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紫原song8
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♪"水色にはなびらの浴衣が この世で一番
似合うのはたぶん君だと思う
よく誘えた 泣きそうだ"
「紫原くん、お待たせしました」
「あ、黒ち~ん!待ったよぉー。お腹減ったしぃ~」
「すみません。って、片手にりんご飴持ってるじゃないですか」
「こんなんじゃ足りないしぃ~」
今日は黒ちんを誘ってお祭りデートぉ~
え?付き合ってるのかって??
まだ付き合ってないけど、なんか文句ある??
てか、これでも必死で誘ったんだけどぉ~
だって、普通に誘ったら絶対キセキのメンバーもくっ付いてくるしぃ~・・・オレにしてはなかなか頑張ったよね?
「てか、黒ちん浴衣着てる~」
「あぁ、すみません。お祭りに行くと親に伝えたら張り切って着せられてしまいました」
「なにそれー。うけるー。てか、なんで黒ちんが謝るの??馬子にも衣装って感じで似合ってるのにー」
「それ、褒めてるつもりですか?っていや・・・自分でも・・・明るい色だし、ちょっと恥ずかしいんで・・・」
確かに、黒ちんは普段ならこーゆう場で浴衣って着なさそうだけど、親が用意したのか水色に白とか青色が混ざった浴衣を着てた。思わず照れて皮肉混じりに言ってしまったけど、でも・・・
「黒ちんって感じの色だねー。」
「///も、もう恥ずかしいんであまり見ないでください。さ、行きますよ」
「ん~お腹減った」
「ふふっ、紫原くんらしいですね。僕もお腹空いたんで行きましょう」
♪"夏祭りの最後の日 わたがしを口で溶かす君は
わたがしになりたい僕に言う 楽しいねって"
焼きそばやお好み焼きやら沢山食べてからデザートにチョコバナナとかき氷を食べるオレをよそに黒ちんはわたあめを買いに行って戻ってくる
「黒ちんってわたあめ好きなのー??」
「はい♪このふわふわした感じとこのなんとも言えない懐かしい味たまらないですよね?よく小さい頃買ってもらってました。そーゆう紫原くんは・・・・うっぷ、よくあんだけ食べたのにそれ食べれますね??」
「んー、甘い物は別腹ぁ~」
そう言ったオレの横でわたあめを食べ始める黒ちん
「そのわたあめってなんか黒ちんみたい~そんでもって食べる姿はリスっぽいね~」
「どーゆう事ですか?」
「ん~なんかちっこくて、食べてる姿がリスっぽい~」
「わたあめみたいが1番ナゾなんですが・・・ってなんかあまり嬉しくないですね」
「あははぁーwえぇー?可愛いーって事じゃん」
そんなたわいもない話をしをしてたら・・・
「あ、そーいえばもうそろそろじゃないですか??花火上がるの」
「あ、そうだねー。じゃぁ、オレのオススメの場所行こぉ~!」
「え?紫原くんのオススメの場所ですか??」
そう言いながら目をキラキラさせてこっちを見てくる黒ちん・・・あー。可愛いなぁ~・・
「そう、誰も来ないからオススメだよー。・・・・あ、でもオレとこれから一緒に行く黒ちんしか知らないから誰にも言わないでよね~」
「ふふっ、はい!わかりました」
♪"僕はうなずくだけで 気の利いた言葉も 出てきやしない 君の隣歩く事に 慣れてない自分が 恥ずかしくて"
人混みをかき分けながらオススメスポットに向かってるとその少し後ろをちょこちょこ歩いて付いてくる黒ちん
「・・・黒ちん、手・・・」
オレが手を差し出したら黒ちんは
「え?いや大丈夫ですよ・・・紫原くん背が高いから僕が少し離れても何とかついていけるんで・・・」
そんな黒ちんにオレは少しムスッとする
「黒ちん小さいから見えなくなるとオレが心配なだけ~」
そんな風にしか言えなかったけどいつものオレの言い方に黒ちんは
「む・・・ボクが小さいのではなくて、君が異常なだけです!」
もう、素直に手を繋げばいいのに・・・
オレもオレだけどほんとそーゆう所黒ちんってガンコだよなぁ~
「もういいから黒ちん早く~」
「・・・分かりました」
しぶしぶ手を繋ぐ黒ちんから手のひらに体温が伝わってくる
「黒ちんって子供体温~」
その温もりが急に恥ずかしくなってそんな事を言ってしまう
「むむ・・・紫原くんだって温かいですけど??」
「・・・・・」
何コレ恥っず・・・・
急に照れくさくなってその後は特に何も話さず無言で歩く・・・
♪"想いがあふれたらどうやって
どんなきっかけタイミングで
手を繋いだらいいんだろう
どう見ても柔らかい君の手を
どんな強さでつかんで
どんな顔で見つめればいいの"
身長が高くなったオレは背だけじゃなく、握力も強くなってだんだんバスケでも力加減が分からなくなっていた
人に対してもそうで・・・まぁ、女の子は特にさっちん以外接する事はないからいいんだけど・・・・
黒ちんなんて自分ではあー言ってるけど峰ちんやみどちんから比べると小さいし細っこいから、バスケの時潰してしまいそうで怖くなる・・・
だから、今繋いでるこの手をどの程度の力で握っていいのか分からなくて、汗ばむ。
そんな緊張が黒ちんに伝わってしまうんじゃないかって余計にドキドキして、黒ちんの反応も見れずひたすら前を向きながら歩く・・・
♪"君がさっき口ずさんだ歌にも
たまに目が合う事も
深い意味なんてないのだろう
悲しいけど"
「・・・・黒ちん、着いたよ~」
「あ、はい・・・・紫原くんの言う通りいい所ですね?ひとけも少なくて、ここなら静かに花火見れそうですね?」
「でしょぉー?オレに感謝してよねー?」
「ふふっ、ありがとうございます」
「なんか、今日の黒ちんご機嫌だねー?」
「そうですかね?」
黒ちんは首をかかげてこっちを見てくる
ナニソレ、可愛いんだけど
思わず恥ずかしくなって、片手に持ってた食べ物の内のベビーカステラを頬張る
「・・・・って、まだ食べるんですか??」
「・・・・うん、まだ花火まで時間あるし・・・」
「じゃぁ、僕もさっき食べかけてたわたあめ食べようかな」
「って、その袋のキャラクター・・・」
「あぁ、これですか??小さい頃にやってたアニメのキャラクターなんですけど・・・懐かしくないですか??」
「・・・オレ、その中の右側のやつ好き」
「ふふっ、このキャラクターも紫原くんみたいにいつもお菓子食べてますもんね??」
「うん、そいつが食べてるお菓子がチョーうまそうなんだよねぇ~」
「確かに、僕も一時憧れて両親にあのお菓子が食べたいってねだった事がありました」
「オレも!!なんだ、黒ちんと同じだぁ~オレは親にそんなのないって怒られて拗ねた気がするなぁ~」
またたわいもない話をしながら、いつになくご機嫌な黒ちんを見て、少しはオレと2人でいるからなんだと期待もするけど、黒ちんは他のメンバーの峰ちんにだってこんな笑顔をするんだ。
だから、オレはまだ期待しちゃ・・・自惚れてはいけないんだ。
♪"君が笑ってくれる ただそれだけの事で僕はついに
心の場所を見つけたよ うるさくて痛くて もどかしくて
黒ちんとは何かと気が合う
特にお菓子に関しては、お互い買って評価し合ってた。
そーいえば、光だの影だの相棒って言って仲のいい
峰ちんでさえ、ささいな事だけどたまに黒ちんと喧嘩してるのを見掛けるけど、オレは黒ちんと喧嘩をした事がない。だから、それが唯一自慢出来るし、もしかしたら・・・なんて思っちゃう理由でもあるんだ。
黒ちんとお菓子の話をしてると楽しいんだよねー。
だから、オレは黒ちんの事が好きなんだけど、その好きがそーゆう意味で好きって気づいたのはいつだっけなぁ~・・・?
あー、そうそう、いつの日か黒ちんと峰ちんが笑いあってるのを見てたらモヤモヤしてオレと居るより峰ちんと居る方が黒ちんは楽しいのかなー?って思うと胸がチクチクして、赤ちんに相談したんだった。
『紫原、それは恋ってやつだろうな・・・』
赤ちんはなんか含みのある笑い方をしながらそう言ってたけど、それであぁ、そっかーって気付けたんだった。
それからはより一層黒ちんと一緒にいた
帰りにコンビニによっては新商品を探して一緒に分けっこしたり・・・
『以外と美味しいですね?』
って笑う黒ちんの顔が好きだから、黒ちんと一緒に食べる前に新商品を探しては先に食べて美味しいのだけを勧めて食べてたかなー?
たまに、不味いのを食べさせて苦そうな顔をする黒ちんを見て笑う事もあったけど、そんなの黒ちんは知らないんだろーなー?
♪"想いがあふれたらどうやって
どんなきっかけタイミングで
手を繋いだらいいんだろう
どう見ても柔らかい君の手を
どんな強さでつかんで
どんな顔で見つめればいいの"
そんな事を思い出してたらさっき来る時に手を繋いだ黒ちんの温もりを思い出す
(あー、なんで手を離しちゃったんだろー)
着いてそうそうカステラ食べるのに手を離したんだった
(オレのバカ・・・)
隣にはまだわたあめを頬張る黒ちん
「黒ちん食べるの遅くなーい?」
「え、紫原くんもうカステラ食べちゃったんですか??」
「うん、まだ時間あるし、もうちょっと食べ物買っておけばよかったー」
「・・・その横にある食べ物でいっぱいの袋があるじゃないですか??」
「こんなんじゃ足りないしー」
「さすが紫原くん・・・僕のコレはゆっくり食べるからいいんですよ」
そう言いながらまたわたあめを食べ始める黒ちん
「えー?そーなのー??」
話してる内に花火が上がる合図の音がなる
♪"もうすぐ花火が上がるね
君の横顔を今焼き付けるように じっと見つめる"
「花火、もうそろそろですね??」
「んーそうだねー??」
「皆さんも来れたら良かったのに・・・」
「っ!・・・・黒ちんは・・・
ヒュー・・・・ドーーーンっ!!!
「え??」
オレの声は花火の音でかき消された
でも良かった
一瞬の嫉妬にかられて余計な事を言う所だった
花火ありがとー
黒ちんはこっちを見てなんて言ったの?って顔してたからオレは何でもないって顔をして花火を見上げる
黒ちんも空を見上げてニコニコしながらまたこっちを向いて「花火!綺麗ですね!!」・・・って言ったんだろーけど黒ちんの声が小さくて聞き取れなかったけど、オレも「そうだね」って言葉には出てないけど口パクで伝える
再び花火を見上げてニコニコし始める黒ちんの横顔を見つめて、連れてきて良かったなって思う。
だけど、オレには花火が終わると同時に黒ちんに伝えないといけない事がある
♪"この胸の痛みはどうやって
君にうつしたらいいんだろう
横にいるだけじゃ駄目なんだ
もう君の気を引ける話題なんて
とっくに底をついて
残されてる言葉はもう
わかってるけど"
黒ちんと居るとドキドキする
でもそれはオレだけで・・・
そんなのずっけーし!
黒ちんにもドキドキしてもらいたい
だからこうして赤ちんに協力してもらって峰ちんや黄瀬ちんには黙って黒ちんだけを誘ったのに、黒ちんは皆も来れたら・・・なんてゆーから。
隣にいてお菓子を食べるだけの『お友達』なんて嫌だ
さっきの黒ちんの手の温もりを知ってしまったら尚更
黒ちんに意識してもらうためにこのお祭りに誘って、花火が終わると同時に告白しようと思ってる
『黒子にははっきり言わないと伝わらないかもな』
なんて赤ちんがゆーから・・・
峰ちんに向ける以上の笑顔をオレに向けて欲しいから
♪"想いがあふれたらどうやって
どんなきっかけタイミングで
手を繋いだらいいんだろう
どう見ても柔らかい君の手を
どんな強さでつかんで
どんな顔で見つめればいいの"
花火を見上げながらニコニコしてる黒ちんを横目に
手を繋ぐきっかけを探す・・・
黒ちん、どんな顔するかなー??
ビックリするかな??
真っ赤になって照れた顔するかな??
引かれたらどうしよう・・・
いや、こんなマイナスな事考えてたらダメだよねー?
ポジティブに考えないとねー??
手ぇ・・・離さなければよかったなぁー。
手を繋ぐタイミングを探しながら黒ちんを見つめていたら、花火が終わる合図の音が聞こえた・・・
♪"夏祭りの最後の日 わたがしを口で溶かす君に
わたがしになりたい僕は言う 楽しいねって"
「終わっちゃいましたね??今日は楽しかったです!紫原くん、連れて来てくれてありがとうございます」
「・・・・・・」
「・・・紫原くん??」
「え??」
「どうしたんですか?ボーッとして」
あー・・・タイミング図ってたのに思わず黒ちんの顔に見とれてた・・・
「黒ちん、好きだよ」
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