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ルチアーノはランスキーのあとに続いて院内を歩いた。
ルチアーノは違和感を覚えた。院内ですれ違う患者や、扉が開いている室内をちらっと見てて、この病院には不自然に子供が多かった。何故かはわからないが、カポネのツテの病院ならば普通とは少し違うのかもしれない。
そうこう考えているうちにベンジャミンの病室についたみたいだ。
―ガラガラガラ
「あ!兄ちゃん」
「おう。元気にしてたか?」
「うん!兄ちゃんは?」
「兄ちゃんも元気だ」
「そっか!あれ、後ろの人は兄ちゃんのお友達?よろしくね!」
そう言ってベンジャミンはルチアーノの方を向き笑顔を見せた。ランスキーと違い可愛げのある爽やかな少年だった。
「...絶対ランスキーと血の繋がりはねぇな」
「失礼なやつだな。」
「ふふふっ」
ルチアーノとランスキーのやりとりを見てベンジャミンは嬉しそうに微笑んだ。
―ピンポンパンポーン
病院のチャイム音が鳴る。
「弟の薬の時間だ。待ってろ」
そう言ってランスキーが薬を取りに病室を出て行った。
ここでは薬の時間は皆共通らしい。
病室で2人きりになりベンジャミンとルチアーノは沈黙する。先に沈黙を破ったのはベンジャミンだった。
「...ねぇ」
「なんだ」
「お兄さんは兄ちゃんと一緒に働いてるんだよね?」
「ん?ああ」
「ランスキー兄ちゃん仕事で無理してない?」
「...どうかな。よく働いてるみたいだけど」
再び沈黙。
ベンジャミンの顔から笑顔が消え、俯いた。
「そっか...。あのね、僕もうすぐ大きな手術をするんだ。でも凄くお金がかかるらしくて...」
「手術の金か...。まあ、心配するな!ランスキーはがっぽり貯めんこでるからよ」
「本当に...?兄ちゃん無理してない??」
「大丈夫だ!あいつな俺らの中でドケチのランスキーって呼ばれてるんだぜ?それにな、あいつ報酬の高い仕事しかしねぇから。」
「そうなの?でもそういうお仕事って大変なんじゃないの??」
「そうだな。まぁ、結構大変だぞ」
「えっ...」
「でもそれは、”普通の人だったら”の話だ。ランスキーは結構強いんだぞ?それに俺もついてるから大丈夫だ」
ルチアーノは明るい雰囲気にしようと声のトーンをあげ、明るく返した。
「...うん、そっか。そうだよね!兄ちゃんは強いもんね!」
そう言って再びベンジャミンに笑顔が戻る。
そこに丁度ランスキーが薬を持ち、病室に入ってきた。
「薬持ってきたぞ」
「ありがと!」
ランスキーはベンジャミンに薬を飲ませ、その後3人で少し話をした。
話に花が咲き盛り上がった頃、ランスキーは「そろそろ時間だ」と言いランスキーとルチアーノはベンジャミンに別れを告げ、来た道を戻り組織に帰った。
久々の休日はそれで終わった。
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