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赤司×黒子 song17
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♪"あぁ君に近付いた分だけ
あぁ吸い取られるんだ
また潤んだ声で唱える
呪文ひとつで僕は逃げられない"
『君は一体・・・誰ですか?』
あぁ、初めてだ
オレのもう一人の人格の『僕』に気付いたのは・・・
その日までたいして気にしていなかった黒子の存在だったが、その日から黒子が気配を消そうとしていくに連れ、オレには逆に黒子の存在がデカくなっていく
黒子、君はオレに一体何をしたんだ?
もう一人の『僕』も同じ感情を持ち合わせていたようだ
"僕達"はどんどん黒子に捕らわれてしまったのだ
♪"私はいつも誰よりあなたの味方だよ"
『どうして僕だったんですか?』
『ん?それは黒子だからだよ』
『答えになってないですけど・・・』
『そうかい?』
『・・・君って人は』
黒子がふと投げかけてきた質問に対してオレはそう答えた
黒子が何を聞きたいのか・・・
それはなぜ自分が一軍に入ってオレの隣に居るのか・・・
その答えはまさにそのままなんだ
黒子は・・・黒子だけが"俺達"の事に気づけたんだ
バスケでのプレーも今のやり方を磨けばどんどん力を発揮していくだろう
そんな黒子を見守って行きたい。
そして、そばに置き大事にしたい。
そう、文字通りオレは常に黒子が隣に居るよう命じた
♪"愛する君の為に出来るのは
見て見ぬ振りくらいだろう
もう僕は知っている知っている
僕だけじゃないってこと"
そんな中、いきなり一軍に入りオレの隣に居る黒子を嫉み影で黒子に当たるようになった奴らがいた。
オレの目が届かない所で陰湿なイジメをしているようだったが、オレはソレに気づいていた・・・が今ここで黒子を助けてしまっては本人の為にならない。
黒子が自身で解決しなくてはいけないことだったんだ
だが、黒子を見守っているのはオレだけではなかったんだ
青峰や黄瀬がいた・・・
オレはもどかしい気持ちを必死で抑えようとしていた
♪"あぁマメな人だって思って
気が付けば君しか見えなくなって"
夜、オレは部活と生徒会の仕事を終え帰ろうとしていた所体育館の灯りが付いていることに気付いた
(また黒子か・・・・)
黒子はよく居残りをして練習をしていた
それに青峰がたまに付き合っている所を何度か見かけた事があった
「黒子・・・」
「あ、赤司くん!す、すみません、もう少しで帰りますから!!」
「仕方ないね、黒子は・・・」
何度も注意していた事もあって、黒子は俺を見るなり慌ててボールを片付け始めた
「・・・もしかして、ボールを拭いていたのかい?」
「あ、はい・・・」
「それはマネージャーの仕事だろう?お前がそこまでやる必要はない」
「ですが、こうやって遅くまでボールを使っていた訳ですし・・・」
「だがそんな事をしているとさらに帰るのが遅くなる。何度も言ってるが、あまり遅くまでやるようなら暫く試合に出るのを禁止にしようか?」
「そ、そんなっ!!」
「ふふ、まぁあまり根を詰めるなよ?でないとほんとに試合には出さないからな?」
「わ、分かりました・・・」
「とりあえず今日はそこまでにして帰るぞ。送るから」
「え、大丈夫です」
「いいから早くしろ。オレも手伝う」
「あ、ありがとうございます・・・」
まさかボールまで拭いていたとは・・・
熱心なのはいいが、黒子はどうも変に真面目で頑固だ
自主練するのはいいがオーバーワークになると何度注意してもこうやってまた破って自主練をする
まぁ、そんな黒子だからこそオレはどんどんお前を好きになっていく
♪"気が合うんだね私も好きだよ あの映画"
「・・・あれ?この映画」
「ん?どうしたんだい?黒子・・・」
部活帰りの夜、紫原と黄瀬がコンビニに寄りたいと言い出しオレと黒子は店の前で待っていると黒子がコンビニのガラスに貼られた広告に反応した
「いえ、この映画何年か前に公開されてたんですが・・」
「あぁ、そういえばこの映画の続きが近々公開されるはず・・・確か、来月だったかな?」
「・・・みたいですね?16日って書いてあります」
「そうか、オレはこの主人公の横にいる人が好きだな」
「っ!!僕もです!!最初は主人公の事を敵視しているんですけど、だんだん仲良くなって最終的には主人公を助けるんですよね!!」
「そうそう、敵視してた分素直になれなくてでも実は裏で主人公の事を助けてたりして・・・」
「意外と漢気あるんですよね!!・・・って意外でした」
「ん?何がだい?」
「赤司くんってこーゆうファンタジー的な熱い映画観るんですね??」
「オレをなんだと思ってるんだい??オレだって映画の一つや二つ観るさ」
「いえ、もっとなんか・・・お堅い物を観るイメージだったので・・・」
「意外と色んなのを観るよ。例えば○○や、○○〇とか・・・」
「え、それ僕も好きで観てました!!」
「ふふ、意外と黒子と気があいそうだね?」
「そうですね、意外過ぎてびっくりしました」
「そうだ、これ・・・今度一緒に観に行かないかい?」
「え、いいんですか??是非!!」
─────・・・・・・
♪"愛する君の為に出来るのは
見て見ぬ振りくらいだろう
もう僕は知っている知っている
ここは手のひらの上"
オレのこの気持ちは今の黒子にとって邪魔なんだ
だからオレはこの気持ちを抑えつけていたのに・・・
『僕は赤司くんに・・・皆に出会えて良かったです』
なんでそんな事を言うんだ?
少しだけ照れくさそうに言うお前に勘違いしそうになるじゃないか・・・
♪"生まれながらに持った力と
生き抜く中覚えた呪文で
それを僕に使ったのは
ただの気まぐれだったの?"
黒子、おまえのその才能を見抜いたのもそれを活かすように仕向けたのはこのオレだ。
だけどほんとに凄いな、その気配を消すのと人を観察する力はオレにでさえ有効なんだからな。
気を抜くと黒子の気配にオレでさえ気付かない事もある
そして、オレ『達』を見抜いたその観察眼に感服するよ
そんな中黒子はオレ『達』の前から忽然と姿を消した・・・
「まさかオレが教えて伸ばした才能を使ってこの眼を掻い潜り消えるなんてな・・・」
『この僕にまで何も言わずに居なくなるなんてなぁ?テツヤ?』
((会えて良かったと言ったのはウソだったのか?))
♪"こんな話聞いてくれてありがとう
私にとってあなたはとても大切な人だよ"
あの日お前は確かにそう言った
オレにとってもお前は大切で大事なんだよ
何処で何を間違えたんだろうか?
お前の悩みは聞いてあげてるつもりだった・・・
ただお前はあまり弱音を見せることはなかったね
いや・・・言えなかったの間違いか
♪"愛する君の為に出来るのは
見て見ぬ振りくらいだろう
もう僕は知っている知っている
僕だけじゃないってこと"
いや、これでいいんだ・・・・
黒子が違う所で幸せなら・・・
(本当それでいいのか?)
自分の中でもう1人の"僕"が呟く
あぁ、いいんだ
(ウソを言うな。僕のこの胸の痛みはなんだ?これはお前が・・・いや、お前も感じているハズだよな?)
ふん、黙れよ
(ハッ、この僕に楯突く気か?それはいくら僕自身でも許されない事だ)
今の主導権はこのオレだ
(ふん、言ってろよ。テツヤを失った上に世間とのプレッシャーに果たしてお前の精神は耐えられるのか?)
煩いな・・・
(テツヤにはもうお前だけじゃないんだ。お前はもう必要ない)
煩い!!
(さぁ、交代の時間だ・・・・)
煩い煩い!!黙れ!!お前、オレを差し置いて黒子に何かしたら承知しないからな!
♪"胸の苦しみにも慣れてきた
ひどく馬鹿な自分に
もう嫌気がさしてる
僕は思う
はやく君に会いたい"
・・・・・
ふぅ・・・・バカだな。もう1人の"オレ"
見えない所でテツヤの幸せを祈ってどうする?
テツヤの横に誰かが居ると想像しただけで心狂わせておいて、結局は自分が隣に居ないことを妬むクセに
さぁ、準備は整った・・・
テツヤ、大会で会えるのを楽しみに待っているよ
そう、僕が仕組み手のひらで転がされてるとも知らずにな・・・
さぁ、その時には『僕』か『オレ』・・・どちらかを選んでくれよ??
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