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火神×黒子 song18
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♪"避けられてるかもしれない予感
それとなく それとなく感じてた"
最近火神くんの様子がおかしい
理由は何となく分かってはいるんです・・・
「火神くん、今日ストバス行きませんか?」
そう伝えると火神くんは目を泳がせ戸惑いながら答えた
「あー・・・・わりぃ!!今日ちょっと用事あってなぁー!!」
「先週もそう言って断ってたじゃないですか?」
「そうだったか??」
「この間はマジバに誘ったの断ったじゃないですか?」
「あぁ・・・あれも野暮用があったんだよ!」
適当に誤魔化そうとする火神くんに僕は苛立ちを覚えた
「火神くん、ひょっとして僕の事避けてません??」
「はぁ?」
「しかも何か隠してますよね??」
「んな事ねーよ!!俺にだって色々あんだよ!!」
「・・・・」
それ以上問い詰める事も出来ず火神くんに背を向ける
「おい!どこ行くんだよ?!」
「・・・火神くんは用事があるんですよね??どうぞ、そちらに行ってください!僕はもう帰りますから」
「明日!!明日行こうぜー!!!」
そう背中越しに叫ぶ火神くんを無視し、「もう知りません」そう小さく呟きその場を後にした
─────・・・火神くんは嘘が付けないし、付いたとしてもバレバレなのですぐ分かるんです。
だから何を隠してるかは何となく分かってはいましたが僕は分からないふりをしている
♪"愛されてるかもしれない期待
かろうじて かろうじてつないだ"
「おーーーい!!!」
結局僕は次の日火神くんが勝手に約束したストバスに向かうのに待ち合わせをした
「・・・早いですね??」
「おー!これ買うのに早く出たんだよ!ほらっ!!」
「・・・これは!!」
火神くんが差し出してきたのは僕が大好きなマジバのバニラシェイクだった
「昨日は悪かったって!!これで機嫌なおしてくれよ、な??」
火神くんとはよく喧嘩しますが、頑固な僕にいつも折れて仲直りしてこようとする火神くんがとてつもなく可愛く愛しく思い、つい許してしまう。
『お前ら喧嘩するけど仲いいよなー??』
『喧嘩するほど仲がいいってやつか??』
『ほんとバカップルみたいだな?!』
『夫婦喧嘩は犬も食わないってか?ww』
昔高校の部活のメンバーに言われた事をふと思い出す
そう、火神くんとは昔も今もこんな調子で過ごしてきた
僕はそーゆう意味で火神くんの事が好きなんですが、火神くんは違う・・・。
よく青峰くんと好みの女性の話もしてたし・・・
まぁ、半ば無理やり青峰くんに聞かれてはいましたが・・・
でも火神くんは"普通"なんだ・・・
僕は"普通"じゃない・・・
それでも火神くんの隣に居たいからいつも通り過ごしている
火神くんは帰国子女ってのもあってスキンシップも多くその度に僕は期待させられる
「火神くん、明日もストバスと本屋にも付き合って下さいね??」
「わーったよ!!まだ怒ってんのか?!ったく!!それで機嫌直せよ?!」
「はい」
断られる事があっても、なんとしてでもこの関係をまだ保っていたくて、毎週の様に僕は火神くんと会う約束をする・・・。
それにちゃんと応えようとしてくれる火神くんがいて、微かな希望を繋ぎ止める
♪"話がある、と照れたように言いかけたあなた 逃げる私
聞けよ、イヤよ、聞けよ、知ってるわ"
そんなある日火神くんからメールが着た
『話があるんだけどお前空いてる日あるか??』
僕はそんなたわいのないメールに嫌な予感を感じ返信せずいた
─────・・・・トゥルルル
次の日着信が着た
僕はその着信もとれずにいた
「はぁ・・・」
今頃火神くん怒ってるだろうな・・・
「おい!黒子お前!」
「え・・・」
後ろから見知った声で呼び止められる
「お前無視してんなよな?!ったく・・・」
「すみません、この頃忙しくって・・・」
「話があるってメールしたろ??せめて返事くらい返せよな?」
「すみません・・・どうかしましたか?」
「いやー・・・あのよ・・・ここじゃなんだからマジバでも行かねーか?」
火神くんが少し照れたように頭を掻きながらこっちを見てくる
「・・・・嫌です」
「え、はぁ?!バニラシェイク奢るからよ!!」
「・・・いいです」
「じゃぁ!話だけでも!!」
「聞きたくないんで大丈夫です」
「大丈夫の意味が分かんねーって!まだ何も言ってねーし!」
「ほんと、今日も明日も無理です」
「俺、お前に伝えたい事あるんだけど?!」
「・・・・大体何となく分かってるんでいいです!」
「は?どーゆう事だよ?!お前に会わせたい人が居るんだって!!」
とうとうこの時がきてしまったと思った
「だから!!大丈夫です!!」
僕は火神くんに背を向けひたすら走って逃げた
♪"ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて 気がついたの ともだちなんかじゃないという想い"
─────・・・ガチャッ
バタンっ────・・・・
僕は家に帰りベットに横たわる
うっ・・・ふぅっ・・・っ・・・・
溢れ出る涙をひたすら我慢しようとしたがどうにも止められなかった・・・
いつだろう?
僕が火神くんを好きになったのは
高校の時・・・インハイが終わった頃だろうか?いや、もっと前なのか・・・
最初は僕だって火神くんの事を友達だと思ってた・・・
キセキの世代を止められず苦戦していた時・・・
1人で戦うんじゃなくて皆で戦うんだと言われた時、胸をギュッと掴まれた思いでいっぱいになった
思えばあの頃から少しずつ僕の中で火神くんは特別になっていたのだ・・・・
♪"ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて わかったのに おまえも早くだれかをさがせよと からかわないで、エラそうに"
暫くして僕の気持ちが落ち着いた頃、改めて火神くんから連絡をもらい何時ものマジバとはちょっと違う少しだけオシャレな喫茶店で待ち合わせをした
(火神くんが行かないようならしくないお店・・・)
そんな事をふと思いながらひと足早く着き待っていると入口から火神くんが入ってくるのが見えた
「わりぃ!待ったか?」
「・・・いえ」
ふと後ろを見るとその大きい火神くんの後ろからひょこっと可愛らしいロングヘアーの女の子が顔をのぞかせた
「あ、あの、初めまして!!」
少し照れた顔をした女の子に何処か見覚えを感じながらも挨拶を交わす
「どうも、初めまして」
「黒子!こっち、オレの彼女!!」
「はぁ・・・」
「おい!もっとなんか反応くれよ!」
「・・・何となく気付いてはいたので」
「つい最近付き合ったばかりなんだけどよ、1番先にお前に紹介したくって!!なのに、お前ときたら忙しいってオレを避けるから紹介出来なかったじゃねーかよ?!」
「・・・と言われても最初によそよそしかったのは火神くんじゃないですか??」
「いやー・・友達に改めて紹介するなんて初めてだからよー・・・せっかくだからって彼女と色んな店探してたりしてたから・・・」
「あぁ、だから僕の誘いを断ったりしてたんですね?」
「あれは済まなかったって!!実際店に行って確かめたりしてたんだよ!!」
「・・・僕は結婚を前提にって紹介される親ですか?こんな火神くんらしくないお店じゃなくったって・・・」
「お前は1番大事な親友だからな!!」
「ちよっと、クサイ台詞止めてください」
「お前に言われたくねーよ!!」
「・・・ふふっ」
そんなやり取りをしてると火神くんの横に座ってる彼女が
笑い始めた
「すみません、私いつも黒子くんの話をこの人から聞いていたから・・・ほんとに仲が良いんですね?」
胸がチクリとした
「火神くん、まさか変な事言ってないですよね?」
「んな訳ねーだろ!」
その後彼女を交え色々とたわいも無い会話をした
(僕はちゃんと表情を作れているだろうか?)
───────・・・・
「火神くん、良かったですね?」
「ん?おう!!まっ、次はお前に彼女が出来るといいな?お前のミスディレが効かない1番に見つけてくれるいい子がいればいいな!!」
「・・・・っ」
頭をガンッと殴られたような気分だった
最初は火神くんを単純に友達と思っていただけであって、僕の恋愛対象は元から男性だ。
知らないとは言え冗談でも火神くんに"彼女"を作る様に言われるとは思いもしなかった。
「・・・あ、すみません僕この後用事あるの忘れてました」
「え?あぁ、そっか・・・今日はありがとうな!!」
火神くんと彼女に一礼をし、そそくさとその場を後にする
何となく家には帰りたくなく、いつものストバスの横の公園のベンチに座りそれまで我慢していた涙を流す
「っ!う、うう・・・・」
♪"あやしまれるほど耳もと近く ひそやかに あなたからたずねた"
ひとしきり泣いても止まらず、そのまま家に帰り部屋で泣きながら今日の事を思い出す・・・
(そう言えば・・・)
火神くんはよく話す時に僕の身長に合わせ顔を近づけ会話をする事があった
そんな行動にさえ僕はドキドキしていたある日、いつもは大きい声で喋るのにその日はコソコソ話す様に僕の耳に顔を近づけて喋りはじめた
「なぁなぁ、黒子・・・」
「・・・どうしました?」
♪"どう思う? なんて視線の先
愛され人が たたずんでた
そうね二人とても似合うわ"
「あそこに居る女の子2人のうちお前ならどっちがタイプ?」
そう言って火神くんは珍しく僕に女の子のタイプを聞きながらも自分のタイプの子の話をし始めた
顔をそちらに向けるとロングヘアーの子とセミロングの子がニコニコしながら談笑をしていた
(あぁ・・・・・)
♪"ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて 気がついたの ともだちなんかじゃないという想い
ひたすら泣きながら過去の事を思い出した
(あの時の子だったんた・・・)
火神くんの一目惚れだったのだろうか、あの時彼女の事をずっと見つめながら僕に話しかけてくる火神くん・・・その先にいる彼女にあの時少しだけ嫉妬をしたのを覚えている
こんな気持ちになるなんて・・・友達だと思っていたけど好きになってたなんて・・・そう改めて思い知らされた日だった
♪"ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて わかったのに いちばん先に知らせた ともだちが 私だなんて 皮肉だね"
『1番先にお前に紹介したくって!』
ほんと、酷い話です
よりによってなんで僕が最初なんですか??
彼女の紹介くらい降旗君とか他の人が最初でもいいじゃないですか??
なんで・・・
火神くんにとって100%友情のつもりでも僕にとってのその一言は少しでも僕への気持ちを期待する台詞でもありそうでは無いと言う事の最も残酷な台詞だった
♪"でも、笑ってるわ
でも、ちゃかしてるわ
こんな人 どこに隠してたの"
「・・・ところで、いつの間に付き合ったんですか?」
「あ??」
「君の彼女ですよ・・・・あの時の、マジバにいた子・・ですよね?」
暫く経ってから心を落ち着かせ火神くんになぜか聞きたくもない彼女との馴れ初めを自分から聞いてしまった
「覚えてたのか??・・・お前紹介した時すぐ帰ったくせになんだよ?」
「・・・別に。言いたくないなら結構です」
何となく二人でいるこの空間に耐えきれず余計な話題を自分から振ってみる
「あー・・・そうだな、あの後お前と別れてからコンビニに寄ったんだけどよ、丁度彼女がレジにいて小銭をばらまいててさww拾ってやってコンビニ出たら後ろから声をかけてきて、お礼にって言って買ってたアイスを貰ったのがきっかけかなー??」
「・・・・へぇ」
もう気持ちは落ち着いたと思っていたのに心がざわつき始める
「でさー、アイスだから溶けるしよー、コンビニの前でお互いアイスを食いながら色々話してたら、向こうもあん時オレに気付いてたってなって、そこで連絡先交換してやり取りしてたら・・・って感じかな?」
「・・・そうですか」
「おまえ、自分から話聞いておいてもう少し反応しろよなー??」
「・・・・これが僕の通常なんで・・・」
「そっかよ!!」
「・・・・・・・彼女」
「ん??」
「いい子そうでしたね。かがみくんには勿体ないくらいですよ」
「おい!どーゆう事だよ!!」
ほんと、いい子だった
1度しか会ってないけど人の良さがにじみ出ていた
これでは心から祝ってあげるしかないじゃないですか
反対する・・・理由もない
♪"ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて 気がついたの ともだちなんかじゃないという想い
ひと晩じゅう泣いて泣いて泣いて
わかったのに
おまえも早くだれかをさがせよと
からかわないで、エラそうに"
あれから何度夜が来る度に思い出し泣いた事だろうか
でも、もう泣くのはやめよう
『お前にも良い人が現れるって!』
ぼくはそんなの望んでいないんです
今は火神くんだけでいいんです
でもそれももう終わりにしないといけませんね・・・
男が好きだと・・・いえ、火神くんが好きだという時点でもう周りからの恋愛は遠のいているんです
だから、もう少しこの気持ちが消えるまでどうか、火神くんを好きで居させて下さい・・・
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