
そんな整った顔で、真剣な瞳で、
そんなことを言われたら、条件反射で心臓が跳ねる。
・・・だけど、
「・・・それじゃ、プレゼントになんないよ」
「え?」
オレは獄寺くんに微笑みかける。
「・・・だって、そんなの当たり前のことだから!」
当たり前だよ。
ずっとずっと、一緒にいよう。
オレは獄寺くんの唇に軽いキスをする。
チュ、と小さくリップ音を立てて唇を離すと、獄寺くんは―――・・・
「ありえないほど真っ赤!!」
オレにあげられるものなんてないって、そう思ったけど。
・・・見つけた。
ひとつだけ、オレだけに、オレにしかあげられないもの。
今日この日に、君に、
・・・・ありったけの愛を。
―10年後―
「・・・・ねぇ、いつか約束したのを覚えてる?」
「・・・はい」
「5年後も、10年後も、ずっとずっと君といる」
「10代目の隣にいる」
「・・・じゃあさ、今度は・・・・」
20年後も、30年後も、
ずっと、
・・・愛を、誓おう。
(2010獄誕)
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