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高尾 song14
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♪"今目の前で 笑っている君のことを
失いたくない それだけで
本当は誰より愛している 君に対して
好きと言えずに 友達のフリをしてる"
「くーろこっち♪♪♪」
「・・・うっ」
「おい、黄瀬お前は今すぐ黒子から離れるのだよ!」
「えー??」
「にゃはははー♪」
黒子が黄瀬に抱きつかれて苦しそうな黒子を見て真ちゃんが引き剥がそうとする・・・
それをオレは笑って見ている
見慣れた光景だ
いや、ただ違うのは・・・・
オレが黒子を好きになってしまった事・・・・
そして、オレの親友の真ちゃんも黒子の事が好きだって事だ・・・・
真ちゃんが黒子の事を好きで気にかけてるのは知っていたんだ。
それをオレはこんな変人にも好きな奴がいんのかー・・・へぇー?からかってやろー♪・・・くらいにしか思ってなかったのに、接していけばいくうちに、何故かオレも黒子の事を好きになっていた。
初めは気の所為だと思った。真ちゃんが余りにも好きな気持ちを出すから(本人気づいてねーけど?w)オレはそれに当てられただけだと思ってた・・・なのに・・・
「高尾くん??どうかしましたか?」
「・・・へっ?!」
「いえ、なんかいつもと雰囲気が違うので・・・」
こんなオレの些細な事まで気づいて気遣ってくれる
「えー??それってオレがカッコよく見えちゃうとかぁー??」
「・・・気の所為でしたね?スミマセン」
「ちょいちょーい!!」
黒子の目線がオレから離れる・・・
(あーぁ・・・もっとオレを見ててくんねーかな?)
「フンっ、お前はいつも冗談が過ぎるのだよ」
危ない・・・・真ちゃんに気付かれちゃいけない
好きになったのは真ちゃんが先なんだ・・・
オレは真ちゃんの親友(真ちゃんから言わせれば自称らしーけどw)だからこのまま・・・友達のままでいいんだよ
♪"渋谷駅のすぐそばの ビルの片隅で
いつもと変わらない仲間集めて
よく語りあうよね
みんなと同じタイミングで 笑ってはみるけど
ホントは悲しいよ 君が話すのは
あの人のことばかりで"
キセキやらなんやらといがみ合っていたのは嘘のようにみんな仲良くなって、高校卒業してからは休みの合う人達を集めては相変わらずバスケをしている。
何だかんだオレもその1人で、今日は真ちゃんと黒子と珍しく黄瀬も居て一緒にバスケする所だった。
「黄瀬くんが居るなんてほんと珍しいですね?」
「そーなんスよー!!たまたま今日はオフで!!もう嬉しくって!!」
黄瀬はモデルの仕事で忙しいのか中々休みもとれず、皆で集まるバスケの輪の中に入ったのはいつぶりだろうか?
「フン、いつもは静かなのに今日はうるさいのだよ」
「まぁーまぁー!じゃぁー今日は2人1組って事でジャンケンしよーぜ?」
「えー?!オレは黒子っちと一緒がいいっすー!!」
「お前は煩いのだよ!ジャンケンって言ったらジャンケンなのだよ!!」
「そうですね、次は黄瀬くんと組んであげますから」
「なんすかそれー?!まだジャンケンもしてないのにオレとは組まないみたいな言い方ぁー!!」
「ははっ、じゃー始めるぞー?」
黄瀬が居る時はいつもこんなノリになる
きっと黄瀬も黒子の事を本気で好きなんじゃないかと思うけど、オレとしては笑っていても胸の内は複雑でしょーがない
何をどうしたってオレが好きになったのは皆より後だからだ・・・
かく言う黒子も話すと火神やキセキの話をする
それをオレは隣でケラケラ笑いながら聞いているけど、正直たまに辛くなる時もある・・・
♪"駅に向かうほんの少しの距離さえ
ボクにとってはチャンスだけど
いつだってそう 離れてく君が怖くて
くだらない話をしてしまう"
「高尾くん、途中までご一緒してもいいですか?」
何試合かバスケして、解散するかってなった時に黒子に話し掛けられた
「へ?!いいけど、黒子の家ってこっち方面じゃないよな?真ちゃんと帰らなくていいの?」
オレの家と黒子のとでは反対方向にあるし、なにより真ちゃんが黒子と一緒に帰るのを期待してたのをオレは知ってたからそれとなく聞いてみた
「はい、ちょっと駅前の本屋に用事がありまして・・・」
「・・・ふーん?そっか!いいぜー?!じゃぁ真ちゃんそーゆうことでっ!!」
「・・・あぁ、わかったのだよ」
「でわ緑間くんまた・・・」
「くーろこっちー!!絶対次も休み合わせて遊ぶっスぅー!!」
「はい、黄瀬くん連絡まってますね」
「黄瀬!うるさいのだよ!!ほら、帰るぞ!!」
黄瀬はこの後仕事があるらしく、マネージャーが近くまで迎えに来てるっつーことで真ちゃんに引きずられるように帰っていった。もちろん真ちゃんも後ろ髪引かれるような気持ちだったのだろうか、オレに視線を1度向けてから去っていった。
「じゃー黒子行くかー?!」
「はい」
正直真ちゃんには悪いけどこんな機会は滅多にないと思った・・・
黒子の周りには常に誰かしらいるから
(これって・・・告白するいいチャンスなのでは?!)
一瞬だけでもそんな思いがよぎったけど、すぐ描き消した
「いやいや、バカかオレは・・・」
「・・・?なにか言いましたか?」
「へっ?!いいや!あっ!そー言えばこの間真ちゃんがさぁ〜・・・」
オレは話をすり替えて誤魔化した
言ってどうなるっつーんだよ!
正直オレらしくねーけど怖ぇーもんは怖ぇーんだよ
告白して、黒子の様子みて、なんちゃってー!っておどけてみるか?
つい告白して振られることを考えてしまう
今のままでいられなくなるのが怖い
真ちゃん達がいるからこそオレは黒子と一緒に居られてるようなもんだから・・・
だからわざわざ今の状態を壊す必要ないんじゃないか?そう思ってしまう。
オレにとってはまたとないチャンスだったけど、駅までのこの距離を気まずくしたくなく、いつもみたいに笑い話をして帰った。
♪"今目の前で 笑っている君のことを
ボクだけのものにしたいけど
本当は誰より愛している 君に対して
好きと言えずに 友達のフリをしてる"
「はぁ・・・ほんと緑間くんは頭が良いくせにバカですよね?」
「ほんとなー??ラッキーアイテムだからって普通あんなもん持ち歩くか?!それをラッキーアイテムにするおはスタ占いもおかしいんじゃないかってオレは思ってるんだけど?!」
「あははっ!それは僕も思ってました」
黒子は皆で集まってバスケをするようになってから更に表情が豊かになって今みたいに笑った顔も見せるようになった・・・
(ほんとはこの笑顔を独り占めにしたい・・・)
「あ、もうそろそろ駅に着きますね?」
「あー・・・・うん、じゃぁ黒子も帰りは気をつけろよな!!」
「大丈夫ですよ、立派な男の子なんで」
「ハハッ、なんだそりゃ?」
「ふふっ、でわまた」
「んじゃーなー」
本当はもう少しだけ一緒に居たかったなーとか思いながら背を向ける・・・
♪"叶わないと決めつけて 恋に臆病になる
ホントは悔しいよ いつも思うのは
失恋の跡ばかりで"
思い返せば、オレってそこそこモテるハズなんだけど、隣に真ちゃんが居るせいでいつも真ちゃんばかり目立っていて、オレがなんとなく好きだなーって思っていた子にすら真ちゃん宛のラブレター渡されたりしてたっけなー。
キセキの連中とつるむようになってからは尚更だ。
好きな子出来ても、どうせ告白してもなー・・・ってスグ諦めるか、告白したとしても相手の様子をみて断られそうな雰囲気を感じればすぐ冗談だって言っては逃げてきた。
「バカだなー・・・オレ。何やってんだか・・・」
♪"家に帰るほんの少しの距離さえ
また君の声聞きたくなって
でも勇気がなくて
また遊ぼうなってメールだけして
携帯電話ポケットにしまう"
帰り道色々考えていたら今さっき別れた黒子の顔を思い出す。
最近ではオレにも笑いかけてくれる様になった黒子の笑顔を思い出す度に会いたくなる
『黒子ー。今日も楽しかったなー??また皆で集まって遊ぼーぜ!!次は誰が集まるかなー?』
・・・なんて黒子にメールをしたけど、"2人で"って言えなくてつい、いつものように"皆で"って言ってメールを送ってしまった。
ほんとはいつでも会いたいし、声を聞きたい・・・
「はぁ~・・・」
オレは黒子を想いながら帰り道をとぼとぼと帰った
♪"どんな時でも 笑っている君のことを
思い出してしまうんだ
思わせぶりな 君の態度や言葉に
もしかしたらって
思い続けているけど…"
~~~~♪
携帯のメール着信音が鳴る
「はいはい、誰ですかー?っと・・・おっ♪」
『はい、楽しかったですね。また皆に会えたらいいです』
黒子からの返信だった。何気ない文でさえ嬉しく思う
~~~♪
また携帯の音が鳴る
『そう言えば・・・映画のチケットをもらったんですが、良かったら一緒に行きませんか??』
・・・・え?ウソだろ??黒子からのお誘い??
いやいや、まて!2人とは限らないよな??
『映画かぁ!!久しぶりだなー♪行こうか!!』
『良かったです。火神くんはどうせ途中で寝てしまいそうですし、それなら一緒に観て楽しい方がいいので2人で行きましょう・・・詳細はまた連絡しますね??』
「了解・・・っと!よし、送信!」
ん??2人で??
こんなにも幸運が巡ってくるとは・・・
オレだけを誘ってくれた??なんて少し期待もしてしまうけど、でも、まあー単純にただ誘ってくれたんだろうなって思う。
でもそんな些細な黒子の気遣いや優しさにオレはちょっとだけ期待して調子にのってしまう。
♪"これからも君のこと見ていたい
だけど君守るのは ボクじゃない
例え想いが伝えられなくても
変わらないよボクは 君の事 ずっと好き"
「はぁー楽しかった!!」
「良かったです。誘ったかいがありました」
「でもさぁー、あの映画ってコメディ要素もあったんだな??あそこのあのシーンがさぁーオレツボったんだけど??」
「えぇ、僕もあそこは笑ってしまいました」
「あの役者ってさ、真ちゃんに似てね??」
「ブッ・・・ふふっ・・・・」
「あ、やっぱ黒子もそう思ってたんだろー??」
「ちょっと、やめて下さい。笑っちゃいます・・・ふふっ」
この間黒子に誘われてから待ち合わせをして映画を観にきた
映画はアクションシーンが多めの物だった
黒子もこんなの観るんだなぁーって映画の話をしてたら意外と感動や興奮したポイントが一緒で驚いた
(これってもうほぼデートじゃね??)
なんて思いはするも、黒子は全く気にも止めていない様子で少し落ち込む。
こんな日が続けば良いのになぁーって思いはするものの、黒子を好きな奴らの顔がふと頭に過る
♪"今目の前で 笑っている君のことを
ボクだけのものにしたいけど
本当は誰より愛している 君に対して
好きと言えずに 友達のフリをしてる"
「あ、高尾くんお昼はあそこで食べましょう?」
「ん?・・・ってマジバかよ!!黒子も好きだなぁー?」
「えぇ、あそこのバニラシェイクは絶品です」
「・・・あー、でも今日はオレオススメの店探してきたんだよ!!し・か・も!そこの店バニラシェイクで有名な所!!どう?」
「行きましょう!!是非今すぐ行きましょう」
「フハッ!食い気味wよし行こう!!」
本当は黒子と行けるなら何処でもよかった
だけど、マジバなんて行ったら火神やら青峰やら知り合いが確実に居そうな嫌な予感がした
(今日くらい2人で居させてくれよ)
黒子はオススメのバニラシェイクの話を聞いてとてもご機嫌だ
「黒子ってバニラシェイクの事考えてるとニコニコ笑顔になるよなー??w」
「え・・・・////そ、そんな事ないですよ」
「そんな事あるある~w」
「っ・・・は、早く行きますよ!!」
「あ、照れてるー??w」
こんな黒子の顔を見れるのもオレだけがいい・・・
オレなら誰よりも黒子を甘やかして大事にしてあげられるのに・・・
なんて思うけど、オレはまだ周りに気を使って動けずに居る・・・
まぁ、今はまだ・・・このままでもいいよな?
♪"いつまでも恋をしてる"
「おーい!黒子っ!!」
「?どうしたんですか??早く行きますよ?」
「また、2人でどこか出かけない?」
「え、いきなりどうしたんですか??」
「・・・いや、今日みたいにたまには2人ってのも悪くないなーって思って!意外と黒子と趣味合いそうだし??お前は真ちゃんや火神とかと比べたらオレは知り合って浅いだろーから・・・」
「はぁ・・・」
「だから・・・その、もっと親交を深めようと??」
「ふふっ、何言ってるんですか?友達に浅いも深いもないですよ。僕も今日は楽しかったのでまた是非一緒に遊びましょう!」
そう笑った黒子の顔がキレイで見惚れてしまった
オレにもまだチャンスはあるのかな?
そう、今はまだこのままでも・・・
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