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「ただいまあ〜」
電気ついてる。
帰ってんのかな〜。
っち、靴がうまく脱げない。
突然こちらに向かってくる足音が聞こえる。
「どこいってたんだよ!!!!
美佐子さんとかかと思ったら、
あったけどすぐ帰ったっていうし!!!」
怜斗だ、、。
怜斗だあ。
「れいとぉ〜ただいまあ〜」
靴はいたままでいいや。
怜斗に抱きつく。
「おい!!俺、怒ってんだよ。
てか、酒くせえ!どんだけ飲んだんだよ。
靴脱げって!」
「ぬげない〜」
落ち着く匂い。
「おい、本当に何杯飲んだんだよ。」
「寝る。ベッド連れてって〜!抱っこ!!」
「はあ??」
怒っているみたいだけど、
俺を抱えて、寝室へ行く。
多分、話しても無駄だと思われてる。
なんか、静かだな。
心臓の音しか聞こえない。
あと、怜斗の足音。
「ついたぞ。
おもってぇ!」
どさっと落とされた時
離れようとする怜斗の手を掴む。
「離れないで、、、」
大きな溜息が聞こえる。
「隣寝て?」
「なんだよ、、はい。」
言うことを聞いて
寝てくれる。
「今日どこに居たんだよ。」
怜斗が先に口を開いた。
俺は待ってましたと言わんばかりに微笑んで
「、、、ホテル」
「なんだよそれ」
怜斗の表情が読めない。
「知らない人について行っちゃった」
怜斗は天井をみたまま何も言わない。
「あの後、もうどうでもよくなっちゃって
ゲイバーに行って男の人と会った。
初めて会ったひと。
ホテルに誘われて、それで「聞きたくねえ」」
怜斗が声を荒げた。
「それでついて行っ「聞きたくねえっつってんだろ!!!!」」
体を起こして、ベッドを力一杯叩く。
俺はそれでも話し続ける。
「ううん、聞いて。
ついて行ったけど、帰ってきた。
俺は、、、
俺はね。
怜斗が好きだよ。
だから、寂しいんだ。
俺はセックスがしたいわけじゃないんだよ。
怜斗が好きだから、もっと触って欲しいし、
キスだってして欲しい。
愛されたい。
近くにいてくれて、手を握ってくれるだけでもいい。
貪欲なんだ。
心だけじゃ満足できない。
ちょっとでも、怜斗が離れていると寂しい。
ちゃんと話したい。全部。」
しばらくの間俺はずっと怜斗の背中を見つめていて。
沈黙。
通じて欲しいと想いをこめて。
「俺は、、
、、気づいてたつもりだったよ、一応。
急に寂しそうに笑ったり、悩ましげに俯いたりしてたから。
でも、それはいつも俺が触った時とか、想いを口にした時だったから。
なんか、どうしたらいいか分かんなかった。」
ポツリポツリと確かめるように話し始めた怜斗。
心当たりがあったから、チクリと胸が痛んだ。
「でもその反面、
突然なにか仕掛けてきたり、百面相したり、
ハイテンションなお前を見て、可愛いと思ってた。
俺は紫之に欲情してないわけじゃなくて、
なんつーか、
この雰囲気を壊しちゃいけねんじゃねえかって思ったんだよ。
だから、誘ってきた時に、考えることがあった。
昔は誰でもてきとーに抱いていたけど、
紫之と生きる覚悟を持つようになってからは
なんでも中途半端じゃいけないって、頭の中で考えてしまって、でも、それが間違いだった。
結果的に、紫之を傷つけてたんだし。」
「考えすぎていたのは俺も一緒だよ。
寂しいなら寂しいって言えばよかったし
隣にいて欲しいなら、そうやって甘えればよかったし
怜斗が好きなら、好きだって恥ずかしがらずに言えばよかった。
今日、男にキスされそうになった時。
怜斗じゃないとって思った。
やっぱり自分は怜斗じゃないと嫌なんだって思った。
でも、ここで引き下がったら負けだって意地になってしまって。
ホテルまでついて行った。
ごめん、」
俺は怜斗に素直に頭を下げる。
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