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俺はユミさんが何を言っているのか分からなかった。
「俺の家系が……月の、貴族だって……?」
全部で星の貴族は九つ。太陽、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星のそれぞれ九つの太陽系の星。それの生まれ変わりとされている貴族。月の貴族という名前は生まれてから一度も聞いたことがなかった。
「何だ、それっ……知らないぞ、俺…」
「あたりまえよ……月の貴族はあなたの両親の代で潰され、ましてや公にはされてなかったのだから……。」
え……?
「ど、どういう……」
上手く話を理解できない……。
「月の貴族というのは、あなたの知っているように星の貴族の中には入っていない。でも、ある能力を持っていたから、星の貴族と対立する月の貴族が出来た。」
「対立するって……」
ますますわからん……
「いい?星の貴族がみんな能力を持ってるのは知ってるわよね?月の貴族の能力は、その星の貴族達の能力を無効化するというものだったの。」
俺は少しの間分からなかった。
「星の貴族の能力を無効化する力を持っていたために月の貴族は誕生し、潰されたの。」
「待ってくれよ……なんで潰されなきゃならないんだよ!ただ無効化できるだけだろ?」
「無効化……そうね。言い方が悪かったわね……。」
よく分からない汗が流れる。
「月の貴族はね、星の貴族の能力を反射することが出来たのよ。」
反射っ……!?
「っでも、そんな力俺には……」
「自覚がないだけよ。その能力は貴族から能力を受けた時に初めて覚醒するものだから。」
俺は自分の手を見た。
俺に、そんな力が……?
「だから、ショウマ。あなたが月の貴族だからこそ、私達は太陽の貴族の人間と連絡を取っていたの。あなたの様子を観察するためにね。」
俺は驚いて、目を見開く。
知らなかった……そんな素振り、一度も見たことない……っ
「それで、先日。その人からあなたが太陽の貴族の家へ来たと連絡があったわ。それと、その日に何があったのかも教えてくれたわ。」
俺は心臓が大きく波立つ。嫌な汗が出て、あの日の光景が脳裏に浮かぶ。
「あなたが最近様子が変なのは、その出来事のせいだと、私は考えているの。確か、レイン王子だったわね。あなた、助けに行きなさい、彼を。」
た、助けに……?
「っでも、俺は……!」
また、あんなことを言われたら……流石に耐えられる気がしない……っ
心が痛くなり、服をクシャッと掴む。
「ショウマ。レイン王子は今、お見合いしている最中だわ。」
俺はそのユミさんの言葉を聞いて、頭が真っ白になった。
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