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緑間 song11
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♪"世界中で一人だけ
あなたを見つけたの
その笑顔も温もりも
全てを抱きしめたい"
初めて黒子に会ったのはいつだったか・・・
オレはあいつの事が好きではなかった
なのに、こんな気持ちを抱き始めたのはいつだったか・・・
オレはあいつの事が嫌いだ
なにより、B型のオレとA型の黒子では相性が最悪なのだよ。
そんなあいつもオレの事が苦手だと言う
なのに、たまに黒子はオレのラッキーアイテムをくれる事があった。
「・・・・コレはなんなのだよ??」
「緑間くんのラッキーアイテムですけど??」
「・・・いや、だからどーゆう事なのだよ??」
「・・・緑間くんって、頭いいのにこーゆう事には察しが悪いんですね??」
「なっ!!おまえに貰わなくても今日のおは朝占いのラッキーアイテムをもう既に持っているのだよ!!オレに抜かりはない!!」
「・・・2個持って入れば運気も2倍になるかと思ったんですが・・・・それにいつも人の持ち物をラッキーアイテムだって奪うじゃないですか」
「人を追い剥ぎみたいに言うな!・・・まぁ、物に罪はないし、これは貰っておくのだよ」
「・・・ほんと素直じゃないですね?」
「・・・なんか言ったか?」
「ふふっ・・いえ?」
そう言いながら微かに微笑む黒子の滅多に見ない笑顔にオレは目が離せなかった
こんなに暖かく笑う人をオレは見た事がなかったのだ
それからと言うものオレは黒子を目で追うようになった
♪"言葉より大切な気持ちがあるけれど
言葉にして伝えなきゃわからないこともある"
ある日オレは赤司にこう言われた
『真太郎はほんとに素直じゃないね??』
何がだよ?と応えるオレに赤司は続けてこう言った
『黒子の事が好きなのだろう?あぁ、まだ自覚していなかったのかな??でも、時には素直にならないと手遅れになる事もあるからね?真太郎の愛情表現は分かりにくい』
気付かないふりをしていたのに、赤司は余計なことを言ってきたもんだ・・・
確かに、赤司に言われなくとも気づいてはいたのだよ
だが、気づいた所で赤司の言う通りもう遅かったのだよ
オレが黒子を見ていたのと同時に黒子は違う人を見ていたのだよ
♪"その優しさも強さも孤独も受け止められたら"
黒子は一軍に上がると共に一軍になれなかった奴等からの妬みを買いイジメや陰口などを受けることがあった
黒子はそれに気付いていながらも練習を辞めることもしなかったし、努力を惜しむ事をしなかった
だから、オレは人事をつくす黒子を影から守っていたのだ
それがオレの不器用ながらのやり方だった・・・
だが、赤司の言う通りちゃんと表現するべきであった・・・
♪"あなたが好き
あなたが好き
私には 何もできないけど"
黒子、認めるよ
オレはお前が好きなのだよ
だがこの気持ちをお前に伝えることはない
今の距離感で、お前を陰ながら支えていきたいのだよ
オレに出来ることはこれくらいしかないのだよ・・・
♪"風のように 花のように ただそばにいさせて"
それから少しずつイジメや陰口などといった下らん事はなくなっていき、黒子にもあの暖かい笑顔が戻るようになってきていた・・・
その傍にはオレをはじめ青峰、黄瀬、紫原、赤司・・・とキセキの世代が周りを囲んでいた
そうだ、これでいいのだよ・・・
その暖かい笑顔はオレだけに向けられたものではないが、ただそれだけで幸せだったのだよ
♪"会いたくて会いたくて
眠れない夜がある
こんなにも大切な気持ちを抱きしめたい"
そんなある日、黒子は姿を消した・・・
部活も辞め、みんなとの接触をもたなくなった
なにが悪かった??
黒子に関わる悪いものは排除したはずだ・・・
会いたい
あの暖かい笑顔がまた見たい・・・
黒子がいなくなってから、キセキの世代が変わった
・・・いや、キセキの世代が変わったから黒子が居なくなったのか・・・・
考えていてもキリがなかった
だが、きっと今よりは・・・バスケを離れた方が幸せなのだろう・・・そう思う事にした
♪"本当は全て笑顔も涙も見せて欲しいから"
あの暖かい笑顔だけではなく、弱音も見せて欲しかったのだよ・・・
ナゼ頼らないのだよ
こんなにも近くにいたのに・・・
せめて、周りを頼れば良かったのだよ
黒子、お前は頑固なのだよ
そーゆうオレも・・・
♪"あなたが好き
あなたが好き
あなたには伝わってるかな?"
高校になってオレは再び黒子と出会った
やつは無名の新設校のバスケ部に所属していた
黄瀬から黒子を見つけ試合をすると聞いてから居てもたってもいられなかった
正直怒りさえ込み上げてきた
オレはあいつの事は認めているのだ
なのに、力を活かしきれないチームで望んで埋もれようとしているのが・・・!
『真ちゃんってほーんと、愛情表現苦手だよねー??』
・・・なんなのだよ
『だってさー?真ちゃんはこーんなに黒子の事が好きなのに??全然伝わってねーんだもん!』
なっ!適当なことを言うな高尾!それは気のせいなのだよ!!オレが黒子を好きだなんて・・・・
『ははっ♪まぁーいーけどさー??真ちゃんは悪態付きながらも分かりにくいアドバイスなんかしちゃったりー?こんなに影から守ってんのに、な~んか損してるなー?って思ってさー??』
・・・分かっているのだよ
♪"空のように月のように ただそばにいさせて"
オレはほんとにバカだ
守りたいならちゃんと守れば良かったものを
ただこうして見ていることしかできないし、敵対校としては尚更このオレが黒子に何かをしてやれることはないのだよ・・・これがオレにできる精一杯の距離感で愛情表現なのだよ
♪"あなたが好き
あなたが好き
私には 何もできないけど"
黒子、お前はそのままでいてくれ
オレにはなにもしてやれないが、今お前がいる所はきっとあの頃以上に笑って居られる場所なのだろう??
♪"風のように 花のように ただそばにいさせて"
『真ちゃん・・・・ほんとにそれでいいのかよ??』
『真太郎、お前は今まで良くやったよ。だが、もういいんじゃないか??ウィンターカップも終わった今、確執もなくなったんだ。オレは黒子にも真太郎にもいい選択をして欲しいと思うんだがな??』
・・・フン、勝手なことを
オレがどれだけあいつを見てきたと思っているのだよ
分かっているさ昔、アイツが見ていた人はもういないのだよ。だったら・・・
♪"そばにいさせて"
「黒子、お前は卒業したらどうするのだよ?」
「・・・え?一応大学に進みますけど・・・」
「・・・・・オレと同じ大学に行かないか??」
「あの、ちょっと意味が分からないのですが・・・」
「お前は何処までとぼける気なのだよ??ほんとは知っていたのだろ??」
「・・・・・・」
「ずっとオレはお前の事を見てきたのだよ。人を観察してきたお前の事だ、分かっていたのだろ?オレは、お前の事が好きなのだよ・・・だけど、もう見守ってるだけではなくて・・・黒子、お前の隣に居たいのだよ」
「緑間くん・・・・っ」
「オレの気持ちに応えてくれなくてもいい、せめて再び同じ大学でお前の隣に居ることを許してくれないか?」
「・・・・そんな、ズルいです」
「ズルくていいのだよ。オレは高尾にも赤司にも背中を押されたのだよ。だから、これからはお前がオレの事を見るように仕向けるだけなのだよ」
そう、これからもそばにいさせてくれ
お前がオレの気持ちに応えてくれるその日まで・・・
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