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黄瀬 song12
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♪"君とのラブストーリー
それは予想通り
いざ始まればひとり芝居だ
ずっとそばにいたって
結局ただの観客だ"
黒子っちに恋をした
オレが気づいた時にはもう遅かった
だけどオレはひたすら黒子っちに猛アピールをし続けた
だってまさかこうなると思うわけないじゃないっスか・・・
初めは寧ろ嫌っていたハズなのに、黒子っちと2人で出た試合で黒子っちのパスを初めて受けて衝撃が走ったんスよ
こんな手に吸い付くように思い通りの所にパスが来るなんて・・・
その日から黒子っちがキラキラして見えたんスよ・・・おかしいでしょ??最初はイモくさっ!!って思ってたんスよ??あの日のオレを殴ってやりたいくらい少女漫画かってくらい黒子っちへのイメージがガラリと変わって恋に落ちるなんて・・・もう運命としか思えなかった
だけど、黒子っちを知っていく内に、黒子っちの中には青峰っちしかいなくて、その上青峰っちも黒子っちの事しか見てなくて・・・2人は付き合っていないって言ってたけど、傍から見たら早く付き合っちゃえよってくらいの雰囲気なんスよ・・・。
そしたら、オレは『なんだ、2人の恋路をジャマするただの外野じゃん』ってショックをうけた・・・。
♪"感情のないアイムソーリー
それはいつも通り
慣れてしまえば悪くはないけど
君とのロマンスは人生柄
続きはしないことを知った"
だけどオレは諦めなかった
「くーろこっち♪好きっす!!」
「黒子っちー!!好きっすよー♪」
「黒子っち!!今日も明日も好きっす!!」
会う度に何度も告白した
黒子っちはその度に「はぁ・・・ありがとうございます。ゴメンなさい」
とオレの告白を冗談として聞いていたのか、いつもの無表情のまま断られ続けていた・・・
でもオレはそれでも良かったんスよ
オレが伝えてきた気持ちは100%本気だけど、100%の気持ちで断られたらオレは立ち直れないから
そんなやり取りも悪くなかったし、気まづくならなかったから・・・寧ろそのやり取りを出来る事さえ嬉しかった。
だけど、そんな日々の中黒子っちはオレ達の前から姿を消した・・・
♪"もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった
もっと違う性格で もっと違う価値観で
愛を伝えられたらいいな そう願っても無駄だから"
なんで??
どうして??
何があったんすか??
青峰っちは??
あんなに一緒に居て皆でバスケをしていたのに・・・
もし、オレがもっと前から、それこそ青峰っちよりも前に出会ってたら??
もともと同じクラスとかで黒子っちのことを知っていたら??
オレがモデルをやっていなくて、黒子っちの傍にずーっといれてたら??
昔からの幼馴染で何でも話し合える関係だったとしたら??
色々考えた
余計な事まで考えた
そしたら黒子っちは居なくならなかったんじゃないか?
黒子っちに伝えてきた気持ちは冗談じゃなく、ちゃんと伝わっていて、ひょっとしたら想いが届いていたんじゃないか?って・・・。でもそんな事をいくら思っていても無駄でもう遅くて・・・・
♪"グッバイ
君の運命のヒトは僕じゃない
辛いけど否めない でも離れ難いのさ
その髪に触れただけで 痛いや いやでも
甘いな いやいや
グッバイ
それじゃ僕にとって君は何?
答えは分からない 分かりたくもないのさ
たったひとつ確かなことがあるとするのならば
「君は綺麗だ」"
もう居なくなった黒子っちにそっと心の中でサヨナラを告げようとした。
少女漫画のような恋なんてあるわけ無かったんだ
オレが主人公で、いつかこの思いが通じるなんて事はなかったんスね・・・
だから黒子っちにとっても運命の人は当然オレじゃない訳で・・・
でも、今までの日々は嘘じゃなかった
『毎回、毎回君も飽きないですね・・・』
そう言いながらオレの頭を撫でてくるから、
『黒子っちこそ、いい加減オレの告白を受けて下さいっスよー!!』
って言い返しながら黒子っちの頭をわしゃわしゃと撫でまわしたら『止めて下さい、ハゲます』って少しはにかみながら返してきたのを思い出す。
ほんとに、黒子っちにとってオレは何だったんっスかね??
少しでも冗談じゃなくオレの気持ちに気付いてくれていたんだろーか??モデルをやっていたせいもあって、周りからよくチャラいと思われていたから黒子っちのオレに対するイメージも良くはなかったのかもしれない。
諦めようとすればする程黒子っちとの楽しい思い出が蘇ってくる・・・・
あの時に、はにかんだ黒子っちの顔・・・・
「綺麗だったなぁー・・・」
♪"誰かが偉そうに
語る恋愛の論理
何ひとつとしてピンとこなくて
飛行機の窓から見下ろした
知らない街の夜景みたいだ"
「えー??黄瀬くんらしくなぁーい」
「黄瀬くんに迫られたらドキドキしちゃうのになぁー??」
「私なら彼氏居ても黄瀬くんに靡いちゃうかも♡」
「押してダメなら引いてみるとかすればいーのにー」
・・・なんて、オレが仕事先で落ち込んでたらどうしたのかってスタッフやら同じモデル仲間が聞いてくるもんだから、「失恋しちゃったんスよねー」って軽く受け流したら皆は口々にこう言ってきた。
オレらしいってなんすか??
中にはあーしたらこーしたらって言ってくる人もいた
もう黒子っちは居ないのに、どうすれと??
正直余計なお世話だったし、向こうがしつこく聞いてくるからちょっと答えたらコレだ・・・・
まったく嫌になる・・・
♪"もっと違う設定で もっと違う関係で
出会える世界線 選べたらよかった
いたって純な心で 叶った恋を抱きしめて
「好きだ」とか無責任に言えたらいいな
そう願っても虚しいのさ"
例えば少女漫画の様に黒子っちが図書室で本を取ろうとした時にオレも同じタイミングで本を取ろうとして手が触れ合って2人して頬を染める・・・とか、行く先々で黒子っちと何度も出逢う偶然から始まる恋・・・・とか、実は歳が離れた年上の黒子っちにオレが大きくなったら迎えに行くから!!って言って実は黒子っちも待っててくれてたり・・・とか・・・・・・とか・・・・そもそも黒子っちが、女性で・・・・普通に皆の前でいつも言っていた『好きだ』と言う告白をしていたら真面目に受け取ってくれただろうか??・・・・・もしくはその逆でオレが女性だったら??・・・・この恋は実って付き合っていたかもしれない。
ただただ、こうだったら??って昔ねーちゃんが持ってた少女漫画みたいな出来事を思い出してはそうだったら上手くいってたんじゃないか?って頭の中をグルグル回る。
ifの世界を考えるのは至って簡単だけど、そんなの叶う訳もなく、虚しさだけが募っていくだけで・・・・
「アホらし・・・」
♪"グッバイ
繋いだ手の向こうにエンドライン
引き伸ばすたびに 疼きだす未来には
君はいない その事実に Cry...
そりゃ苦しいよな"
高校に入って、ようやく黒子っちが新設校の誠凛に居る情報を掴んだオレは待つことが出来ず黒子っちに会いに行った。
ソコには・・・・黒子っちの隣には新しい光が立っていた
「黒子っち下さい」
そう言うオレの問に黒子っちは
「ごめんなさい」
そうだ・・・・
いつだって、オレの隣には黒子っちが居ることなんて無かったんだ・・・・
いつも拳を合わせ勝利を喜んでいた黒子っちと青峰っちの2人を後ろから眺めていた・・・
今度は火神っちと拳を合わせる黒子っち・・・
いつもオレは後ろ姿を眺めるだけで隣に居ることは出来ないんだ・・・。
「ははっ・・・思ったよりか辛いな・・・」
♪"グッバイ
君の運命のヒトは僕じゃない
辛いけど否めない でも離れ難いのさ
その髪に触れただけで 痛いや いやでも 甘いな いやいや"
やっぱり、オレは黒子っちの光にはなれないんだ・・・
でも、黒子っちはいつも通りに接してくれる
それが何故か妙に嬉しくて、何度も諦めようと思っていたハズなのに、黒子っちの姿を探しては話しかけに行ってしまう。
黒子っち、オレの気持ち・・・ちゃんと届いてるっスか??
本気にとってもらってるかどうか分からない状態だけどオレは少しその状態に甘えてしまっている。
だって、それでも黒子っちのそばにいられるから・・・
♪"グッバイ
それじゃ僕にとって君は何?
答えは分からない 分かりたくもないのさ
たったひとつ確かなことがあるとするのならば
「君は綺麗だ」"
ある日ショウゴ君との戦いで、オーバーワークで足を痛め膝を着いてしまったオレに黒子っちは
『信じてますから・・・!黄瀬くん!』っと叫んでくれた事があった。
あの黒子っちがだよ??
黒子っち、それってどういう意味??
オレ、期待しちゃうじゃないっスか・・・。
観客はいっぱいいたけど、振り向くとそこには黒子っちの姿が・・・だんだん涙で滲みそうになった黒子っちを見ながらオレは拳を上げた
♪"それもこれもロマンスの定めなら 悪くないよな
永遠も約束もないけれど
「とても綺麗だ」"
黒子っち、やっぱオレダメっスわ・・・。
黒子っちには今違う光が居るって分かってても諦めるなんて出来ないっス。
だから・・・もうちょっとだけ夢をみさせてよ。
決心がついたら、ちゃんと真剣に告白するから。
だからその時までに・・・・。
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