アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
宇宙に浮かぶ、ひとつの惑星。それは、周りに光を発する衛星を持ち、朝や夜が存在した。その衛星をかつて存在した炎の惑星と同じく、太陽と呼ぶ。
ーーアース星。それがこの惑星の名前だ。ここには国は存在しない。かつての地球にはそれぞれの異なる言語や文化ごとに別れて暮らしていたとされているが、それは戦の火種になりかねんとしてここアース星では、国の建設を禁止していた。
まあ、権力争いは今でも勃発しているがな。
「はぁ……まだ終わらねぇ……。」
腹減った……。
胃の中にエネルギーとなるものを入れろとばかりにぐうぐうと腹の虫が鳴く。だが、俺は手に持っているチラシを配り終えるまで帰ることは出来なかった。
午前三時から始めたこのチラシ配り。本当なら立ち乗りバイクに乗って行うはずが、何故か今日壊れてしまい、ただいまメンテ中だ。だから俺は自分の足で各地を回っていた。
ただいまの時刻は……午前6時31分……か。
デジタル時計に表示された数字を見て、俺はまた溜息をついた。
「はぁ……今日朝礼あんのに……。」
ダル……。
そう。今日は俺の家の家業であるフラワーショップの朝礼がある日だった。家と言っても本当の家ではなく、親戚の店だ。
俺の両親が何かの事件に巻き込まれて死んだということを聞いた時、真っ先に俺を引き取ると言ってくれた人達だった。
とても優しく、笑顔が耐えない人達。俺は、その夫婦が好きでいる。ま、愛しさゆえか、厳しい言葉も度々かけられるが……。
あの人達……ユミさんとダグラスさん……っ怒ると怖いんだよなぁ……。
なんて、心の中で思いながら俺は早足でチラシを配っていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 75