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緑間 song4
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♪"まるで悲しい歌のように一人きりの日々 うまくいかない眠れない夜でもあきらめきれない"
「緑間くん・・・」
「なんなのだよ?黒子・・・」
「また1人で練習していたんですか?」
「うるさいのだよ・・・黒子、お前には言われたくないのだよ」
俺は3Pシュートを決めるために人事を尽くしていたら黒子にそんな事を言われた・・・
ふん、アイツも1人で練習しているのは俺も知っているのだよ。なのに、俺だけが1人で練習しているみたいな言い方を・・・
♪"ふと気付けばいつもそばに あなたがいてくれた 世界中から嫌われてる気がしても 強くなれたの"
オレはいつもこんな調子だから、周りからは避けられることが多く、現に青峰や黄瀬辺りなんかは俺を苦手としているみたいだ。そんな状態の俺を黒子は避ける事もなく、まぁ・・・変人扱いはしていただろうが、気付けば側に居たのはお前だけだったのかもしれんな。
♪"見えない愛情が優しく包むよ こんなにあたし こんなに強く支えられているから"
黒子、俺はお前が嫌いだ。
俺とお前とでは相性が悪いのだよ。
お前も俺の事は苦手と言っていたな。
なのに、気付いたらお前は何故俺の側にいるのだよ?
『緑間くんの事は苦手ですけど、何故か一緒に居ると安心するんです』
本人前にしてサラッと苦手とか言わないで欲しいのだよ。
だが、俺も同じ気持ちだったのだよ
俺とお前との間には何もなかったが、お前が隣に居ると俺の横は暖かく感じたのだよ
♪"言葉じゃ表せない 想いを歌うよ あたしの頬を流れる涙は あなたに伝えたかった 「ありがとう」"
黒子は青峰と何かあったのか、塞ぎ込む様になったな。
『どうした?』と聞いてもお前は『なんでもありません』っと言うばかりで、それからは俺は何も聞かずただお前と青峰の様子を見ているだけだったのだよ
あれから少しして黒子、お前は俺達キセキの前から姿を消したな・・・
黒子は影が薄いクセに、居なくなった後のお前の存在は大きかったのだよ
今、俺の隣は冷たく感じるのだよ
♪"雑音だらけの埋もれた街 ひたすら空を見てる 愛する人や 家族でさえ 遮りたくなってた"
中学を卒業し、俺は秀徳に入学した
キセキのメンバーも皆別々の高校に行ったが、黒子の居場所は未だに分からなかった
俺の隣は今でも冷たいのだよ
何もかも煩わしく感じていたそんなある日俺は高尾に出会った。アイツは面白がってだろうが俺にしつこく付きまとってきた。その時だけ俺の隣は暖かく感じたのだよ
♪"誰も思いやれない 余裕がなかった気持ちも あなたがくれた言葉が 冷えた心溶かしてくれたの"
俺は高尾が隣に居ることを拒む事はしなかった・・・だが受け入れるつもりもなかった。
キセキの奴らが力に目覚め変わっていく、そんなオレも力に目覚めてはいた、オレは・・・嫌、オレ達は周りとは違うと・・そう思いながらもふと黒子の言葉を思いだす。
『緑間くんはきっと変わらない気がします。・・・・変わらないでいて下さい。そのままのぶっきらぼうで変人のままで・・・』
なんて、冗談か本気か分からない様な表情でアイツは言っていたが、その言葉を思い出す度にオレは変わってしまったのだろうか?と自問自答をする。
そんな時、黄瀬からの連絡が来た。
『黒子っち見つけたっス!!』
いきなりこのメールの文だ
アイツはいつもこんな唐突なメールをよこすのだよ・・・
そしてオレは再び黒子と出会った。
黄瀬と黒子の対決・・・
オレはガッカリした・・・オレはそれなりにアイツを認めていたのだよ。
なのになぜ、あんな新設校なんかに・・・
だけど、お前は『点を多くとっても嬉しくなければそれは「勝利」じゃない!』・・・そう熱のこもった目でオレを見てきた。
お前が言いたいことは分かる。だが、オレは楽しい楽しくないでバスケをしている訳では無い。
その時はその言葉を跳ね除けたが、黒子の言葉が頭から離れないでいるのだよ。
♪"見えない愛情が 優しく包むよ こんなにあたし こんなに強く支えられているから"
高尾がある日言った・・・『真ちゃんって変わったよなぁ~』
唐突に言うもんだからオレは『何なのだよ?』と答えると『笑うようになったしー?まっ、相変わらず変だけどねぇー♪』・・・失礼なのだよ。そんなオレに付きまとうお前には言われたきゃないのだよ・・・
その後ボソッと高尾は『アイツのおかげかな?』・・・とそう呟いたのはオレの耳にも届いていた。
そう・・・分かっているのだよ。認めたくはないがな。
あの時跳ね除けた言葉がこだまのように返ってくる
黒子との試合で悔しさを覚えてから、勝つのが当たり前だったオレが負けた今、勝ちたいと思ったのだよ。
今まで1人でシュートを決めていたのをやめ、初めてパスを回した・・・そこから入った点は今までより・・・オレの3Pより点をとった気がしたのだよ。
それは、周りにいる仲間のせいなのか、黒子の言葉のせいなのか・・・・
♪"一緒にいれば I could fly (なんでもできた)どんな時も Feel good (いい気分)inside Cos in my eyes (だって私にはあなたが全てでもっとそばにいてほしいの)"
オレの隣には今高尾がいる
オレがどんな事を言ってもケラケラ笑ってみせるコイツが・・・理解してくれる
今まで隣にいた黒子の変わりにコイツがいる・・・それはこんなオレにとっては貴重な存在なのかもしれないのだよ
♪"you′re all that I need and more(あなたは私だけのためにここにいる)そばにいてほしいの だってあなたといれば 生きてるって感じがするの You′re here (あなたがここにいる) Just for me(私のためだけに)"
高尾が『オレ、真ちゃんのこと嫌いじゃねーぜ?変人だし、周りからは浮きまくりだし、相変わらず嫌われてるけど、一緒にいると楽しいし、飽きねーしな!!』
と言ったが、お前はオレを貶したいのか、褒めてるのかどっちなのだよ??半分貶してるのだよ!!
・・・だけど、オレもそうなのだよ。こんなオレにお前は笑いながら着いてくる。リヤカーも引いてくれる。
そんなお前も変人でバカなのだよ。
だけど、お互いがそーゆう好きじゃないって事は分かっているのだよ。今はまだ・・・
♪"言葉じゃ表せない 想いを歌うよ あたしの頬に流れる涙は あなたに伝えたかった 「ありがとう」"
黒子・・・・お前が居てくれて良かったのだよ
お前に再び逢えて良かったのだよ。
こんな風に想う気持ちを与えてくれた
誰かを想う気持ちに気付かせてくれた・・・
本人を前にしては言えないが・・・・
ありがとう・・・
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