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能力の覚醒。それは、身体が成人する年齢の半分、大体10歳前後の時に起こる現象。
俺は何故か、その時になっても能力の覚醒はしなかった。
俺の容姿は、一番叔父様に似ているため、強い能力を受け継いでいるはずだと言われてきた。そして当然、周りからも可愛がられていた。ところが、俺は11歳を超えても、12歳を超えても覚醒しなかった。
姉様も兄様も、それは微力ながらもしっかり覚醒していた。俺だけだったのだ、出来損ないは。
しかし、周りの人間が俺から離れていくのかと思いきや、そんなことは一切なかった。
『レイン様はハルジ様に似てとてもお美しいですねぇ……。』
『ええ……本当に。レインは私の自慢の甥ですよ。』
多分、俺の見た目が叔父様に似ていたのが幸いだったのだろう。俺が捨てられることはなかった。
***
「何故……何故だ!!」
叔父様は青い顔をしている。しかし、俺はそれよりも驚いていた。もちろん、自分の力のことだ。
能力……?俺が……?
「き、貴様ら!はやくレインを殺せ!」
しっかりと貴族達の目を見てそう命令した。しかし、貴族達は何もせず、そのまま立ち止まったままだった。
「な……何故だ……何故、お前が……!!」
すると、後ろから男女の笑う声がした。
「ふふふ」
「ククク」
俺はその声を聞いた瞬間、涙が出そうになる。俺は笑顔を浮かべて振り向いた。
「兄様……姉様……!無事で、良かった……!」
そこには、着ている服はボロボロなものの、しっかりと両足で立っている兄と姉の姿があった。
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