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ああふわりと香るこの匂いは、間違うはずがない。
「ん、、怜斗??」
「そんなとこで夜景でも見てたのか?」
「うん、、、えっ!夜景??俺が見てたのは夕日なのに、、、。」
「寝ぼけてんのかよ?笑」
夢みてたんだ、、、。
「寝てたんだ、俺。
久しぶりに懐かしい夢見た気がする。」
あの時は、クソだなと思いながら生きてたのに、
結構鮮明に覚えてるもんだな。
「どんな?」
「卍魂のパリピくんの夢」
「なんだよそれ爆笑」
「元カレ」
「夢で浮気すんなよー」
「妬いてくれるなら、しちゃうかも、?笑」
「ふっ
そんなこと言ってる暇あれば夕飯でも作れば?笑」
「ちぇ、妬いて欲しかったのに」
「残念でした〜笑」
ちぇ、、、ちぇ、、、。
なんか悔しい。一回でもいいからギャフンと言わせたい!
不貞腐れてる俺を見て笑いながら、
隣に椅子を持ってきて怜斗も腰掛けていた。
「この景色を見せたかったんだよ。」
ふと怜斗が呟いた、
「俺に?」
「そう。
金ない時から、このタワーマンションの34階のこの部屋って決めてた。
引っ越そうかなって話が出た時から。」
「そうなの?」
「1日の移り変わりが大画面のテレビみたいに映るんだよ。
俺たち、こんな当たり前のこと見て育ってきてねえだろ?
紫之を幸せにしたいと真面目に思い始めると同時に、俺も幸せになりたいんだなって気づけたんだよ。
でも、どうやったら人が幸せになんのか分かんなかったから、結果こんなクサいことしてしまったけど。
だから嬉しいよ、この窓際でお前がうたた寝してる姿見れて。
頑張ってきてよかったよ、本当に。」
「怜斗、、、。」
目頭が熱くなってきた。
こんなこと考えてたなんて知らなかった。
「ん?」
俺は、
俺は、、
「怜斗といれるだけで世界で一番幸せだよ?」
「クサいな笑」
言葉にすると軽くなる。
違う表現で、、、
もっと、こう、、、
はっ!こんな時こそ愛情を体で示すべきでは!?!?
怜斗の方は身を乗り出す、
見つめ合いながら距離を縮める。
このまま、、受け入れろ、、、!
あと15センチくらいの地点で、
途端にとまる。
どうしよう、、、
恥ずかしい、、、。
どうした!?どうした自分!
キスもしてなさすぎて免疫がなくなったのか!?
やだやだ!これじゃチェリーボーイじゃねーか!
どうしようどうしよう。
「ぶはっ笑
はははっ何百面相してんだよ!笑」
「うわ!唾飛んだっ!!」
「塗りたくっとけば?笑
ピュアボーイしのさん笑」
「もうっ!!おいっ!!」
席を立って、仕事部屋に向かう怜斗に叫んだが、
口笛を吹きながらクスクスと笑っている。
「夕飯待ってるぞ〜笑
ピュアボーイさん♪」
「もうっうるさいっ!!」
なんかいつも余裕そうなんだよなあいつ。
ムカつく、まじで。
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