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食事会が終わると、叔母様や叔父様達は帰り、食事の間には俺と、姉様と兄様だけになる。
「レイン……。」
姉様の声を聞いた瞬間、俺は弾かれたように涙を溢れさせた。
「どうしよう、姉様……兄様……っ……。俺の……俺の、せいで……ショウマが……ショウマが、ぁ……っ」
食事会の時には、叔母様は叔父様に話してなかったみたいだったけど、もし話してしまったら、ショウマは何かされる。絶対に。それが何か分からないから、余計に怖い。
たかが仲良くしただけ。それだけで、罰が与えられるなんてバカバカしいと思う。でも、叔父様達は太陽の貴族としてのプライドが高い、高すぎるから、太陽の貴族が一般人と仲良くするなんて絶対に許さない。もはや一般人を人と扱ってはいなかった。だから、叔父様に知られたら、ショウマには、厳罰が下る。
ショウマの実家の店が、潰される?それとも、やっぱり……ショウマの命が奪われる?
考えたら身体の震えが止まらなくて、自分の身体を抱きしめる。
そんな様子を見て、姉様は俺を抱きしめた。
「レイン……っ」
姉様も、苦しいのか……?
涙を今にも流しそうな悲しい表情をしていた。
「レイン。まだ、手はある。」
その言葉に、俺はおもむろに兄様に目を向ける。
「お前にとっては辛いことかもしれんが、ショウマという人間は守れる。」
「っ!!」
ショウマを、守れる……。
俺は涙を拭って、姉様の腕を抜け出し、兄様の目を見た。
「いい……ショウマを守れるなら、どんなことでも……。」
俺の、大事な人。出会って数日だけど、俺の中ではかけがえのない人間。
ショウマの姿が脳裏に浮かぶ。たったそれだけで胸が苦しくなって身体が熱を持った。
そんな俺の目をしっかり見つめて、兄様はやっと口を開く。
「叔父様と叔母様の目の前で、ショウマと縁を切るんだ。」
ドクンと心臓が大きく波打った。
「っ……。」
そんな……叔父様と、叔母様の、目の前で……なんて……。
まだ、縁を切るというだけだったら、ショウマに事情を話してしばらくの間会わないようにするってことも出来たかもしれない。でも、叔父様達の目の前でとなると話は違ってくる。
何をしても、ショウマを傷つけるだけの別れの形になってしまう。
「そして、これがお前が辛い思いをするだろうよ。……その後、今までのは遊びだったと、仲良しごっこをして、しばらくしたら突き放すつもりだったと、叔父様達に宣言するんだ。」
兄様は俺の目を見つめて、声のトーンを低くしてそう言った。
その途端、いつもは声を荒らげない姉様が俺達の会話を大きな声を出して遮った。
「シュート!!それをしたらショウマという人間はっ」
「黙れ!!」
声を荒らげて、姉様の言葉を遮る。こんな兄様は初めて見た。でも、それより、ショウマを突き放すつもりだったと宣言する、ということが心に重くのしかかっていた。
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