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灰崎×黒子 song19
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♪"私は 周る衛星
でもあなたが太陽なワケない
思うまま 中心だね
好き勝手に やっちゃダメ!
教えて震えるだけで
その瞳 ふさぐ魔法
腕の中 抜け出すわ
泣かせたら ホントにダメ!"
僕は今灰崎くんと付き合ってます
そんな二人の関係を唯一知るのは桃井さんだけです
桃井さんはやはり情報に長けていますね
「テツくん!!!」
「どうしたんですか?桃井さん、そんなに力んで」
「アイツ!!知ってるんでしょ?!また違う女といたよ?!テツくんと付き合ってるってゆーのに!!信じらんない!!」
「・・・そうですか」
「そうですか・・・っじゃない!!テツくん嫌じゃないの?!」
・・・・嫌に決まってる
だけど、最終的には僕のところに戻ってきてくれるから
「もしかして、テツくんどうせ最後には自分の所に戻ってくるとでも思ってない?!」
「桃井さんはエスパーですか?」
「分かるわよ!!テツくん分かりやすいもの!」
「こんなにも感情を隠しているのに凄いですね」
「凄くない!!・・・確かに普段は何を考えてるか分からな・・・んん!じゃなくて!!」
「はぁ・・・・」
「とにかく!!アイツは調子に乗ってんのよ!!テツくんが傍に居るからって余裕こいてるの!!自分勝手にしちゃって!!ほんと腹が立つわ!!赤司くんに告げ口しちゃおうかしら??」
「・・・それは止めてください」
♪"自分のことだけしか
考えないでしょ
バカみたいに 合わせた
私を 悩ます
最後まで 寂しくする"
「黒子ぉー今日俺ん家に来いよ」
「え、でも僕今日委員の仕事が・・・」
「じゃーな。待ってるからなー。」
───────・・・・・・
「やっと委員の仕事終わった・・・灰崎くん待ってるでしょうか?」
───・・・ピッ
携帯を開いてメールをみるとそこには灰崎くんからのメールがあった・・・
『お前おせーから違う子と遊ぶことにしたわ!だから今日来なくていいわ』
「・・・はぁ」
・・・・いつもこうだ
僕の都合なんて気にしないで自分の都合のいい時だけ僕に声をかけてきたり遊ぶ約束を取り付けて来るクセに急に手のひらを返したかのように無理やり結んだ約束を破る
僕は約束をする度に滅多に向こうから誘って来ない灰崎くんと少しでも会うための時間を作ろうと無理をする
だけど今回みたいにどんなに頑張っても時間が過ぎたりすると灰崎くんは違う人との予定をいれてしまう
桃井さんには『なんでアイツなの?!テツくんが辛い思いするだけなのに!!』っと言われる始末
そう・・・ですよね、なんで灰崎くんだったんでしょうか?
丁度部活でレギュラーにもなれず悩んでいた頃最初に出会ったのが灰崎くんでした
その後青峰くんと出会って他の皆にも出会い一軍のレギュラーになるものの、他の部員からの嫉妬か陰湿なイジメにあっている所を何度も灰崎くんに助けられたことがあり、それから僕の方から灰崎くんを意識し始めたんです。
灰崎くんの悪い噂は勿論僕の耳にも届いていましたが、灰崎くんは僕にだけは・・・・2人の時はとても優しくて素直だったんです。
♪"言うことない Go away
説明が要る? No way
怒ったって 傷口に塩
もう 勝手にしな"
そんなある日僕が下校途中、違う女の子と歩いてる灰崎くんとすれ違った
目の当たりにするのは初めてで、灰崎くんの腕に絡みつく女性を見て胸が痛くなり、僕はその場を逃げ出した
黙認してたけど、いざ目の当たりにすると・・・
(辛いな・・・)
とぼとぼと歩いていると灰崎くんからの着信があった
─────・・・・ピッ
僕は携帯の電源をoffにした
(もう・・・知りません)
♪"私は あなただけ
あなたは 自分だけ
思うまま中心だね
ホント 自分だけ
それなら 勝手にしなよ
好き勝手を やっちゃダメ
勝手にしな AY"
僕は一途に君の事を想っているのに、灰崎くんはお構い無しで好き勝手にやってる
僕の存在って・・・
灰崎くんにとって僕はなんなんでしょうか?
「くーろこっち♪」
「え、黄瀬くん??」
「どーしたんすか??そんな暗い顔してー??」
「・・・いえ」
最近打ち解けてきたのか黄瀬くんは僕のことを黒子っちと呼びよく話しかけてくれるようになった
「うーん・・・そんな黒子っちに~ハイッ!」
「・・・なんですか??」
「これ、新発売のアメっすよー!!まだ紫原っちにもあげてないんっすからね??内緒ですよ??あの人お菓子に目がないからバレたら大変っす!!」
「・・・フフっ、ありがとうございます」
「あ、やっと黒子っち笑ったぁ~」
「・・・え?」
「最近俯いてばっかりっすよ??何があったか知らないっすけど、元気出して!!」
「・・・・ありがとう・・・ございます・・・」
・・・・そんなに僕は沈んだ顔をしていたのでしょうか??
♪"眠れなかった
クールになっても
その態度が 理解不能
いや降参 くたびれた
私の道をゆくわ
あなたがいなくても 平気よ
腕の中 抜け出すわ
前向きに 生きてくの"
「おい、何やってんだよ??」
黄瀬くんと話していると声をかけられ振り向くとそこには灰崎君の姿が・・・
「え、なになに??祥吾くん??どうしたんっすか??」
「灰崎くん・・・」
「黄瀬ぇ、お前黒子に近過ぎ離れろ!!」
「はー??いーじゃないっすか??黒子っちは祥吾くんの物じゃないんっすよーだ!!」
「いーや、俺のもんだ」
そう言いながら灰崎くんは横にいる黄瀬くんと僕との間に無理やり入り自分の方に僕を抱き寄せ、あろう事か黄瀬くんの目の前で僕にキスをしてきた
「っ!!ん、っぁ・・~~~っちょ!やめてください!!」
僕はお構い無しにキスを続けようとする灰崎くんの肩を両手で押し離した
「え??ちょ、黒子っち??祥吾くん??」
僕達が付き合ってることを知らなかったのであろう黄瀬くんがオロオロと狼狽え僕達を順番にキョロキョロと見てくる。
その視線に耐えられず俯いていると・・・
「こーゆう関係なの、分かるかな??邪魔すんなよ色男」
見下す様に黄瀬くんに言葉を投げつける灰崎くん
「はぁ?!」
苛立った様に今にも殴りかかりそうな黄瀬くんを止め僕は灰崎くんに思いを伝える
「灰崎くん、ほんと・・・もう終わりにしましょう」
ほんとはもっと色々言いたい事があったがただ別れの言葉を告げる事しか出来なかった・・・
「はぁ?何言ってんだよ?」
「・・・黄瀬くん、申し訳ないのですが、後で事情は説明するので、今日のところは帰ってもらってもいいですか?」
「でも!・・・はぁ・・何かあればすぐ連絡下さいっすよ?」
「・・・ありがとうございます」
僕の真剣な顔を見て、何かを察した黄瀬くんは素直に帰って行くのを確認し、僕は改めて灰崎くんと向かい合う
「オレは別にアイツが居てもいいけど?・・・・で、なんだよ?さっきのは??」
「そのままの意味ですよ」
「いきなり別れるなんて俺が聞くと思ってんのか??」
「・・・・もう疲れたんですよ。君は僕が居なくても他の人がいるでしょう??僕には君しか居なかったのに・・・もう待ってるのも黙って見てるのも疲れたんです」
「あれは、遊びだって!」
「遊び・・・ですか」
「なんだよ?」
「じゃぁ、僕が誰と一緒にいようと関係ないですよね??何故さっきあんな事をしたんですか?」
「あ?キスの事か??あれは黄瀬のヤローがお前に手を出そうとしたから牽制してやったんだよ!」
「黄瀬くんはそんなつもりも全くなかったし、僕達が付き合ってること知らなかったんですよ?」
「だからだよ!!手を出される前に分からせてやらねーとな??」
「・・・サイテーですね、ほんと・・・もう好きにしてください。僕も好きにしますから」
「は?何言ってんだよ??させるかよ!!」
♪"合わせた 私
毎度 That's OK man
毎日 繰り返し
この好意 あなたの権利あるなら
なんか間違ってる!"
僕はいつも灰崎くんに呼ばれればそこに向かい灰崎くんと一緒に過ごしてきた・・・
悪く言えば言いなりだったのかもしれない
でも好きだから・・・灰崎くんも僕を必要としてくれてると思っていたから・・・
なのに、今思えばただ都合のいい時だけ呼ばれていただけなのかもしれない
恋は盲目といいますが、ほんとにそうですね
桃井さんに言われる前から本当は気づいていた
でも気付かないふりをしていたんです・・・
♪"何で驚く?
当たり前でしょ!
泣いたって 無駄よ 今更
もう 勝手にしな"
その数週間後、灰崎くんは赤司くんに言われ部活を退部した・・・
そんな灰崎くんが今目の前にいる
「おい・・・・」
「・・・なんでしょうか?」
「なぁ、オレまだお前の事好きなんだけど??お前も同じ気持ちだよな??」
・・・何を言ってるんだ?この男は
「・・・もう、僕の気持ちはないと思って下さって結構です」
「回りくどい言い方すんなよ!なぁ、仲直りしよーぜ??そんでよ、前みたいに一緒にバスケしよーぜ・・・な?」
本音はソコなんだと考えてしまう・・・
「いえ、前にも言ったように灰崎くんは僕なしでも大丈夫でしょ?なので好きに生きて下さい。僕もそうするので」
「は、お前からオレをフルのか??」
・・・ほんとにこの人は・・・
♪"こっちは あなただけ
そっちは 自分だけ
思うまま 中心だね
ホント 自分だけ
それなら 勝手にしなよ
猛反省する時を
待ってるわね 勝手にね"
どこまでも自分本位なのかが言葉の端から伝わってくる
僕には君だけだったのにね?
「今後もう君とは接点がなくなるとは思いますがお元気で・・・」
「おい、待てよ!!オレは納得してねーぞ?」
「・・・どうぞご勝手に」
「オレは別れる気なんてねーからな?!」
僕は彼に背を向け歩き出した
後ろから怒鳴る彼はさぞ滑稽でしょう
「・・・これでいいんです」
そう自分に言い聞かす
ほんの少しだけ残る彼への未練をそこに置いて僕は前を歩き出す決心をした
♪"I don't, baby I don't stay
I don't, baby I don't stay
I'm ready to go on my way
言うことない Go away
説明が要る? No way
怒ったって 傷口に塩
私も 勝手にする
Bicho Malo"
僕はそれから今まで以上にバスケに専念した
灰崎くんの事で気がそぞろになっていたのを赤司くんに見透かされていたのかもしれない・・・
間接的に離されたような気もするけど、僕も限界がきていたからこれで良かったんです・・・
「・・・赤司くん」
「なんだい?黒子」
「あの、ありがとうございます」
「なんの事だろうね?」
「・・・とりあえずお礼を言いたかっただけです」
練習の合間に赤司くんに声をかけたけど、赤司くんは何も言わなかった。
これが僕にとって良い結果だったし赤司くんや部にとって最善の策なんだと思う
灰崎くんと居た時は楽しいと思ってた・・・
でも、あの時僕は部の事で悩んでいたりしたから灰崎くんと出会ったのは救いだと錯覚したのかもしれない
きっと、桃井さんの言う通りおかしくなっていたのかもしれない
もしかしたら灰崎くんの気持ちは最初から違ったのかもしれない
だけど僕の気持ちが勘違いだったとしても確かに二人でいたあの時間と気持ちは僕にとって確かだったんだ・・・
♪"私は あなただけ
あなたは 自分だけ
思うまま 中心だね
ホント 自分だけ
それなら 勝手にしなよ
好き勝手を やっちゃダメ"
僕は君だけを見ていた
だけど君は僕じゃない、その後ろをみていた
バスケをしていて、赤司くん達・・・キセキの世代に交ざっていない僕だったら興味も示していなかったのかもしれない・・・
青峰くんや黄瀬くんへの当てつけもあったのかもしれない・・・
そう、思っていたのに・・・
♪"つまんない
サ!サ!サイテイね
もういいわ
自分だけ Hey
悔やんでも
ご勝手に
勝手にね 勝手にどうぞ
私も好きに生きるわ勝手にしな"
「よー・・・黒子」
「・・・なんでしょうか」
1人歩いていると目の前に灰崎くんが少し申し訳なさそうに立ちはだかる
「なあ、もうヨリ戻そうなんて言わねーからさ・・・」
その先の言葉は聞かなくても何となく分かった
「なぁ、赤司に俺を部活に戻すようにお前から言ってくんねーかな?ほら、赤司だって他の奴らより多少はお前の言うことなら聞いてくれそーだろ?」
聞きたくなかった。僕が好きだと思った灰崎くんを自身で惨めにしないで欲しかった・・・
「・・・そんなの無理に決まってるじゃないですか」
「んな事ねーって!!とりあえず聞くだけでもいーからよ!!」
なんて最低なんでしょうか・・・
最近の彼は部活を辞めてから乱れた生活を送ってると噂で耳にしますがどうやらほんとみたいですね・・・
僕にはどうやったって同情する気持ちも起きなかった
僕は今、灰崎くんに向けていた気持ちと体力を部活に向けている
だから、今更灰崎くんのためにおこす気力と体力なんてないんです
「君は、最初から僕なんて必要じゃなかったんですよね?だからどうぞ自分の道を生きて下さい・・・さようなら」
これで本当の本当にお別れです
さようなら、灰崎くん
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