アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
16
-
孝輔『顔合わせでママは気が早いんじゃない?』
この人、母親にも猫被ってるのかな。
美晴『それもそうね、立ったままもなんだから座って座って!!』
お互いに自分の親の隣に腰を下ろす。
座ってそうそう美晴さんは驚くべき事実を告げた。
美晴『私と孝輔は血が繋がってないのよ。』
明るく言うものだから理解するのに時間がかかった。
孝輔『俺、孤児で美晴が…母さんが院から引取って養子に入れてくれたんだ。』
僕はその事が腑に落ちた。
だから似てなかったのか。
空葉『そうなんですね…。』
孝輔さんも大変だったんだな…。
なにか話題話題!!
空葉『あの、失礼ですがご職業は…?』
すごく上品で、一般の人とは思えない。
美晴『そうそう!大事なことを言い忘れてたわね。
私は陵さんの務める会社の社長をやらせて頂いているの。』
?!!!
空葉『わわっ、社長さんですか?!』
上司どころの話じゃなくて驚いた。
美晴『ついでを言えば、孝輔も社員でね。
跡継ぎだから御曹司なのよ。』
御曹司…あの意地悪が?!
陵『俺より出来すぎてて複雑な気分だよ。』
笑いながら父さんが言う。
確かにこんな猫被ってたら評判も良いよね…って僕も人の事言えないか。
孝輔『俺は何時でも貴方には勝てませんよ。』
孝輔は作ってはなく、自然な笑顔で言うもんだから皆で笑い合っていた。
このやり取りを見てしまった空葉。
ーあぁ、僕は部外者なんだ。ー
頭の中の幸せな家族の想像図に、僕はいなかった。
そう気付いてしまうと体が冷えていく一方で、緊張は解けていった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 154