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文化祭
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「雛さーん!」
「げっ」
酷い女装をした野郎2人(護衛)を引き連れて校内を練り歩いていると、後ろから真雪の声。
後ろの2人が左右に避けた気配に身の危険を感じた僕が振り返る前に、背中に飛び付かれた。
衝撃で首折れるかと思った。
真雪じゃなかったら足が出てるよ。
「雛さんそんなエッチな衣装で校内を歩かないで下さい。生徒会長なのに威厳が無くなります!野郎共に狙われてるし、危険が増える!」
耳元でキャンキャンうるさい。
「僕は弱くない。そんなに不安なら君が僕を守ればいいだろ」
「雛さん…っ!」
頼ってくれた、と喜ぶ真雪を横目にふと気付く。
「あ、でも君、僕より弱かったね。残念、無理だ」
「ひ、雛さん…」
先ほどとは打って変わって、泣きそうな真雪の変わりぶりに思わず吹き出した。
腕の中で身を返し向き合うと、両手で頬を包んで見詰める。
周りで黄色い悲鳴が聞こえるが無視しよう。
「君も、先程から熱い視線を送られてますよ。男女共に警戒して頂かないと警察沙汰にしますから気を付けてくださいね」
「そ、それは嫉妬…!」
「ダメだこいつ聞いてねえ」
瞳を輝かせて固まっている真雪の腕から抜け出し護衛を連れて歩き出す。
チラリと後ろを振り返り燕尾服姿の真雪をみて、かっこいいじゃん、と小さく笑った。
その様子を見ていた生徒達から女王様と呼ばれているのを知ったのは、文化祭が終わって1ヶ月後だった。
「護衛を従えて執事を鼻で笑うボンデージ姿の会長は、どこからどう見ても女王様でした」
とのこと。
冗談じゃねーよ、僕は会長様だ。
まあ、護衛を従えて歩くのは中々に気分爽快だったけど。
なんて言ったらあの子は拗ねるかな。
(当たり前です、貴方のナイトは俺だけで十分!)
(いや、君弱いから僕がナイトになるでしょ)
(雛さんが守ってくれる…!?)
(自分の身は自分で守れよ)
(辛辣!!!)
...Fin...
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