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醜い感情 (慎太郎side)
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最近、遥の元気がない。
俺と話す時も、なんかよそよそしい。
多分、それは俺に原因があると思う。
ここ数ヶ月の間で、俺達の仕事の数は今までの倍は増えた。
メディアへの露出が増え、それに伴ってファンも急激に増えた。
ちょっとしたライブに出れば、いつも必ず出待ちのファンに捕まる。
その中にファン以上の感情を持った人だっているのは明らかで、でも、遥は鈍いからそれに気付いていない。
気付かずに愛想ばっか振りまいて、人の気も知らないで……。
気がつけば、そんな遥に対して苛立ちを感じていた。
そしてまた、自分に対しても…。
お前はそういうタイプの女が好きなのか。
そんな、見るからにお前を狙ってるような女のどこがいいんだ。
そうやって誰にでも優しくするから、勘違いする奴が現れるんだ。
俺の前で、楽しそうに女なんかと話すなよ…。
俺の中に、こんな真っ黒な感情があるなんて、知りたくもなかった。
そんな感情は徐々に俺を支配し、そして、ついにはそれが態度にまで現れてしまった。
いくら鈍い遥でも気付くような、冷たい態度。
俺と遥が、初めて言葉を交わしたあの頃より悪い。
だからきっと、遥の元気がないのは、俺のせいだと思う。
あいつのことだから、自分のせいでだと思って悩んでるんだろう。
早く、別にお前は悪くないって
適当に理由見繕って、冷たくして悪かったなって
言ってやらないといけないのに…
ごめん、遥。
今の俺はおかしいから、
少しでもお前が、俺の事を考えてる時間が増えるなら、それもいいかもしれないって、
そう思ってしまっている自分が居るんだ…。
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