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「それに、いい匂いがする。」
クンクンと俺の頭に鼻を近づけて、匂いを嗅ぐ。
「や、やめてください……。」
俺は羞恥心から顔が熱くなっていた。その熱を冷ますように、ヴァルド様の胸をグッと少しばかり力を入れて押し返す。
だがーー
「っ!?」
……ビクともしない。
しばらくそのままされるがままで、俺が何を言わないでいると、俺が戸惑っているのを感じ取ったのか、ヴァルド様は退いてくれた。
はぁ……。
内心ほっとしたのもつかの間、次の瞬間には俺の顎を持ち上げられ、強制的にヴァルド様の目と合わせられた。
「っ……」
ヴァルド様の綺麗な橙色の瞳が俺の目を捕らえる。
橙色の瞳は、光の加減で少し金色にも見えて、それが俺にショウマのことを思い出させる。
それが、ドクンドクンと心臓を高鳴らせた。
ショウマに、されてるみたい……。
そんなことを思っていると、こんな声が飛んできた。
「ヴァルド、やめろ。」
誰の声かとその声の主を見てみると、それは叔父様と話していたはずのジーク様だった。
そして次の瞬間、俺の目は見開かれた。
「婚約者に失礼だろ。」
………は?
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