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『しばらくお前は外へ出るな。』
そう、叔父様に言われて、俺は自室へ閉じ込められてしまった。
「……っ」
あれから何時間も過ぎ、早朝ショウマと会うはずの時間になったのだが、抜け出すことは叶わなかった。
ごめん、ショウマっ……どうか、俺を……
何も言わずに姿を現さなかったのが、とてつもなく心苦しい。ショウマは優しい。それは俺がよく知っている事だった。だからこそ、心配で心配でたまらなかった。
そんなことを考えているうちに、あっという間に時間が過ぎていき、窓の外を見るともう真っ暗だった。
でも、そんなことはどうでもいいくらい、今の俺はショウマのことで頭がいっぱいで、何度も何度も心の中で謝った。
ごめん……本当に、ごめんっ……ショウマ…!
そんなとき、コンコンと俺の部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「……はい。」
「お食事です。」
使用人だろう。朝も昼もこうして食事を運んできた。
目の前に置かれた食事は栄養バランスの考えられた健康的な料理だった。俺にとってはこの食事は美味しいと感じられない唯一のものだった。
「……っ…」
俺は空腹を感じながらも、食べ物は喉を通らなかった。
俺はそれを少し口にしては、カチャンとフォークやナイフを置き、半分以上残した。
そのことに対して申し訳ないと思うが、俺は使用人達の目を見るとその感情がどこかへ行ってしまうのを感じた。
「っ……」
使用人は叔父様に操られているのかそうでないのかは分からないが、表情を変えることなく、まるでロボットのように食器を下げた。
「ちくしょうっ……俺は、みんなは、なんで……」
叔父様に抗いたい。でも、俺には能力がまだ目覚めていなかった。もし目覚めていたとしても、その能力が叔父様を超えることは万に一つの可能性だ。あるはずがない。
俺は自分の不甲斐なさを恨んだ。
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