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じっと掴まれた腕とヴァルド様を交互に見る。
「あ、の……」
なぜ腕を掴まれているのか、訳が分からずに戸惑いの目を向ける。そうすることしか出来なかった。
そして、しばらく沈黙が流れた。お互いに何も喋らず、ただ目を見つめあっていた。
そんな中、ヴァルド様はなんの合図もなしに口を開く。
「……はぁ、太陽の貴族ってのは、あのおっさんを見てる限り嫌な奴ばかりだと思っていたが……」
スルッと俺の手を握り、そのまま甲に唇をつけ、チュッとリップ音を鳴らした。
な、何してるんだこの人!!
「お前は、違うみたいだ。」
ふっと笑顔を向けられた。上から目線の口調で、地位は俺の方が上のはずなのに、堂々としているヴァルド様はなんだかかっこよく見えた。
そして、向けられた笑顔がふと、ショウマの笑顔と重なり顔が赤くなるのを感じた。
なんで、今ショウマのこと思い出すんだ……?
「……っ」
俺が恥ずかしくて何も言えずにいると、急にヴァルド様が吹き出した。
「ふはっ」
な、なに!?
当然、俺は驚く。
「お前、心臓の音やばすぎっ」
そう言われて、俺は慌てて胸へ手を当ててみる。
でも、心臓は特に何も変わったことはなかった。
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