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先ほどのように触れ合うだけのキスから始めるのではなく、すぐに舌を唇に這わせてくる。
「ん、んんっ…」
唾液で濡れてぬる、とした感触の舌があっという間に侵入してきて、そのまま舌を絡め取られる。
「……湊」
先ほどまでとは打って変わり、安堵をもたらす声で名前を呼ばれて、無意識に甘い息を吐き出した。
「ん、んっ、ふ…」
甘い口付けを施し、柔らかな蕾を優しく開かせていくようにゆっくりと情念の火で身体を熱くさせられていく。
唇をなぞられ、重ね合わせながら口内で舌を吸われて唾液を啜る音が響いた。
「は…ん、……ふ、ぁ…」
頬に手のひらを添えられて、高まっている熱を感じる。
その間にも、うっすらと開いた唇の間から舌を差し入れられ、粘膜を舌先で嬲られてどんどん敏感にさせられていく。
「瑞樹……」
息を呑む音が聞こえそうなほど近い距離で真っ直ぐに見つめられ、胸が高鳴る。
漆黒の瞳は夜の深い闇を思わせて吸い込まれそうになる。気持ち良くて、恋人の名前を呼ぶ声すら甘さを含んだ吐息交じりになってしまった。
「相変わらずキスが好きだな」
「んっ、ん…あ、ふぁ……っ!」
名前を口にして、開かれた唇の間からより深く舌をねじ込まれて口内を淫らに掻き混ぜられる。
くちゅくちゅと響く水音に、下腹のあたりに熱が落ちていく。
纏っていたシャツのボタンを、器用にも片手だけで手際よく外されていくのが分かった。少しずつ外気に晒されていく感覚に肌が震える。
「っぁ、あ……は、ん……ん、」
瑞樹が華奢な顎を指先で持ち上げる。
逃げる舌を捕まえられ、溶かしていくように執拗なキスをしてくる。舌が触れ合う度に体の内側から熱が広がっていくのを感じた。
「は…っ」
短い吐息を吐き出してから、瑞樹の指先がぷっくりと尖ってシャツの上から形を透けさせる胸の先端を弾く。
「んんっ、ぁッ!」
キスをしながら触れられて、甘い声がくぐもったまま漏れ出てくる。
「湊……、みなと、」
「ふ、ぅん……っ、あ、あ…」
執拗な長い口付けが終わって、心地良い緩やかな快楽に身を任せるように閉ざしていた瞳を開ける。
どちらのものか、判別ができない唾液で濡れた唇を舐めるその表情がいやらしく見えて、見入ってしまった。
「は、ん……っ」
恋人の艶っぽい表情には弱かった。
あまりにも整った顔をしているものだから、そうした表情をされると肌がぞくぞくと震えて次のものを期待してしまう。
彼は、もう一度唇に触れるだけのキスをして、そのまま喉に柔く歯を立て舌を這わせ、鎖骨にまで情の痕を刻んでいった。先ほどの花びらのような赤い痕が出来上がる。鎖骨の窪みを舐めて、きつく吸われると勝手に吐息が漏れていく。
「あっ」
膨らみのない平らな胸に指を這わせ、ボタンが全て解けたシャツを左右に開かれる。スラックスのベルトも外されていく音が聞こえた。
熱を持った身体に、ひんやりとした空気が過ぎ去っていく。
汗ばんだ肌をゆっくりと舐められ、決定的な刺激を与えられないもどかしさに体の中に溜まった熱がどうにかなってしまいそうだった。
「は、ぅ……やっ、」
触ってほしい。そう思ってすぐに、瑞樹が小さな突起に舌を這わせて口に含んでしまう。
「あっ、あっ、…っぁ」
羞恥心を煽ることが目的なのか、わざと淫猥な音を立てるようにしゃぶり、控えめに存在を主張する突起を更に硬くさせていく。
「は、あぅっ、んっ、……あぁッ」
唾液を乗せた熱い舌が突起を舐め上げ、優しく歯を立てながら甘噛みする。
もう片方の乳首を指先で強く摘ままれ、指の腹でこねくり回されると、背筋を電流が走っていくような快感に襲われる。
「あっ、は……っ、んんっ、ん」
あんなにも気分が乗らなかった自分が嘘のように、施される愛撫を受け入れて快感の炎を大きくさせられる。
指で、舌で、絶妙な力加減でそこを弄られると下腹部がうずうずとしてしまう。もっと先を知っているからこそ、強請るように腰をくねらせる。求めるように、自分の間にある腰を太腿で挟んでしまう。
「嫌って言った割に抵抗しないな」
言われて、自分に対して少しだけ羞恥心を抱いた。
浮気をしているのだと目の前で認められていても、この男と触れ合って抱かれることを心の底では期待しているのだ。嫌だと理性では思っていても、身体も心の奥底も、この男にとっくに陥落させられている。
「や、やめ……っ」
「拒絶するな」
胸から腹へと、肌に触れる髪が移動していくのを感じて、反射的に足を閉じる。胸の上から腹の方へと身体をずらしていきながらも、肌にキスをして時折舌で舐めてくるから震えてしまう。
「酷いことはしない。足を開け」
覆い被さっていた身体が、一度完全に離れて見下ろされる。
もどかしくて、次の強い刺激が欲しくて彼の腰に足を絡ませていたというのに、何をされるのか想像がついて余計な力が入ってしまう。
「湊」
もう一度覆い被さって、耳の付け根に吐息を吹きかけながら低い声で名前を囁かれると、びく、と身体が跳ねて這い上がってくる何かを感じる。
余分な力が抜けていった太腿をひと撫でし、瑞樹の手が自分の足を左右に開くのが分かった。
「あっ、や、…っ!」
性器に指が絡みついて、口に含まれる。ねっとりとした熱い粘膜に包まれて、少しだけ足を暴れさせるものの、いとも簡単に押さえつけられて終わる。
「ひっ、ん…、あ、ぁ、は……ッ!」
直接舐められる感覚には、未だ慣れることがなかった。
ダイレクトに伝わってくるぬろぬろとした舌の感覚に全身が震えて、熱っぽくなっていくのを感じる。
「あ、い……っ、あ、あ…はぅ、んっ」
尖らせた舌が先端を割るように舐めてくる。口淫をやめさせようと太腿の間で動く彼の髪に触れるものの、力が入らなくてまるでもっとと強請っているようになってしまっていた。
「………舐めて」
「く、ぅん……っ、ん、ん、」
一度性器から口を離し、湊を見下ろしながら片方の指を銜えさせてくる。小さな唇を割って入り、指を二、三本口の中に押し入らせて舌を撫でた。
「んっ、うぅん…ッ、ふ……っん」
「お前の体は、本当に……いやらしくて可愛いな」
───誰と比べているんだか。
少しだけ冷えた現実に引き戻された頭で考える。
どんどん溢れてくる唾液で指を濡らし、舌を這わせながら瞳を閉じた。
「ん……っ」
ちゅ、と音を立てながら口の中に入っていた指が引き抜かれる。
「あっ、ぁあッ……!いあっ」
淫らに銜えることを再開し、唾液でたっぷりと濡れた指をゆっくりと体内に押し入らせてきて、声が上擦る。
「あっんん、いっしょに、しちゃ…ッ」
唾液で濡らすだけでは、指の半ばまでしか挿入するのが難しいようで、半端な位置で抜き差しをされる。それでも、性器を舐められながらゆるゆると指を動かされると気持ちが良かった。
「はあっ、あっ、ぅん……ッ!」
びく、と肌が震える。
思わず足の間にある男の頭を太腿できゅ、と挟んでしまい慌てて力を抜いた。
「ふ、ぅ……っ、あ、あっ、」
瑞樹がようやく性器から口を離し、今度はベッドサイドに置いていた瓶に手を伸ばした。
中途半端に口淫で高められた昂りが苦しかった。
湊が乱れた息を整えている隙に潤滑油をとろ、と垂らして後腔からシーツまでを濡らしていく。
「……っあ、ぁ……ん、…ふ」
片手で湊の脚を掴み、開かせながら潤滑剤で濡れたもう片方の指を、潤んだそこに侵入させる。
「ひうっ……、あ、あ、んぅ……ッ」
長く綺麗な指が自分の中に入ってくる感覚に、大きく息を吐き出して違和感を逃がしていく。先ほどとは変わり、瑞樹の指が根元まで入ってくる。
十年間肌を合わせているとはいえ、回数は限られている。鋭い痛みを感じることはなくなったものの、僅かな違和感は感じざるを得ない。
「は、ぁん……っ、んっ」
指をゆっくりと出し入れさせながら、瑞樹が覆いかぶさってきて口付けを迫られる。
熱に浮かされて、霧がかかったように霞む視界とぼんやりとした意識の中でもたらされる唾液まみれの口付けは、あまりにも気持ちが良かった。
「ん、んんぅ……っ、ふ、あ…」
くちゅ、くちゅ、と音を立てながら舌と舌が絡み合い、その間にも体内に指が押し入っては引き抜かれていく。
快感を煽っていくように、徐々に徐々に指全体で内側の壁をなぞっては、入り口から少ししたところを時折強く押してきた。
「あ、あぁ……ッ、ん、はぅ…っ」
少しずつ出し入れさせる速度を速めたと思いきや、すぐに指を引き抜かれて喪失感に後腔が疼いた。
「や…っ、抜いたら、」
「かわいいな。なくなるのが嫌なのか」
「あっ、あっ、あっ……!」
喪失感が切なくて涙を浮かべるよりも先に、再び刺激が与えられ、今度は中に入ってくる指が増やされる。
二本の指が内壁に沿うように擦り上げてきて、その度に、薄く開かれっぱなしになった唇の間から意識せず甘い声が途切れることなく出てきた。
「あっ、ぁうっ、そこ……ッ」
二本の指の腹で執拗に強く擦りつけられると、堪らなく下腹の辺りから疼きが全身にまで広がっていく。
ねっとりとしたとろみのある潤滑剤が指の動きに合わせて湿った音を響かせた。
「好きなんだろう…?知っている」
「ひ、ぃあっ、あッ、……んっ!」
強い刺激が欲しくて、自然と背中が浮き上がる。
「んあっ、あッ、…めっ、」
中に指を出し入れさせながらも、潤滑剤を絡めさせた手のひらに性器を包まれ上下に扱かれる。
にちゅ、ぬちゅ、と卑猥な音がやけに大きく聞こえて、聴覚までも犯されていく。
直接的な性器への愛撫と同時に、体内に激しく指の抽送がされるせいで、自分が一体どこから快感を得ているのか訳が分からなくなってしまう。
「やっ、んッ…!あ、ぁ、イッ……!」
強い快感の波が内側から押し寄せてくるのに耐えるよう、身体の下に敷かれたシーツを必死になってくしゃりと掴み、筋が浮かび上がるほど強く縋り付いた。
その間にも、瑞樹は責め立てる手を休めることなく湊の身体をどんどん追い詰めていく。
「あっ、あ、…め、……だめ、イ、く…‥ッ」
か細く、消え入りそうな声で限界を訴えていると、瑞樹は二本の指で探り当てた弱い部分を、器用に内側を引っ掻くように擦り上げる。
敏感な部分に集中的に刺激を与えられて、湊の腰が浮き内腿が軽く痙攣した。
もう、だめ、イく──……。
そう感じて、自分の中がどろどろに溶けていく感覚に身を任せるように全身を震わせる。
「んあっ」
しかし、一気に瑞樹が体内から指を引き抜いて、性器への愛撫も中断される。
再び中途半端に投げ出されることになった身体が刺激を求めて疼いているのを自覚すると、そのまま、瑞樹が一息つくこともなく腰を強く掴んできた。
「ひ、あぁっ!?」
掴まれた腰を引き寄せられた湊が驚いている間に、瑞樹は散々愛撫されて柔らかく開かれた場所に硬く猛った己のものを押し付けてすぐ強引に挿入していった。
反射的に瑞樹の背中に腕を回し、しがみつくように強く抱きついてしまう。
「イッ……!あ、あ…っ、はあッ、あぁああ──……っ!」
膨れ上がった勃起を、止める隙もなく体内に一気に挿入されて、半ば強制的に連れて行かれた快楽の果てに上擦った声をあげながら全身を震わせた。
散々焦らされてようやく入ってきた熱の塊の圧倒的な質量に屈服される。
絶頂に達して、爪先がきゅ、と丸まり、全身を痙攣させながら息を張り詰めさせた。
「や、あ───…は、あっ、ぁ……ひ、ぅん…っ」
突然訪れた快楽の極みに呼吸すら満足にできず、全身を震わせながら意味をなさない声を漏らし続けた。
しかし、強い快感の余韻が抜け切らないうちに、ずんと強く腰を打ち付けられて、驚く間も無く嬌声をあげさせられる。
「あっ、ひあっ!? あ、あっ、や、ん!」
「休ませるつもりはないからな」
「やめっ、…はっ……んっ、も、熱…あつ、ぅ、い……っ」
やめて。と口にしながらも、湊は甘えるように瑞樹の身体にしがみ付き、腰を押し付けながらとろんと蕩けた表情で見つめた。
「良い顔をするな、お前は…っ。本当に」
そんな表情が興奮させるのか、瑞樹が耐え切れないように熱っぽい溜め息を吐き出した。
それでもなお、奥まで強引に開いて押し入ろうと、腰を強く穿つのはやめてくれない。
「あっ、あ、ぁ、かた、い…ッ」
一度限界を迎えて達した中がひどく敏感になり、粘膜を擦る亀頭のくびれた部分まではっきりと感じてしまう。
あっ、あっ、と短く喘ぐ度に、瑞樹の性器がぱんぱんに膨らみ硬度を増していくのが分かった。その反応が、嬉しい。
「も、…ゆっ、…くり、して……っ」
過ぎた快感がほんの少し辛くて、激しい腰の動きを止めて欲しくて弱々しく瑞樹の腰に手で触れる。しかし、その手は動きを制止するには至らない。
かえって煽られたかのように、瑞樹がストロークを深くさせて挿入を深くさせた。
「あぁあ…っ!」
「……奥までいっぱいにしたくなるな」
「いっ……あ、あっ、も……ッ、やあっ!」
「あと少しだから……」
瑞樹は緊張を和らげるように太腿を撫で上げ、安心させる声で囁いた。
しかし、優しい声色を裏切るように、膝裏を掴むなり一気に奥まで突き上げてくる。開かれてはいけない場所まで犯される感覚に、喉を引きつらせる。
「ひ……っ、ぁ、あ──……ッ!」
体内を圧迫する衝撃に息が詰まってしまう。湊のそんな様子をよく見ているはずなのに、瑞樹は腰を止めることなくなお深くまで穿とうとしているのか、勢いをつけて押し入ってきた。
「ぅあっ、あっ、深いぃ…っあ、あぁ…っふ、うぅん…ッ」
一度緩やかに腰を引いてギリギリまで抜いた肉棒を、再び強く押しこんで体内に埋めさせていく。
熱く滾った性器が、圧迫しながらも粘膜の壁を巻き込むように奥まで入ってくる感覚が堪らない。
それが、もっと欲しい。
欲しいのに、めちゃくちゃにされる感覚に口が勝手にだめ、と言ってしまう。
「あっあっ、あっ…だぁ、め、だめッ……やっ、ひぅっ、あ、いあッ、あぁっ!」
「ん……。 何が駄目なのか言ってみろ…」
「あっ!はうっ、んッ」
つん、と尖りを見せる乳首を指先で摘ままれ、舌で舐められて、自分の身体の内側がじわじわと溶かされていくような感覚に襲われて胸を喘がせた。
「あ……、あっ、あっ、そこ…」
「──ああ、」
「きもち、い……っ、あっ、あっ」
前立腺を擦り上げ、奥の壁に亀頭がぶつかって全身から力が抜けていく。粘膜が擦れる度に甘い疼きが広がる感覚に、気持ち良くなっていく。
「も、っと……」
自分が何を言っているのか、全く自覚がなかった。
腰を捩らせながら、更なる深みを目指すように中をひくつかせているのも、無意識だった。
「湊…、…っ」
そんな湊を上から見下ろしていた瑞樹は、何を言うこともなく体を密着させて、その耳元に舌を這わせた。途端にびくんっ、と大きく湊の身体が跳ね上がる。
「ひあっ、あっ、…や!舐め、ちゃ…っ、や、いあッ」
「感じるか? 中がこんなにも吸い付いてくる……。ほら、分かるだろう?もっと奥まで欲しがっている」
「あっ、んあぁ……っ、は、ふ…っ、ぁあっ、だめ……!」
耳朶を舐められ、噛まれ、ぐちゅ、と音を響かせながら耳の中に舌がねじ込まれる。
興奮しきった瑞樹の吐息が耳に降りかかり、低く呻く声が直接注がれてそれだけで感じてしまう。
「中だけでイけるな……っ?」
「い、やあっ、あぁ…ッ、おねが、もう、んっ、んあッ、は…!」
「湊…っ。できると言え……っ」
「あっあっあっ、みず…き……っ」
もう限界だった。弱いところを散々苛められて、全身が敏感になっていく。
──イく、もう……。
好きな男に好きなようにされて、気持ち良くならないはずがなかった。
強く、中を穿たれて衝撃と快感に背中が浮き上がった。
「ひ、ぃあ…っ、あっ、ん、ぁ…、ああぁあ──……ッ!」
太い肉棒を根元まで締め付け、湊は身体を震わせ無我夢中で瑞樹にしがみつきながら達した。
強すぎる快感に目の前がチカチカと点滅して、熱で満たされた頭の中がぼんやりとしてくる。
「食い千切られそうだ…っ」
「ぁ、は……っ! おく、奥ぅ…っ、いっぱい、な……あっ、う…!」
「お前のその顔は…っ。 堪らなく、興奮するな……ッ」
じんじんとした痺れた感覚が結合部から響いてくるのに、身を震わせ涙を散らしながら必死に訴える。
湊の泣き顔があまりにも可愛らしく見えて、瑞樹は己の欲望が更に増したのを感じた。
それを湊も同じように体内で感じ取ったのか、ままならない欲望の大きさに腰を捩らせ逃れようと身動ぎをする。
「あっ、おっきくな、ぁ、は……ッ」
大きくて、太い。それほど自分に興奮しているのだと思うと、淫らな気分に引きずり込まれていく。
ぐぷっ、と音を立てながら自分の体の奥まで、猛った雄を銜え込んでいった。
「いやらしいな…。 は……っ、く、こんなに深くまで…呑み込んで」
「あ、ひっ…、あっ、あっ、あぁ……っ!」
中を満たされることを望んで、切なげに吸い付く粘膜の壁は、熱く猛った肉棒に纏わりついて離したがらなかった。
これまで幾度となく繰り返されてきたその先の快楽を知っているのだ。
限界に達した肉欲の象徴が、体内の奥で射精する瞬間の絶頂を、散々に教え込まされてきた身体は覚えていてずっと期待しているのだ。
「あ、あぁ…っ、は、ん……みず、き……っ」
欲情しきった目で瑞樹を見つめれば、彼もまた、抑えきれない欲望に興奮しきっていることが分かった。
その表情だけで、身体の奥から自分ではどうにもできない疼きがせり上がってくる。
自分に欲情してくれているのだと思うと、それすらも快感に繋がっていく。
「お前は俺を興奮させるのがうまいな…」
「あ、あ、みずき…ッ! ふ、んん……っ」
唇を重ね合わせる。
唾液でぐちゅぐちゅになった口内を弄り、淫らな音を立てながらも強く、深くまで腰を打ち付けるのはやめなかった。
湊の奥深くまで蹂躙し支配するように、瑞樹は腰を大きく揺すりながら小さな唇を奪い去った。
「ふ、ぅんっ、んん…っ、ぁッ」
混ざり合った唾液を飲み込む。
それでも、唇が離れた時に溢れ出た、どちらのものか分からない唾液が口の端から伝い落ちていった。
「ん……っ」
湊は、穿たれ身体を揺さぶられながらも、唇の端に舌を這わせて自分の肌を伝っていく唾液を舐め取った。
その淫らな仕草を見ていた瑞樹が、興奮しきったように熱い吐息を漏らしながら低く囁く。
「イかされそうだ、……っ、お前に」
「あっ、あっ、ん……?イ、く……っ?」
「ああ……。お前の、中で」
ああ、やっと──……。
自分の体の奥深いところまで、この男のものにされることをずっと望んでいた。熱い体液に濡らされることを。
「やあ…っ、あっ、ぁ、は、……あ、はぁ……ッ」
瑞樹が激しく性器を出し入れさせる。その動きは、湊の快楽を追うことよりも自らの欲望を発露させることのみを考えているような激しさで、求められている感覚に全身が歓喜した。
「ひあぁッ、あっ、あ…だめ、え…っ!」
柔らかく開かされていった中の、奥の方まで亀頭が押し入っては粘膜の壁に食い込んでくる。
根元まで湊の体内に収めさせるピストンに唇を戦慄かせながらも、じゅぶじゅぶと音を響かせ自らを犯す肉棒に吸い付いた。
「いっ…、イ、く……っ、あっ、また、イっちゃ…!」
何年もかけて教え込まされた身体が、その先の快感を求めて内側で熱を暴れさせている。
好きな男に、指で、舌で、言葉で愛撫され、その勃起で体内を蹂躙され、どろどろに蕩けさせられた身体が最果てを欲しがっている。
湊がシーツを掻きむしり、無防備に白い喉を仰け反らせるように晒した。
「あっ、あっ、イくっ、いく、からぁ……っ!も、…あぁあッ!」
瑞樹が、腰を掴んでいた手を移動させ湊の背中に回す。
より密着した体温に、湊が身体を震わせながら喘いだ。
軽く達した感覚があるものの、恐らくまだ…これよりも、恐ろしいほどに強い快楽の波を知っている。
「いい、ぞ…っ。 は……っ、俺、も…もう、」
「ひんっ!ふ、あっ、あぁ…っ、ンく……ッ!」
身体を強く抱き込まれる。
瑞樹の濡れた吐息と声に落とされる。
「あっ、いや、ぁ、あ、あああ──……っ!」
湊が肉棒を締め付けるようにきつくさせながら、背中を弓なりにしならせ瑞樹の背中に縋り付いた。それに応えるように、瑞樹も腕の拘束を強くして湊の体をきつく抱きしめてくる。
内側を犯す瑞樹の雄がより一層熱く膨らみ、今にも熱が弾けそうにまで張り詰めているのを感じて、中がどろどろと溶けていく。早くその熱い体液をちょうだいと言っているように。
「はっ──、あ、ぁ……っ!」
視界が真っ白に塗りつぶされるほど激しい快楽の中で、深いところまで熱が押し寄せてくるのを感じる。
「……っ、」
瑞樹がより一層湊の身体を強く抱き寄せ、自らの腕で押さえつけるようにしてくる。奥深くに自らの性器の先端を打ち付け、そのまま身を震わせ射精した。どくどくと脈打った性器から熱い飛沫が出てくる。
「は…っ、んっ、あっ、あッ! はあっ、ん……あっ、だめ、ぇ…だめ、い、…また、いっちゃ…あっ、あっ!」
「みなと……ッ」
「はあっ、いく……ッ、…んあ、あっ……奥ぅ…」
一度絶頂を極めたというのに、湊は自らの体内で射精されあっけなく連続して達してしまった。
頭の中が熱で支配され、意識が全てぼんやりと薄らいでいってしまうほどの強く甘やかな快感の波が押し寄せてきて、震える唇の間からは思い切り欲に染まりきった喘ぎ声が途切れることなく漏れ出てきた。
「はあ……っ、あつい、の……きもち、い…」
熱くてどろっとした精液が中を満たす感覚に全身が震える。
熱に浮かされた表情で蕩けさせた姿を無防備に晒す湊の身体をより強く抱きしめて、瑞樹が緩やかに腰を穿った。
「背中まで震えさせて…」
「うご、たら…っ、あっ、ぁん……ッ」
感覚が鋭くなりすぎていて、少しでも体内に埋めたままの性器を動かされると全身に快感が迸っていく。びくびくと身体を震わせながら、必死にまだやめてと懇願する。
「も……、イきたくな…っ」
緩慢に首を横に振って拒絶を見せる湊の身体をベッドの上で反転させ、腰だけを高く突き上げさせる体勢を強制する。
まだ続けるつもりか、と湊が薄らいでゆく意識の中で思うものの声に出すことはできなかった。
細い腰を掴み上げ、瑞樹が緩やかに腰を打ち付け始める。
「もういや…っ」
「これで終わりだ」
「く、ふぅ、ん……っ、ん、ンっ」
一度絶頂に達して、少しだけ冷静になりつつあった湊が、それでもなお熱に覆われた頭で必死に思考を巡らせる。
結局こうして流されてしまっている自分がいるのだと実感して、僅かに情けない気持ちになった。
「あ、あっ、ぁ、…あっ」
背後から容赦なく突き上げられて、律動に合わせるようにひっきりなしに矯正が溢れ出てくる。
先ほど吐精した瑞樹の体液と潤滑油が混ざり合い、どろどろとした淫らな液体が湊の体内で掻き混ぜられ淫猥な音を響かせた。
そのまま、未だに小さく痙攣する奥深くまで亀頭が押し入ってきて、湊が背を仰け反らせ甲高く喘ぐ。
「あ、ひっ、あぁッ!」
逃げるように揺らいだ腰を捕まえ、次に形のいい小さな尻に手を這わせ揉みしだく。随分と小振りではあるもののそれはそれで瑞樹の欲を煽るようで、その手つきはいやらしさを増していく。
「いや、ぁ…っ、もうっ、もう……ッ、」
いやいや、とするように、シーツに顔を押し付けながらも必死にかぶりを振ってこれ以上の快楽を拒絶する。
しかし、瑞樹が強く腰を打ち付けてくると、まるでもっとと強請るように肉棒を食い締めてしまうのだ。
「湊」
「はあっ、も、だめ…っ、あっ、ぁっ、ぐちゅぐちゅ、して……んあッ」
「湊……」
未だ幼さを残す顔を赤く染め、上気させながら、自覚の有無に関わらず湊が感じ入った声をあげればあげるほど、瑞樹の欲は膨らんでいった。
掴んだ腰を自らに引き寄せるように湊の身体を揺さぶりながら、結合を深くさせるようにどんどん強く打ち付けられて、逃れられない快楽に追い詰められていく。
「ひあぁ…ッ、あっ、あっ!み、ずき……ぃっ!」
思い切り、何度も何度も穿たれて上半身はシーツの上に完全に伏していた。くたりと力なく投げ出された手にどうにか力を入れてシーツを掴むものの、快楽を逃がすには至らなかった。
「も、くる、し……っ」
強烈なほどの圧迫感に呼吸が切迫していく。肌と肌がぶつかり、粘着質な濡れた音を立てながらも一定のリズムで腰を打ち付けられて、自らの中が断続的に収縮をし始めたのが分かった。
──苦しいのに、気持ちいい。
訳が分からなくなっていく愉悦の波に翻弄されて、自分の意識が奪われていく。
「あぁっ、やっ、だめ…っ、だめっ、奥っ」
「好きだろう?」
「ゆるして、もう…っ、あっ、あッ、おか、…しく、な……っ」
「いいよ……っ。それでも愛してやる」
大きく腰を動かされ、奥深くまで亀頭を銜え込まされる。粘膜同士がぶつかり合ってじんじんと痺れてくる感覚に全身がびくびくと震えた。
「やだ、あっ、あっあ、きもち、ぃ……っ」
自分の体の境界がなくなってしまったかのように、熱くなった全身が瑞樹の体と溶け合っているかのようになっていた。
「ぃあっ、いい……ッ!や、やめ……っ」
いや、いい、やだ、いい、やめて。
自分が何を言っているのか全く分かっていない湊の様子に、瑞樹が唇の端を舌で舐めながら意地悪く尋ねてくる。
「やめてほしいのか…?」
「やっ、だめ……!」
「どっちだ…湊」
円を描くように腰を動かし、強い刺激をわざと送らないように緩やかな抽送にされて、湊は切なくひくつく自分の中を自覚する。
もう、何でもいい。ちょうだい、早く。お願いだから。
花束のことも、あの女性のことも、全てを忘れ去られるほどに、今この瞬間は目の前の男をただ欲していた。
「あ、ふあ…ッ、…て……奥、突いて…っ」
欲しくて欲しくて堪らない。
体も心も全て満たして欲しくて、湊は恥も外聞もなく必死に懇願する。
「ひっ、いあッ! あっ、ふ、あぁ……っ!」
深くまで一気に腰を打ち付けられて、湊の背中が大きく仰け反った。
白い背中が艶っぽく見えて、瑞樹が上体を倒して身体を密着させれば、その体温にすら感じて湊が小さく喘ぐ。
ぴったりと合わさった肌が汗でしっとりとしていて、大きく呼吸を繰り返す度に触れ合う体温が心地良い。
「あっ、あっ、ふ…、ぅん…ッ!」
瑞樹は腹に腕を回し、拘束するように自分の身体とぴったり密着させながらも、腰を動かすことはやめない。
少しも身動ぎのできない状態でどんどん追い込まれることになり、湊がただただ甘い声を零していた。
───気持ちいい、気持ちいい…気持ちいい。
好きな男に求められて、快感に浸らされるのはあまりにも気持ちが良くて、もう他のことなんてどうでもよかった。
瑞樹が自分を求めて、自分で気持ち良くなって、…自分が瑞樹を求めて、気持ち良くなれるのなら、もう、なんでも良かった。
「だめ…っ、触ったら、」
「こんなにも摘まんでほしそうにしている」
「あ、あっ、いあ……っ!んっ、あ、ぁ…ッ」
後ろから手さぐりに当てた乳首を強く摘まんではぐりぐりと指の腹で潰されると、自分の中がどろっと反応する。
「あっ、あっ、あ…っ!も、イ、く……ッ」
「こっちを向いて」
「は……っ、んっ」
「イく顔を…っ。 お前の顔を、見せるんだ」
なんとか顔だけで振り返って、背後から覆い被さり欲望を打ち付けてくる瑞樹と目を合わせる。瑞樹の望みは、できることなら何だって叶えてあげたい。
「ひッ、あぁあ…っ!あっ、あ…ッ!」
目と目が合って、欲情した瞳を見た瞬間にもうだめだった。
痙攣させながら達して、中に銜え込んだ瑞樹の雄をきつく食い締める。何度目になるのか分からない深い絶頂感に、白ばむ自分の意識を必死に手繰り寄せようとするものの、深いところまで落ちていく感覚に襲われた。
「く……っ、しめ、つけて…ッ」
「ああぁ──っ!…め、…だ、め……っ!」
力なく項垂れ、シーツに顔を擦りつけた。身体を自力で支えることができず、腰を掴む瑞樹の手だけが頼りだった。その腕が力を弱めれば、今にもベッドに崩れ落ちてしまいそうだ。
「あっ!おく……っ」
「…っ、は……。 お前の、……奥で、全部呑み込むんだ、俺のものを」
「い、ひうっ……やあっ、いっぱい、中…なか……ッ」
覆い被さられた身体に押さえつけられながらも、びくん、と大きく身体を跳ねさせ激しい抽送でもたらされる深い悦に浸っていた。
「みず、き……っ!」
中で弾けた熱い飛沫が、断続的に奥の壁を叩くのを感じる。
奥深くで射精された心地良さを感じながら、名前を呼び、喘いだ。
瑞樹が、熱い吐息を漏らすのを背中に感じていると、射精しながらも再び腰を引かれ、まるで精液を塗り付けられるかのように奥深くまで肉棒を呑み込まされた。
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