アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
17
-
「ふぁあ……ねむ……。」
俺はまた大きく欠伸をしていた。昨日全然寝れなかった上に、朝早く起きたからか、今がとてつもなく眠い。しかし、俺は今店番をしている。
今日は絶好の昼寝日和だ……。
と、考えながら椅子に座って会計台から空を見上げていると、視界に女性のものと思われる帽子が映った。
俺は切り替えて営業スマイルを顔に貼り付ける。
「いらっしゃいませ、どのような花をお探しですか?」
その女性にそうやっていつもの言葉をかけると、女性はすっと俺の後にあった花を指さした。
紫のアネモネ……?
「紫色のアネモネですか?花言葉はあなたを信じて待つ、です。お買い上げになりますか?」
その女性はふふ、と笑って頷いた。
俺はその笑顔に何かゾクッと背中を登っていくのが感じられた。
なんだ、この人……。なんか、嫌な感じがする……。
そう思いながらも安定の営業スマイルを崩すことなく、紫のアネモネを束ねると、女性に料金と引き換えに手渡す。
「あなたを信じて待つ、ですか。ふふ、そういう事ね。」
と、呟いてフィオーレを去っていった。
なんだったんだ、あの人……。
俺はしばらく疑問に思っていたが、次の客が来たためにその女性のことを気にしなくなってしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 75