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俺も含めた皆を見渡すと、叔父様は片手をすっと小さく上げた。
それを見た使用人が食事の間の扉を、ギィィ…と音を立ててゆっくり開いていく。
俺は誰が来るのだろうと一瞬疑問に思ったが、その答えはすぐに見つかった。
今日来る予定の人間は、あの人達しかいない……
コツコツと足音がだんだんと近づいて、やがてその姿を扉の影から現す。
その瞬間、叔父様はニヤリと不敵に笑った。
「ようこ我らの食事会へ、火星の貴族殿。」
「相変わらず、ムカつく男だな。」
そう叔父様へ返したのは、火星の貴族の頂点に立つ、ジーク様だった。階級的には俺より上だ。
「ククッ……さて、食事会を始めるとしよう。」
叔父様のその一言で、食事会が始まった。
***
「……それで、どうする?」
「もう少し税金を抑えることを考えているんだが、どうもそれでは色々と問題が……。」
叔父様とジーク様は、統治している区のことで色々話し合っていた。
俺はというと、ただ黙って礼儀正しく無言で食事を続けていた。母様も父様も互いと話し合っていて、俺には誰も話しかけなかった。
別に、寂しいわけじゃないけど……。
どうしても、頭にショウマが浮かんでしまうのだ。
ショウマだったら俺に話しかけて、俺をわくわくさせてくれるんだろうなとか、ショウマとご飯食べる時は俺が礼儀正しくしてるのを笑い飛ばしてくれるだろうなとか、色々考えてしまって、頬が緩んでしまう。
だめだ……笑うっ……
そんな時だった。
「なあ、なんで笑うの我慢してんの?」
隣から声がして、目線を向けてみると、そこには火星の貴族第一王子のヴァルド様がいた。
「なあってば。」
グイッと顔を近づけてきて、思わず仰け反る。
「いえ、何も我慢はしてません……っ、」
ヴァルド様はふーんと言ってまた食事を取り始めた。
内心ほっとしながら、俺も食事を続けようとしてフォークを持つ。
が。
「綺麗だな。」
は……?
思わずそう言いそうになった。なぜなら、ヴァルド様は俺の髪を手ですくって、明らかにその言葉を俺に向けて言ったからだった。
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遅れてすみませんでした!
m(_ _)m
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