アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
告白
-
ずっと、見ていたんだ。
夜に見かけたあの時から。
不良に絡まれたあの人は、息をするように、とても綺麗に、拳を交わしていた。
手で交わして、脚で攻撃。力は無さそう…。
俺より少し小さい背、サラサラな黒髪、大きな黒い瞳は気怠げに遠くを見ていた。
一目惚れってやつ?
制服から学校を特定して、人脈を駆使してあの人の名前やら家族構成やらを調べた。
そして遂に、高校生になった俺は、あの人が通う高校へと入学した。
2年生で生徒会長になったあの人を、入学式のスピーチの時にじっと見詰めていた。
そしたら目が合ったんだ。ここぞとばかりに笑い掛けると僅かに目を見開き、視線を逸らされた。
その後は俺を見ることなく、笑顔を振り撒いてステージを降りる。
…なんだよ。俺を見ろよ。
まだ俺のものじゃない。それでも悔しくて、嫉妬して、腹ん中が真っ黒になるのが分かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 26