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黄瀬 song9
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─・・トゥルルルル♪
──・・・ピッ
♪"ねぇ こんなに遅くに ごめんね
ねぇ あなたに 伝えたい事があるの"
───・・・トゥルルル
──・・・プツッ プープープー
「あぁっ!!黒子っち!!」
───・・・トゥルルルル
─────・・・・ピッ
「・・・・・何ですか?」
「もぉー!!黒子っちヒドイっすよぉー!!電話切るなんて!!」
「すみません。こんな夜中に常識がない人は誰かと思ったら黄瀬くんだったんですね?」
「うぅー・・・それはすみませんっスー!!」
「で、どうしたんですか?」
「うー・・・だって、黒子っちと最近会えてなかったしぃー!!せめて声だけでもって思ったんスよぉー!!」
「・・・・君はすっかり有名人ですもんね?」
「学生の頃は今ほどじゃなかったから、もっと会えてたのに、中々会えないっスもんねー。」
「まあ、僕は今も学生ですけどね?」
オレは今黒子っちと付き合ってる・・・。
高校のウィンターカップ以降オレが口説きに口説き落としてようやくっスよぉ~。
黒子っちはなかなか「はい」と言ってくれなかったっスからねぇ~。
高2になって付き合って2年間はお互いバスケに専念しつつもちゃんとデートや連絡のやりとりし合ってて、黒子っちは大学に進み、オレは進学せず高校の間セーブしてたモデル業を本格的にやり始めた。
すると、元々人気はあったんっすけど、人気が更に出てきて、やがてCMやドラマのオファーもくる事に・・・
元々そっち方面も興味があったから、少しずつ勉強しながらもチョイ役ながら出演作を増やしていった。
すると必然的に忙しくなり黒子っちと会うのも減っていき、オレはもう黒子っち不足で、正直死にそうっス・・・。
「嫌味ですか?」
「へ?!」
「黄瀬がなぜかペラペラと昔を振り返る話をし始めたかと思ったら、人気が出てきてとかほんと嫌味にしか聞こえないんですが」
「え??オレ声に出てたっすか?!」
「・・・・お疲れの様ですからもう寝てください」
「ちょ、ちょ、ちょーー!!待って下さいっスよ!!もう少し!!もう少しだけ声を聴かせて下さいっスよ!!」
「////・・・仕方ないですね」
♪"ねぇ あなたは覚えているかな
くだらない話を いつまでも聞いてくれた"
こんな風に黒子っちはいつもオレの話を聞いてくれるんっスよねー。それが嬉しくてついつい長話しちゃうんっスけど、その内電話の向こうで黒子っちが寝落ちしてたりするのがまた可愛いんッスよー。暫く寝息を聞いてからそっと『おやすみ』を呟いてから切るんっすけどね?
オレが寂しいだのなんだの言うから黒子っちはオレに付き合ってくれるのか・・・ちょっとでも、黒子っちも寂しいと思ってくれてればいいなーなんてね☆
♪"ほら 春風が通り過ぎ 雨が降り
やがて 夏が過ぎ秋が来て 季節は巡るよ
あなたがいてくれたから 心に花が咲いた"
中学の頃はオレの心が荒んでいた
何でもある程度運動出来るからどの部活に行っても途中で飽きてしまう。まぁ、どーしてもって皆に言われるから助っ人に行ってただけなんスけどね?
そんなある日、オレはそーいえばバスケだけは声がかからないなー?って思ってバスケ部を覗いた
青峰っちのプレーを見て感動した
正直憧れた
それからすぐ入部した
帝光では一軍と二軍と分かれて青峰っちはレギュラーとして一軍にいた
オレは入部したてもあって最初は二軍から・・・でもスグに一軍になった
でも、レギュラーじゃない。
そんな時オレの教育係として黒子っちを紹介された
初めはコイツが一軍でレギュラー?!は?って思ってたんだけど、2人で出た試合でその気持ちは直ぐに覆った。
青峰っちとは違う凄さ・・・
正直青峰っちのプレーは頑張れば真似出来るんじゃないか?って調子に乗った思いもあったけど、黒子っちのはオレには真似出来ない・・・
そう思うとオレは単純だからスグ黒子っちの事が大好きになった。
初めて自分から好きになって、このオレが黒子っちを追いかけてる
でも黒子っちはオレじゃない人を見てた・・・
でもオレは諦めなかった
こんな気持ちになるのは初めてだったから・・・
黒子っちを追いかけてる日々さえ楽しかった。
♪"想いを繋いで ずっとずっと
あなたがどこかに 消えないように
あなたがまた 笑ってくれたら
きっとそれだけで 大丈夫だから"
中学と同時に黒子っちはオレ達の前から消えた・・・
何故かは誰も言わなかったけどだいたい分かる
せめてオレには言って欲しかったっスね~・・・
あのあとオレのありとあらゆる人脈を使って黒子っちを探し出した。
消えて居なくなる前の黒子っちは笑顔も全くなく、見てるオレも痛々しかった。
助けたかった
だけど、あの時赤司っちに止められていた・・・
『余計なことはするなよ』と・・・
あの時のオレはまだ弱かったっス
今でも後悔している
でも高校で出会った黒子っちは笑顔は見えなかったけど、火神っちと居て楽しそうだった・・・
隣にいるのがオレじゃない事に腹立ったし悔しかったけど
黒子っちが楽しそうにまたバスケをしている姿を見れただけでも良かった・・・
安心した
黒子っち好きなのは諦められないけど、その時はそれで良かった・・・
黒子っちと対戦していく内に黒子っちのバスケにかける思いが伝わってきた
オレは今まで1人で上へ・・・青峰っち達を目標にして頑張ってきてた。
でも、それは1人では行けない高みなんだと黒子っちは教えてくれた。
オレには今のチームメイトがいる、けどやっぱりオレの中では黒子っちは中学の時と同じ大事なチームメイトだし、それ以上の想いがある。
そんな事を思っていたらある日笠松先輩が『お前、あの透明少年の事好きなんだろ??その気持ち我慢する必要あんのか??』
正直ビックリした。
オレの気持ちが先輩にバレてるってのもそうだけど何より
そのことに関して先輩が話しかけてきた事に。
『え~?何言っちゃってるんっすかぁ~?笠松先輩??』
『・・・お前、それでバレてないとでも思ってんのか??このオレでさえ気付いてるし他のメンバーも知ってるぞ??・・・って、何より何度も誠凛に行ってりゃー嫌でも気付くわ!!』
『・・・・オレには黒子っちを幸せに出来るか分かんないんッスよ。何よりまた居なくなるのが怖いんッスよ・・・』
♪"ねぇ 明日になったら あなたに
あぁ 会えなくなるような気がして"
ふとした時にまた黒子っちが居なくなるんじゃないかというトラウマがオレにはある。
自分の傍に置いておきたい、大事にしたい。
だけど・・・
『お前そんな下らない事考えてんのか??』
『下らないってなんスか?!』
『お前のお気に入りのショップが明日閉店になったらどーしよう?とかオレ達の部活が明日、廃部になっきたらどうしよう?とかって考えるか??』
『なんすか?ソレ??なんで明日なんすか?』
『それくらい下らないって事だよ!!』
『・・・・・』
『何より未練タラタラなのに告白も出来やしないで全部冗談にして、相手が幸せなら・・・なんてバカか??モデルのクセしてダセーし、見てて気持ちわりぃーんだよ!』
『そんなヒドイっスよぉ!そこまで言わなくても!』
『だったらちゃんと真面目に男らしく決着つけて来い!』
そう、笠松先輩のおかげで少しだけ決心がついたんだ。
諦めないで黒子っちにアタックしようって!
♪"優しい笑顔 思い出し 目を閉じて
だけど どうしても眠れずに 見上げた星空
もしも出会っていなければ こんなに痛くなかった"
「あ~・・・黒子っちに会いたいっス・・・」
電話を切った後夜空を見上げて呟く
明日もスケジュールがいっぱいで朝も早いってゆーのに、黒子っち不足で眠れない・・・・
オレはベッドに寝転がりながら黒子っちを思い浮かべる
そしてふと告白をOKしてくれた時を思い出す・・・
何度目かしれない告白の時、黒子っちはいつも通りの様に見えたけど、下を向いて真っ赤にしていた。
それはいつもは花束やらなんやらと黒子っちに『クサイです』って言われる程の告白を散々してきたある日、偶然帰り道に黒子っちに出会って、ストバスを2人でしてる時黒子っちのパスを受けてゴールを決めた時に『何度でも言うけど、黒子っち大好き!!』
いつもと違って不意打ちのようについて出た言葉に黒子っちは『ほんと、しょうがないですね黄瀬くんは・・・分かりました・・・ほんとに僕でいいんですか??』
いつもなら『ありがとうございます』って言いながらオレの横を素通りしていくのに、違う反応に今までに無い高揚感を覚えた。
オレだって、まともな人間なんスよ?何回も告白して断られる度に胸は痛くなるし、それでも次はもっと頑張ろうって思うし、こうやってOKを貰って飛び上がる程嬉しくなるのも黒子っちだからなんスよ??
あの時の呆れながらも、優しい笑顔で応えてくれた黒子っちの顔を今でも忘れない。
♪"いつかはその手も その温もりも
届かない場所へ 消えてしまうの
廻る惑星の ほんの片隅で
二人 息をする 離れないように"
「お疲れ様っス~!!」
あー・・・やっと仕事が終わったっス・・・・
またこんな時間だから、黒子っちに会いに行けないし、電話してもなぁ~・・・・
メールでもしとこうかな??
そんな事を考えながら家路につく。
ふと自分のマンションの部屋を見上げると明かりが・・・
「・・・・え?ウソっ」
黒子っちにはオレの合鍵を渡してある。
でも1度も来てくれたことはない・・・
きっとねーちゃんだ・・・
そう思い心を落ち着かせながらも逸る気持ちが自分の歩みを早くする・・・
そしてドアの前に立ち手を掛ける
───ガチャっ
玄関には男物の靴が・・・
「あ、おかえりなさい黄瀬くん」
「・・・っ!!く、黒子っち?!!た、ただいまっス!」
「昨日の黄瀬くんの声が暗かったので心配で来ちゃいました・・・・」
「え?なんで?!コレ、夢じゃないっすよね?!」
「ふふっ、夢じゃないですよ。」
「いつも、同じような事があっても黒子っちが合鍵使ってオレの家に来たことなんてなかったじゃないっスかー?!」
「・・・・この間、黄瀬くんを見かけました」
「・・・・へ??」
「多分、撮影なんだろうなってのは分かってはいたのですが・・・・」
「え?」
「・・・・その・・・・綺麗な女性と黄瀬くんが笑って腕を組んでるのを見てしまって・・・・いつか黄瀬くんは僕から離れていくんじゃないかと思ったら・・・その・・」
「つ、つまり・・・嫉妬っスか??」
「・・・・」
嬉しい・・・・嬉しすぎる!!オレが不安になってる中、黒子っちも不安になったり嫉妬したりしてくれてるって事が・・・・好きなのはオレだけじゃないんだって事が。
「オレの気持ちは一生変わることないっすよ?」
黒子っちをギュッと抱きしめる
「黄瀬くんはどんどん人気者になっていきますから・・」
「正直、嬉しいっス・・・不安なのはオレだけかと思ってたっス・・・」
抱きしめた面から黒子っちの温もりが伝わってくる。
♪"笑った事も泣いた事も
昨日のように思い出せる
誰に何を言われても
これは私だけの宝物"
『お前、そんなんだとその内愛想つかれんぞ?』
モデルの仕事が忙しくなり始めた時にいつか青峰っちに言われた言葉だった。
黒子っちともよく喧嘩したっス。
急な仕事のせいでデートをドタキャンしたりして黒子っちを困らせたりした。
ある日、仕事をサボり黒子っちに会いに行った時に、黒子っちはどんなに仕事で約束がドタキャンになっても怒らなかったのに珍しくその時は怒っていた。
オレは理由が分からなかった。
『黒子っちに会いたくて来たのにヒドイっスよ!!』
『・・・怒ってる理由も分からないなんてもう黄瀬くんなんて知りません!!』
そんな事を言われて急に黒子っちが居なくなった過去を思い出して怖くなり、黒子っちに謝った。
『・・・すみませんっス』
『黄瀬くん、僕はどんなに君との約束がダメになっても、会えなくても、君が今の仕事がどんなに好きで大切か知っているから何も言わなかったんです。なのに、自分からその仕事を投げやりにして来るなんて・・・・』
そう言いながらオレの顔を見た黒子っちは目に涙を浮かべていた・・・
オレが不安にさせてる
オレが泣かせている
『・・・・』
黙り込んで下を向くオレに黒子っちは・・・
『黄瀬くん、またバカな事を考えていませんか??』
『・・・え?』
『僕は黄瀬くんとたまにしか会えないし、たまに不安になる事もありますけど・・・・ちゃんと・・・好きですよ?』
『・・・・っ!!』
初めて、黒子っちが『好き』という言葉をオレにくれた。
付き合ってからオレから好きの言葉は伝えても、黒子っちはなかなか言ってくれなかったのに・・・・
『黒子っち~~~~!!!ごめんなさいっス!もう、こんな事はしないっス!!もう、今日が黒子っちの「好き」記念日にするっス~~~~!!』
♪"想いを繋いで ずっとずっと
あなたがどこかに 消えないように
あなたがまた 笑ってくれたら
きっとそれだけで"
「そう言えば黄瀬くん、今日何の日か覚えてます??」
「・・・え??・・・・あぁっ!!」
「思い出しました??」
「うん!!黒子っち好き記念日!!」
「ふふっ、自分で変な記念日作ったクセに・・・」
「いや、昨日の夜までは覚えていたんっスよ??」
「・・・・お疲れのようですね?」
「ちょっと・・・でも、今日黒子っちが来てくれたからすっっっげーーー元気になったっス!!!」
「単純ですね?キミは・・・・」
そう言いながらも黒子っちはにっこりと微笑む。
「オレ・・・・また黒子っちの事不安にさせるかもしれないっスけど、オレ頑張るっスからもうオレの前から居なくならないで下さいっスね??」
「黄瀬くん・・・大丈夫ですよ。黄瀬くんが僕の事嫌いにならない限り・・・「嫌いになる訳ないっス!!」
「・・・最後まで話を聞いてください??」
「はい・・・」
「恋愛はバスケと同じで1人じゃ出来ないんですよ。黄瀬くんの好きな1on1をするにも相手が居てこそなんです。そして時には周りに守られてる。」
「・・・・??」
「過去に僕があんな事をしたから黄瀬くんにはトラウマがあるかもしれません。けど、僕だって理解しているつもりでもやっぱり不安になったりもします。だから僕達2人でちゃんと会話して周りにも助けて貰いながら一緒に成長していきましょ?」
「~~~~っ!!!黒子っちぃ~~~!!」
「・・・///た、たまには体話も必要ですけど」
「~~~~っ?!!!黒子っち♡♡♡」
──ガバッ
♪"この手を 繋いで 私を 繋いで"
黒子っちの手に指を絡めて口付けを落とす
──チュッ
「・・・んっ///なんか久しぶりですね・・・」
「ん・・・・はぁ~・・・黒子っちオレを煽ったんだから覚悟して下さいっスね??」
──チュッ
「んんっ!!・・ちょっ・・・・んっ・・はぁ・・・」
「そんな後悔した顔しなくてもいいじゃないっスかぁ~~~」
「・・・もう・・・しょうがないですね」
「~♪じゃぁ、続きはベッドで・・・・」
「・・・黄瀬くん、連れて行ってくれますか??」
「~~~っ!!!もう!!どこまで煽るんッスか?!今日は甘えん坊な黒子っちっスね?!覚悟して下さいっスよ?!」
「・・・程々にお願いします・・・」
♪"ねぇ ありがとう ごめんね
おやすみ。"
黒子っちは疲れ果ててオレの横ですやすやと寝息を立てて寝ている
オレはその横顔を見てふと考える・・・
黒子っちが嫉妬してくれたのは嬉しいっスけど、きっとオレがいつもはかけない時間帯に電話したから黒子っちはオレのメンタルが弱くなってる事に気づいたんだろう・・・
自分が嫉妬したなんて嬉しいこと言ってくれたけど本当は凄く気を使ってくれたんっスよね??黒子っち───
ほんと、ありがとうっス
そしてオレは黒子っちの唇に口付けを落としそのまま横になり黒子っちと朝を向かえる───・・・
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