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嫌な時間を迎えるのはあっという間で。
稜『話って?』
孝輔『何かあったのか。』
2人ともじっと僕を見つめているから、緊張して何も言えなくなってしまう。
貴大『空葉、大丈夫だから。』
背中をトンと押され、渋々口を開いた。
空葉『じ、実は…ストーカーみたいなのにあってて…』
するとほぼ同時くらいで反応される。
『『は?』』
稜『空葉が?』
空葉『そう。』
孝輔『何時からだ。』
空葉『数日前から…』
貴大『どうやら、登下校の時も家に入るところまで見られてるらしくて。』
足りない分、貴大が説明してくれて正直助かる。
稜『どうしてもっと早く言わなかったんだ?』
空葉『…ごめんなさい。』
お父さんに怒られるのは初めてで、悲しみでいっぱいになった。
稜『謝れと言っているんじゃなくて、どうしてか聞いてるんだよ?』
空葉『誰にも、迷惑かけたくなくて…』
いや分かる、そう思って言わないこと自体が迷惑になるのだ。
分かるけど…
稜『貴大にも言わなかったんだろ。』
お父さんにはお見通しらしくて、コクリと頷く。
孝輔『ストーカーだけか?』
あの話はしたくなくて、すぐに返す。
空葉『うん。』
孝輔『…本当だな?』
何故か信じて貰えなくて、動揺してしまう。
嘘がバレた…?
その少しの動揺も父親は見逃さなかった。
稜『まだ何かされたんだな、言いなさい。』
…あんなこと、父さんにも貴大にも、勿論孝輔さんにも知られたくない。
空葉『直接なにかされたんじゃないんだ…ただ、どうしても言いたくなくて。』
稜『…孝輔くんだけは?』
空葉『…』
貴大『誰かには言わないと駄目だ。』
空葉『孝輔さん、だけなら…』
孝輔『よし、空葉の部屋で聞かせてくれ。』
稜『よし、頼んだよ。』
一息ついてにこりと僕に笑いかけた。
稜『空葉は1人じゃないんだ、だから大丈夫。』
空葉『っ、うん。』
孝輔さんに手を引かれて、僕の部屋にむかった。
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